千客万来!(お義父様、顔が広すぎます)
夏場だったし、一日でも早く済ませたかった葬儀も葬儀屋の空きの関係で遺体発見から3日後。
本来だったらもう1日、義父のご遺体と共に泊まらなきゃいけなかったところだけど、義姉の旦那が2人とも疲れてるだろうし、って事で、代わってくれた。
義姉の旦那様、私よりも1つ年下なのに、人間出来てるわぁ。あんたもイケメンだから早死にしないようにね。
私達夫婦は一時帰宅。
その日は本来だったら前々日の夕食用に買っておいた食材を使って夕食を作り、それを食べてお風呂に入ると、やっぱり疲れていたみたいで泥のように眠った。
で、翌日。その日も結局遺産とか色んなものの解約とかでガチャガチャして、そうしたら夕方も直ぐだった。
葬儀屋の用意した霊柩車が来たんだけど、最近はワゴン車なのね。
旦那が位牌と遺影を持って霊柩車の助手席に乗る。
そして私は旦那の車で追いかける。
ちなみに旦那の当時の車なんだけど、私は初めて運転したからちょっと怖かった。
やっぱ乗り慣れてる私の車で来たら良かったよ。
お通夜及び葬儀の会場まで、車で15分ほど。
って言うか、この一帯葬儀屋だらけ。
火葬場でも近いのかな?なんて思ってたら案の定、それこそ歩いて行けるような距離にあるらしい。
で、葬儀屋に入るとそこには綺麗に飾られた祭壇があった。
旦那やウチの職場からも花が手向けられている……。
いや、うちの旦那の職場ってそれなりの有名企業なんだけど、何だかしょぼい……。
逆に私の勤めてる職場なんて、地元の人しか知らないようなしょっぱい会社の割に立派すぎ!
いやいや、こういう時に喪主の企業より嫁の企業が目立ってどうするよ!?
私の理想の嫁像ってのは、あまり目立たずに旦那を立てる、慎ましやかながら賢い奥様なんですけどっ!?
これじゃまるで結婚披露宴で花嫁よりも目立ってめっちゃウザがられる新婦の友人Aだよ。
な、内緒で旦那と私の職場の名前、入れ替えてやろうかと思ったよ。
いや、もちろんそんな事しなかったけど!
そうこうしているうちに時間になり、親戚や義父の元同僚達が次々とやってくる。
って言うか、親戚、誰が誰だか全くわからん!それにアホみたいに人数が多い!ゆうに100人は超えてそう。
当たり前だけど旦那は誰が誰だか把握してるっぽい。
さすが長男。
これってやっぱり披露宴をしとけば、少しはマシだったのかな?なんて思った。
そう、これは長男と結婚する人にアドバイス!
特に田舎の風習が残る家の、いわゆる御曹子って言われる人種と結婚するとき、披露宴はしといた方が良いかも知んない。
でないと私のように初めての顔合わせが、いわゆる『お悔やみ初めまして』になってしまう可能性があるからね?
いや、これは私と仲良しの義母に聞いたんだけど、旦那の親戚ってかなり陰湿で、裏では何を言われてるのかわかったもんじゃないって言ってた。
実は義父と義母が離婚した原因は、義父のDVが酷かったって話なんだけど、いつの間にか親戚内では義母が悪者にされてたって話だ。
いや、でも暴力振るわれたら逃げないといかんでしょ?
うちの旦那みたいなヘロヘロな人だったらまだしも、普通は絶対に勝てないんだから。
もしかすると私も披露宴をしなかった事で、非常識な嫁だって噂されてるのかも知んない。
ま、気にしないけど。
で、一通りの挨拶を済ませ、イケメン坊主も現れ、そしてお通夜のお勤めは滞りなく終わったのだった。
まあ、お通夜の前後で珍客が何人も現れたんだけど、それはまた次の話で。
最近新作を発表してて(ノベプラで書いてます)更新が滞ってました。
これからも不定期更新ながら少しずつ書いてきますので、よろしくお願い致します。