急げ!でも落ち着いて急げ!(なお喪主本人はマイペースを貫いた模様)
ちなみに私の両親はもういない。
母親は私が中2の冬に。
父親は私が高3の冬に。
それぞれ病気で亡くなった。
父親の死から約15年。
まあ何だかんだ大変ではあったけど、無事大学も出て、順調に就職も出来て、周りの友達と比べても早い方だったんだけど、20代半ばで結婚した。
旦那は1つ上。学生時代に合コンで知り合って、そのまま結婚したっていうパターンだ。
取りあえずお腹は空いてたけど、夕食を食べずに、喪服や冠婚葬祭のセットを持って家を出る。
私はそこまでじゃないんだけど、旦那は仕事の付き合いで急な葬儀に出なきゃいけない事が多々ある。そう言った物を纏めて準備しておくのは社会で学んだ知恵だと思う。
不幸中の幸いと言って良いのかはわからないけど、私達夫婦に子供はいない。
もし子供がいたら、一緒に連れて行くか、誰かに預けないといけないから、その手間がいらないのは良かったと思う。
ちなみに旦那の母親は数年前に離婚をしていて、旦那の実家とは離れて暮らしている。
まあそれでも義母とはしっかり交流があるんだけどね。
旦那の実家まで車で約1時間の距離。ちなみに私達が住んでいる場所は、旦那の姉弟の中では一番実家から遠い。
取りあえず私は車内で上司に旦那の父親が亡くなった旨をlineで報告する。
ああ、こんな事ならちゃんと社内令規集を読んでおくんだった。旦那の親の場合、忌引きって何日?一応規定があった筈だけど思い出せん。
しかも上司も令規集を読んでなかったようで、忌引きが何日なのか、覚えてないようだった。ダメだ、この会社。
実は旦那の父親とは一度も顔を合わせた事がない。
旦那はあまり多くは語らなかったんだけど、かなり性格に難があったそうで、旦那自身も父親とは10年以上顔を合わせてないって事だ。
ちなみに旦那の祖父は既に他界。祖母は施設に入っている。
旦那には2人姉弟がいるんだけど、義姉は結婚して家庭を持ち、弟はやはり父親を嫌って実家から離れて暮らしている。
つまり義父は実家で一人暮らし。いわゆる孤独死ってやつで、第一発見者は叔母だったらしい。
夜の国道で車を走らせる旦那。こんな状況なのに制限速度をきっちり守っているのはすごいと思う。私だったら絶対に出来ない。
そして車を走らせている最中、旦那のスマホと接続していたナビから着信の通知が来た。
そこには『姉ちゃん』と表示されている。
私より3つ上の義姉の事だろう。
「今、どの辺り?もうみんな揃ってるよ?」
どうやら義姉は弟である旦那と違ってせっかちな性格らしい。
「ああ、あと30分ぐらい待ってて?」
旦那はそれにも動じずに車を走らせる。いや、なかなかメンタル強いな、おい!
そんな旦那だけど、何か気になったのか、急にキョロキョロし始める。
「あのさ、嫁ちゃん」
「何、旦那ちゃん」
「ちょっと腹減らない?どっかで何か食べてく?」
って、メンタル強いな、おい!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
取りあえず本日はここまで。
不定期連載なので次回はいつ投稿するかわかりませんが、よろしければブックマーク登録をしていただくと嬉しいです。
またご感想など、特にお葬式や親戚付き合いに関する苦労話や面白かった事なども聞いてみたいです。
それではまた次回、もしくは私の他の小説にてお会いしましょう♪