008
さてい前から出て3分ほど。
そろそろ来るか。
「おはよ! 旦那様!」
「おはよう! 夜空君今日も僕の愛は絶好調だよ!」
「今日も登校デート♪ ……違うからね!」
相変わらずの声が上付いて高い嬉しがってるのがばればれだ。
そこで俺が。
「……おはようさん。ひまわり、シズク、暁」
これが作戦の一つ、馴れ馴れしく作戦だ。
あの本によると馴れ馴れしい男は嫌われるそうなのだ。
確かにいきなり馴れ馴れしくされれば違和感を覚えるもので、あうことは間違いはないだろうが、まず先制こいつらを凝視。
3人はぴたりと動きが止まり目をまるくしている。
効いているのか?
暫しの沈黙次に言葉を発したのは黒石だった。
「全く君は僕の耳が孕んだらどうするつもりだい!」
「そうだよ! 旦那様いきなり……なんて!」
「えへへへへへへへへ……からね!」
強めに言ってきた。
これはもしかして……と思った矢先。
「旦那様!」
「夜空君!」
「よぞら君!」
「何なんだいきなり……」
何故か3人がぎゅーと抱き付いてきた。
混乱する俺に3人は。
「流君――旦那様ついに私達特別な関係だね!」
「僕に子供を授ける第一歩だね流君!」
「えへへへへ大好きりゅー君!」
「ちょっと待てお前ら!」
こりゃ完全に……一応聞く。
「お前らいきなり下の名前で呼ばれてどうも思わないのか?」
「旦那様何言ってるの? 下の名前で私はとっても嬉しいよ!」
「僕もさついに君にワイフ認定されて、濡れちゃったよ! 学校行く前にこの先の大人のホテルですっきりしたいな!」
「むふふふふふえへへへへへついに!」
なんでだ!
本には嫌われるならこれとそう書いてあったのに……続けて次の作戦に移る。
黒石には逆効果なのは明白なので赤星にだ。
赤星の胸を両手で鷲掴みにした。
いわゆるパイタッチってやつだ。
これはさすがに好感度が落ちるだろう。
暫しの沈黙。
手をにぎにぎしてみた小さいながら心地よい弾力を返す。
ラノベなら鉄拳制裁ルート確定。
現実なら法的処置もありうる犯罪行為になりかねない。
赤星は。
「…………」
顔を真っ赤にしながら俺の腕を取り胸に押し当て始めた。
「まて、赤星何故おしつける?」
「だって男の人はおっぱい大好きで、好きな人にもまれると大きくなるって……ですわ!」
「あー暁ちゃんずるい! 旦那様夫婦の営みの予行練習だね! 私も私も!」
「駄目だよ! 次は僕さ! 僕の胸のコンプレックスと性欲ダブル解消だよ!」
「だーめ! 今は私のターン! もっと揉んで少し恥ずかしけど……えへへへへへへ」
「ちょっと待て赤星、いやじゃないのか?」
「むう! 暁だよりゅー君! いやじゃないよむしろ嬉しい! ……ですわ!」
顔真っ赤にしながら赤星は蕩けた笑顔を俺に向けてくる。
「旦那様早く早く初胸揉まれしたいよ!」
「僕はブラジャーの下からがいいな!」
「旦那様私もそれがいい!」
「私のはまだ早いかな……でも後で絶対!」
あれ思わぬ方向にいや、想定していなかったと言えば嘘になる。
くっまさか俺にここまで女の子に嫌われる才能がないとは、いやこいつらが特殊なのか?
物凄くこいつら喜んでいるように見えるのだが……。
友人でも同性ならともかく、女の子に異性が故意にパイタッチすれば絶好モノだと思うのだが……。
「なあお前ら俺が嫌いni
なってないのか?」
思わず声が漏れる。
「旦那様何言ってるの? 愛する旦那様を嫌いになるわけないよ! 流君!」
「そうだよ! 流君! 僕の赤ちゃんの部屋はいつだって君専用だからね!」
「そうだよ! 私のだいすきな人はりゅー君だけなの……ですわ!」
「つーかお前ら俺の下の名前で呼ぶな。こっぱずかしい……」
「旦那様たら恥ずかしがちゃて先に言ったのは流君なのに」
「そうだよ! 早く布団かベットのなかで僕の名前を読んでね流君!」
「むう! そうだよりゅー君! 私たちは運命で結ばれている……かしら!」
作戦大失敗……よけい関係が深まりやがった……全くそんな顔で笑われると心が痛む。
だけどなそれに負けたらきっつい夫婦生活に流れ込んでしまう……夫婦には法的にはなれないの分かり来ているが、こいつらは同士は滅茶苦茶なかがいいからな。
俺を共有で夫婦の体裁とする気のようだ。
まぁそれはノーサンキュなわけだが。
何でこいつらはここまでの恵まれているのに、圧倒的に家事ができないのだろうな……。
「むう! りゅー君手が止まってるよ! もう少し乱暴でもいいよ!」
その言葉につられてもみもみ。
「むむむむむむ、暁ちゃん気持ちよさそう! 早く私の番にならないかな!」
「僕はちょっと心配かな……歓喜のあまり粗相しようなきがするな」
これ以上は駄目だな。
「そろそろ学校くぞお前ら!」
「だーめ旦那様に胸を揉まれてから!」
「ひまわりちゃんのいうとりだよ! 後そろそろ暁ちゃんが限界だよ」
「赤星が? って大丈夫かお前!」
「大丈夫りゅー君、ちょっと興奮しちゃてるだけでもっと揉んで欲しいな」
赤星の顔は弾ける寸前まで熟したトマトのように真っ赤で、息も荒い。
さすがに限界だな。
俺が赤星の胸から手を離すと赤星は「あっ」となごり惜しそうな声を上げる。
その手を二人がとって。
「僕はもう我慢できないよ! 二人同時でいいからさ! レッツもみもみ!」
「旦那様やさしくもんでね!」
「ちょっと待てお前ら」
ぐりぐりと俺の手を胸に押し当てる二人。
羞恥心を刺激しているせいか二人の顔は赤い。
さきほどの赤星程ではないが。
「私の胸は旦那様のモノだからいっぱいっぱいもんでね!」
「僕は強めでお願い! バストトップの刺激も忘れないでね!」
「えへへへへへへへりゅー君に胸もまれちゃった、これで新婚さんだね」
これは断るルート潰された。
何だかんだで俺は甘いな。
突き放しすなら突き放さばいいがこいつらの笑顔をつい……。
「分かった時間がないから手短にだぞ!」
結局今回の作戦は大失敗。
分かった事と言えば3人の胸の触り心地、柔らかくて程よい弾力があって実に俺好みだった。
だからといってこいつらは選べないけどな……。