表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/6

フォースガーディアンズ序章:脚本

「フォース:オープニング」(本編OP映像用の番外編)

□レドラスタジオ・ロゴ

□専用オープニング映像(現場判断で撮影)

□F・I


■町外れの団地/団地・新棟前

 夜の町。

 街灯だけが頼りの薄明かりの中を歩いている男性。

 新築の大型団地の中を通り過ぎていく。

 突然、男性が通り過ぎた貯水タンクの物陰から、不気味な黒いオーラが湧き出し始める。男性、気付かない。やがて暗闇の中から、チェーンソーを持ち、骸骨のような仮面を被った全身灰色のコートを着た大男が現れる。歩みはゆっくり。


 チェーンソー怪人、静かに背後から近づいていく。チェーンソー怪人、刃で壁をガリガリと削って接近。男性、ようやく背後の怪物に気付く。腰を抜かす。

怪人「グルルルルゥ……」

男性「ひーっ」

 男性、慌てて逃げ出す。何度も転びそうになっている。

 チェーンソー怪人、尚も歩みはゆっくり。


■町外れの団地/団地・新棟裏手

 男性が、渡り廊下を通って団地の反対側に走り出てくる。慌てていてまた転ぶ。必死で逃げようとしている。その後方からチェーンソー怪人、ゆっくりと近づいてくる。

男性「ぎゃっ」

 男性、再び転んで動けなくなる。おびえきった様子。

 チェーンソー怪人、男性に肉薄。チェーンソーを振り上げる。

男性「ひゃあああーっ」


 男性、思わず目を覆う。そのとき突然、威勢のいい掛け声と共にマントのようなものを羽織った影が飛び出てくる。室長である。

室長「たっ!」

 室長、チェーンソー怪人の腕を受け止めると懐に入ってけん制し、掌底を繰り出してチェーンソー怪人を後退させる。室長、さっと腕を横に払って、

室長「………早く逃げろ」

男性「はひーっ」


 男性、慌ててその場を走り去っていく。チェーンソー怪人、体勢を立て直し、チェーンソーを見せ付けるかのように持ってヴンヴンと呻らせる。室長、チェーンソー怪人の姿をざっと見回して、


室長「………レスキューフォースか。チェーンソー男と混ざりやがったんだな」

怪人「キサマ………『魔戒騎士』ダナ?」

室長「残念ながら違うな」

 怪人、聞こえなかったかのように再び、

怪人「オマエ………『仮面ライダー』カッ……」

室長「………違うって」

 怪人、懲りずにもう一回、

怪人「ダッテオマエ『鬼』ダロ?」

室長「だから違うっつってんだろ! ―――ったく、一体何種類混ぜやがったんだ、『闇』の連中は?」

怪人「ならば、貴様………何者だ」


 反省しないチェーンソー怪人。室長、呆れたように顔を抱えて頭を振って、静かに言う。

室長「通りすがりの――――違う違う。あー、私は『第四守護隊』を指揮するフォース・ガーディアン。あぁ、覚えなくていいぞ? 何故ならお前は……」

 そう言いながら、半歩前に進み出る。

室長「……ここで、滅びるんだからな」

 室長、RXのリボルケイン召喚ポーズをとって、

室長「………サモン!」


 その途端、室長の手の中に電子データが発生、集束しはじめる。暗闇に広がる強い光。

 チェーンソー怪人、ひるむような様子。

 電子データが霧散し、室長の手に小ぶりの日本刀らしきものが握られている。

室長、ゆっくりと剣を手首の上で構え、GAROの鋼牙っぽく。

室長「ほぁ~………」

怪人「ウォァアアアアア!」


 チェーンソー怪人、チェーンソーを脇に構えて襲い掛かってくる。室長、剣を横なぎに振ってチェーンソーの突撃を寸前で止める。軽くはじいて、体を反転させてから片足で蹴りを入れる。

