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006

あれから渋るアイツらを無理やり返して。

 家の中を確認して見た。

 誇り一つない部屋に、綺麗に整頓された食器。

 調理器具も綺麗にしてあるし、洗濯物はちゃんと濯がれ乾燥済み。

 アイツらがすると――部屋は滅茶苦茶適当に陳列された小物は今にも床に落ちそうで、フライパンはいくら擦っても消えない焦げ跡を作り。

 洗濯物は生乾きで、良く濯がず洗剤のカスだらけ。

 それがどうだこの俺が求めた状態は、やばいまじでアイツらに見切りをつけた方がいいのではないか?

 流石の俺でも、毎日家を滅茶苦茶にする嫁達のゲロまずメニューを連日食えるほど、俺の心は広くはない。

 あれ俺の答えは一択ではないか?

 女髪さん俺にドンピシャな美人だし家庭力も高い。

 さっきの餃子は絶品だったし。

 再度言おう、これ選択肢一択じゃね?

 あいつらとの未来は前途多難、家は滅茶苦茶その片づけ仕事&家事の全て俺持ち。

 女髪さんはどうだ。

 先ほど来た女髪さんからのメールによると大企業のお嬢様でお金持ち、花嫁修業と名のつく物はあらかた習得済み。

 中々いい夫婦生活が送れることは間違いはない。

 一方のあいつら、この近辺の全ての料理教室に3人そろって完全出禁。

 そりゃボヤ騒ぎと、食中毒未遂を事ある事に起こせばそうなるわな。

 小学生などの低年齢向きに料理教室でさえあいつらに、普通の目玉焼きを作れるレベルにはしてくれない。

 あいつらの料理は直感でやるからな……それが絶望的に的外れなわけで、あいつら人の話聞かないし。

 愛があれば論で味付けだからな、黒焦げの苦い愛ってなんだよ……。

 これは比べる必要すらない。

 俺の幸せためには選ばなければいけない。

 どちからを。

 心の天秤ジャッジは……。


 女髪さん>>>>>>あいつら。


 考えるまでもないよな。

 アイツらには愛がたっぷりあるかも知れないが、全てが空回り。

 一方の女髪さんは家庭的で温かい家庭を築けそうだ。

 アイツらだとアイツらは幸せだろうがこっちは違う、恋愛と結婚は求められる物が違うのだ。

 それ以前にアイツらとは付き合ってさえいない。

 子供を求められてはいるが完全ノータッチお互い清い体だ。

 他の男だったら体に手を付けてあげく振るという選択肢があるのかもしれないが、ここまで俺を愛してくれるアイツらにそのような事は出来ない。

 アイツらが家庭的な女の子だったら即落ちてるんだけどな。

 何だかんだで可愛いし、俺に尽くそうとしてくれるし。

 女髪さんのほうがルックスは上だけど。

 あの見かけは俺の理想とドンピシャだからな。

 美少女であるアイツらに囲まれれている俺でも、女髪さんを見るていつ気を抜くとすぐ顔が熱くなってしまう。

 その時何故かあいつらを重ねてしまうのが謎だが。

 さて気持ちは決まった。


 俺は女髪さんを選ぶ!


 俺の幸せのために!


 と決めたのはいいがどうするか……俺に超がつくほどベタ惚れなやつらだぞ……嫌われる方法があるのだろうか?

 いや別に嫌われる必要はないなようは好感度を下げればいいだけだ。

 できれば穏便な方法で。

 何だかんだで、あいつらを嫌いじゃないからな。

 一緒にいて楽しいし、だからこそ今までこの関係をずるずる続けてきたわけだし。

 しかし、愛ではどうにもならない圧倒的物がある。

 仮にアイツらが愛の力で、綺麗な卵焼き1つでも作れたら考えを改めてもいいがまず無理だろう。

 アイツらの手料理は基本黒色だからな。

 そんなアイツらが普通の料理が作れたならマジで惚れ直す――惚れてはいないか。

 少なくとも現状あり得ないがな。

 さてそんなわけで、どうやって好感度を下げて諦めさせたものか……。

 何度も言うが恋愛と結婚は求められる物が違うのだ。

 いくら可愛くても、ベタ惚れでも、美少女でも嫁として0点では問題外だ。

 それで専業主婦志望とか何考えてんだ!

 というわけで、まず情報収集だな。

 こんな時は親父の部屋だ。

 俺の親父は無類の奇書好きで、誰のために執筆した意味が分からない本を沢山持っている。

 しかも、日本語の本のみだ。

 親父曰く娯楽は自国の言葉で楽しみたいそうだ。

 それでも結構な数の奇書が揃っている。

 ドラゴンの解体術入門とか、ヴァンパイア御用達絶品トマトジュースの作り方とか、X線図から学ぶ妖怪の全て~猫娘とぬらりひょん編~とか意味が分からない奇書が一杯ある。

 このラインアップなら女の子の好感度を下げる物あるだろう。


 「それにしても凄いな」


 親父の部屋は本棚で埋まっている。

 その本棚の中の一つの本を開いてみる。

 丁度良くさっき言ったドラゴンの解体術入門だ。


 「相変わらず生々しい」


 その内容は包丁と鉈を使ったドラゴンの解体法で、鱗の隙間に包丁を当てると綺麗に刃が通る、そこから具体的にパーツごとの解体法が事細かにかかれており時折入る白黒写真は、絵などではなく本物に見える。

 まああり得ないが、ラストは料理法でドラゴンステーキが旨そうだ。

 まじで誰のために書いているかわからんが。

 さて脱線はそれぐらいにして探すか。


 女の子に監禁されるまで好かれる方法?

 

 ヤンデレな女の子をツンデレに調教する方法?


 女の子という名の男との付き合いかた?


 女の子に命を狙われる! でも、愛で迎撃すれば大丈夫! これはラノベか。

 女の子シリーズはここにまとめられてるからあると思うのだが……。

 暫くあさって見ると。


 「これは!?」


 題名的にはこれが近いか、男としてそれはどうかと思う題名だが……。

 本を手にと入り読み始めた。

 

「大体の内容は分かった後は実践あるのみ。悪いが黒石、花咲、赤星お前らの好感度落としてやるぜ。俺の幸せのために」


 とゲスイことを当時考えていたが結局、今思えばこの結末は決まっていたのだろう。


 

やっと本題。


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