94 探索前のステータス確認
学園の地下迷宮の探索開始だ。
学園長はレベル85もあるし余計な心配はいらないだろう。
問題はロディンさんとリイネさんだな。
[ロディン] レベル41
〈体力〉880/880
〈力〉330〈敏捷〉380〈魔力〉290
〈スキル〉
(騎士の剣術〈レベル5〉)(身体強化〈小〉)
(指揮)
これがロディンさんのステータスだ。
数日の間に特別クラスの生徒はオレとアイラ姉がレベル上げの特訓を少し行ったのでロディンさんもレベル41まで上がっている。
[リイネ] レベル43
〈体力〉1550/1550
〈力〉870〈敏捷〉990〈魔力〉860
〈スキル〉
(騎士の剣術〈レベル6〉)(身体強化〈小〉)
(指揮)(異世界人の加護〈仮〉)
そしてこれがリイネさんのステータスだ。
······ん? スキルに(異世界人の加護)が付いてるぞ?
そのためロディンさんとレベルが2つしか違わないのにステータスに倍以上の差がある。
「アイラ姉、リイネさんに加護が付いてるんだけど······?」
与えたとしたら多分アイラ姉だよな?
「ああ······それはな············」
「ふふ、キスくらい軽いスキンシップのようなものだろう?」
言いにくそうなアイラ姉の代わりに答えるリイネさん。
つまりアイラ姉とキスをしたのか。
「この加護というのは本当にすごいぞ。身体の奥底から力が溢れてくるような感覚だ」
「まったく······私の唇を強引に奪いおってからに」
いつの間にかリイネさんとアイラ姉はずいぶん仲良くなっていたみたいだ。
ずいぶん距離が近く感じる。
「わたしなどマシな方だろう? 同室のキリシェとなどそれ以上の············」
「ええい、わかった! ······今はその話はやめよう」
アイラ姉が強引に話を切った。何の話だ?
キリシェとはオレ達と同じ特別クラスの生徒の一人だったな。
アイラ姉やリイネさんが凛々しいお姉さんならキリシェさんはおっとりお姉さんって感じの人だった。
話を聞くとアイラ姉とリイネさん、そしてキリシェさんは学生寮で同じ部屋らしい。
アイラ姉は男と同室ではなかったようだ。
「リイネさんも寮に住んでいるの?」
王女であるリイネさんがほとんど平民しかいない学生寮に住んでいるのか?
「ああ、こんなことを出来るのも学生の内だけだからな」
オレの質問にリイネさんが笑って答えた。
ちなみにロディンさんは寮ではなく王城から通っているそうだ。
まあそれが普通だよな。
「ロディンさんには加護は付いてないね」
「女性同士ならともかく、男の俺とスキンシップでキスをするわけにはいかないだろう?」
まあそれもそうだ。
ましてやロディンさんは王子だしな。
「なら男同士なら問題ないんじゃないか? レイも加護を与えられるのだろう?」
リイネさんがそんなことを言い出した。
「············悪いけどオレにそういう趣味はないよ」
「安心しろ、俺もだ」
BLな関係はちょっと勘弁だ。
なんで残念そうな顔をしているのかなリイネさん?
「それはそうとレイ、俺はロディンと呼び捨てで構わないぞ。言葉遣いも普通でいい。俺もレイと呼ばせてもらう」
「え? いいの?」
「お前は敬語やさん付けで呼ぶのは苦手なのだろう?」
アイラ姉あたりから聞いたのかな?
確かにオレは堅苦しい言葉遣いは苦手だ。
アイラ姉に何度も怒られた記憶がある。
「それじゃあ改めてよろしく、ロディン」
「ああ、こちらこそな、レイ」
オレとロディンが握手を交わした。
王子だから堅苦しい人かと思っていたが意外と接しやすい人物だ。
さて、それぞれ挨拶も終わったしいよいよ学園地下迷宮の探索を始めよう。
スミレがさっきから退屈そうだ。
[レイ] レベル415
〈体力〉32500/32500
〈力〉21700〈敏捷〉19900〈魔力〉32800
〈スキル〉
(全状態異常無効)(素材召喚)
(獲得経験値10倍)(同時詠唱)(暴食)
(強化再生)(各種言語習得)
(異世界の絆〈2/5〉)
[シノブ] レベル370
〈体力〉16200/16200
〈力〉13550〈敏捷〉20200〈魔力〉12050
〈スキル〉
(全状態異常無効)(薬物錬成)
(魔法・スキル付与)(獲得経験値10倍)
(スキルスティール)(同時詠唱)(暴食)
(強化再生)(各種言語習得)
(異世界の絆〈1/5〉)
[アイラ] レベル493
〈体力〉44500/44500
〈力〉26500〈敏捷〉28800〈魔力〉14500
〈スキル〉
(全状態異常無効)(アイテム錬成)
(獲得経験値20倍)(同時詠唱)(暴食)
(強化再生)(各種言語習得)
(騎士の剣術〈レベル5〉)
(異世界の絆〈1/5〉)
ちなみにこれが今のオレ達のステータスだ。
アイラ姉とシノブも魔力が一万を超えたから転移魔法を使えるようになっていた。
やはり魔力一万以上が使える条件みたいだな。
こうして見るとスキルも最初に比べてずいぶん増えたものだ。
············アイラ姉の(異世界の絆)が〈仮〉ではなくなっているんだが今は突っ込まないでおくか。
[スミレ] レベル160
〈体力〉12880/12880
〈力〉7450〈敏捷〉8800〈魔力〉4900
〈スキル〉
(幻獣化〈✕〉)(身体強化〈大〉)
(同時詠唱)(暴食)(強化再生)
(異世界人の加護〈小〉)
最後にスミレのステータスだ。
いつもオレ達と一緒にいたからかなり強くなっている。よほど強力な魔物が現れない限りやられはしないだろう。
とはいえ油断は禁物だな。
迷宮は何が起こるかわからない。
気を引き締めて探索を開始しよう。