怪人「グヌォオオオ!」

 チェーンソー怪人、攻撃を受け後退。

 室長、剣を持ち替えてから、唐突に電王の「俺、参上!」の動作。割とドヤ顔。

 チェーンソー怪人、叫びながら再び突っ込んでくる。

 室長、余裕そうな様子で、ディケイド風の刀身を撫でる動作。

 チェーンソー怪人がチェーンソーを振り下ろし、室長は後方ジャンプで避ける。間を空けず、さまざまな角度から繰り出されるチェーンソー怪人の猛攻。室長、回避ばかり。


 チェーンソーが室長の横顔に繰り出される。室長、剣を割り込ませて受け止める。チェーンソーと剣が、その場で殆んど身動きしないまま押し合いを演じ、接触している部分から火花が散り続ける。


室長「むううううううう」

怪人「ヘァアアアアアア」

室長「だっ!」

 室長、チェーンソーを受け流し、チェーンソー怪人の足元を前転で潜り抜ける。チェーンソー怪人、小回りが利かずに狼狽する。

室長「せやっ!」

 室長、チェーンソー怪人の背後を取ったところで、速攻で足払い攻撃。

怪人「ヌオオオッ!?」

 チェーンソー怪人、バランスを崩して仰向けに転倒。室長、即座に立ち上がって大げさな動きの後、ブレイド風の下方刺突攻撃。剣先の突き立てられた部分から火花が散る。


怪人「グアアアアアア!」

 チェーンソー怪人、慌ててチェーンソーで足払い返しを試みるが、室長は咄嗟に跳躍して回避。

 少し離れた位置で剣を構えなおす室長。

 チェーンソー怪人、苦しそうに立ち上がる。

 室長、カメラ正面で「響鬼、装甲!」のポーズ。

怪人「オオォ、オオオオオオオオオ!」


 チェーンソー怪人、ヤケクソになった雰囲気で猛り狂うと、猛烈な勢いで室長目掛けて突っ込んでくる。室長、アギト・フレイムフォーム風に剣に力を込めて構える(ここだけカメラが急速ズーム)。刀身からライトセイバー出現。

 チェーンソー怪人、チェーンソーを振り下ろしながら室長と会敵。室長、チェーンソー怪人とすれ違いざまに剣を振って攻撃をいなす。そのまま体を回転。

 再び体の向きを変えようとしたチェーンソー怪人の懐に飛び込むと、剣を大きく振って予備動作をした後、下方から突き上げるようにチェーンソー怪人のわき腹を刺し貫く。


怪人「ガァァァァァァッ!?」

 室長、中腰でチェーンソー怪人を突き刺したまま、その体を力づくで押して勢いよく後退させる。チェーンソー怪人の背中の、剣が突き出た部分から白い火花が噴き出し続けている。身動きも取れないまま、その場で悶絶し続けているチェーンソー怪人。

 室長の顔アップ。

室長「悪役は…………黙って砕け散れぇっ!」

 室長、貫いていた剣を一気に引き抜く。

 カメラ目線でRXのリボルクラッシュの動作。チェーンソー怪人、最後の力を振り絞って前に進もうとするが、室長がポーズを決め終えてから数秒もしないうちに力尽きてバッタリと倒れる。その瞬間、室長の背後で大爆発が起こり、辺りが真っ白な光に染められる。長く長く広がる爆炎。

室長「………ふぅ」

 ひと勝負ついた室長、どこからか鞘を取り出して剣を収め、片手に放って脇に下げた後、その場を黙って立ち去っていく。


 怪人が最初に出現した辺りに、座り込む室長。

 室長、どこからかキセルを取り出して、口にくわえる。吐き出される白い息(寒中での撮影予定)。

 一息ついていると突然、携帯のメロディーっぽいものが鳴る。

 室長、黙って指パッチン。その途端『レ~ダ~オン!』という音声が聞こえ、何もない空中に電子データが集束したかと思うと、ひとつの携帯電話に変わって落ちてくる。

 室長、平然とそれを片手でキャッチ。ボタンを押す。


室長「はい………こちら、コード『スカル』……」

 と、しばらくして室長の表情が変わる。

室長「お? なんだ、お前か。どうかしたのか? ………えー?」

 室長、キセルを片手に、携帯をかけながら立ち上がってその場を離れていく。

 聞こえてくる室長の話し声。

室長「……だからいつも言ってるだろう。私へのお土産はビリーのDVDにしてくれって!」

 室長の立ち去っていく足音。

 後に残る静寂。


(終)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