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18/22

017

その日の寝起きは最悪だった。

 なんせ昨日俺は大好きなアイツらをふったのだ、これぐらいは覚悟していつもりだったが、予想以上に心にくる。

 昨日はずっと考えていた家事ができない程度でアイツらを遠ざける事は正しかったのか――。

 俺の中の意見は二つに割れ大いに言い争った。

 いまからでいいアイツらの手を再び取れ――。

 大好きなら捨てるな――。

 そういう俺に反目する俺はまくし立てる。

 アイツらが妊娠してもその生活を続けられるのか? とそれでも食い下がる俺の一部分だが、長い論争の果て言い負けて大人しくなったのが深夜2時。

 それから寝おうと努力はしたが、アイツらの顔がちらついて眠れない。

 その思い出す顔はほとんどが笑顔で本当にアイツらは俺が好きで、一緒にいられるだけで幸せだっただなと理解してしまい。

 さらに胸は苦しくなる。

 それでほとんど寝れず寝不足だ。

 そして今日もしかしたらアイツらが待っているかもしれないともうと。

 怖くてどうすればいいか分からなくてドアノブさえ回すのが怖くなる。

 服は昨日のままの制服昨日は風呂に入る気力さえわかず、制服のまま眠ろうとした。

 そのため着替えていない。

 時期的には過ごしやすい春汗の匂いは消臭スプレーをかけたので大丈夫だろう。

 朝食の何も塗らない食パンを無理やり胃に収めるために水で流し込み。

 ドアの前でフリーズ。

 何度もためらいながら外に何とか出た。

 そのまま時計を見た。

 家から出て2分30秒が瞬く間に立つ――。

 俺はどこかで期待していた。

 アイツらがいつもと変わら――ぬ笑顔で俺の前に現れてくれることを――。

 実に女々しい考えだ――。

 自分達を捨てた男に変わらぬ態度で接する女の子が、どこにいるというのだ――。

 分かっていても期待してしまう実に人間は自分勝手だ。

 10――。


 9――。


 8――。


 7――。


 6――。


 5――。

 

 4――。

 

 3――。


 2――。


 1――。


 ……………………きっかり三分。

 噛み締めるように時間をカウントしてみたがアイツらは現れなかった。

 当たり前か……何を期待しているんだ俺は。

 思えば初めてか学校に投稿する時一緒にいないのは、じめっとした梅雨でも、暑い夏でも、実りの秋でも、寒い冬でも、温かくなった来た春でも何時もアイツらは俺を笑顔で迎えてくれた。

 少しばかりストーカーじみてはいたが、いざ居なくなると考えてしまう。


 それから3日俺はあいつらの顔見ていない。


 ◇

 「はぁどこいったんだあいつら……」


 「またため息ですか流さん」


 弁当を広げた女髪さんが言う。


 「あいつらが失踪してもう3日だ。心配するなって方が無理だよ」


 あれから3人は完全に姿を消した。

 3人の家に書置きがあり『皆で出かけてきます必ず戻ってくるので心配しないで』と同じ内容の書置きがありアイツらの両親は、てっきり俺の所に行っているのだろうと思っていたそうで昨日電話があった。

 当然俺はその事はしらなかったのが、女髪さんを選んだことを隠してそれ意外を正直に明かした。

 警察にも連絡をするといっていた。

 クラスメイトイと担任の教師にも聞かれたが本当に何も知らないので答えようがない

 思いつめて変な行動しなければいいが……


 「流さん心配しなくても大丈夫です。皆さんはきっと無事です」


 「そうだといいんだけど……」


 「流さんは女の執念を舐めてはいけません。あれだけ好きだった流さんを急には嫌いに慣れませんよ」


 「じゃあアイツらは今一体どこで何をしているのかな……」


 「しいて言えば修行ですかね」


 「修行って何を? 何か知ってるの女髪さん」


 修行何か聞き覚えが……結構最近聞いた気がするのだが頭に霞がかかったように思い出せない。


 「まぁそれは彼女たち次第でしょう。私の情報網は中々の物のなのですよ。お三方は生きているので安心てください」


 「ならいいけど」


 女髪さんの不確かな情報に思える言葉も何故かすんなり信じてしまう。

 まるで母さんに言い聞かされているようだ。


 「少し予言でもしましょうか、流さん貴方は近いうちに重大な選択肢を選ぶ場面が来ます。くれぐれも正解(・・)を選んでください。間違えたらお仕置きです」


 うん? すでに選択している気がするが……。

 どういう意味だろう。


 「おいおい分かります。それより今はお弁当を食べましょう」


 そして女髪さんは箸でトンカツをつまみあーんの体制。

 それをぱく。

 もぐもぐ擬音が付きそうな感じに咀嚼。


 「どうです?」


 「うん美味しいよアイツらの弁当とはけた違いに」


 「よろしかったのですか? そんなに大好きなあのお三方ではなく私を選んで」


 「だって俺普通のお嫁さんが欲しいし、いくら好きでもアイツらの家事力の無さは……」


 「確かにあれほどのセンスがない女の子たちは珍しものですが……」


 「だから女髪さんを選んだわけだけど」


 「中々面白い人ですね。少し正史郎さんと似ていますね。あの子たちは好きな気持ちがわかる気します」


 「こんな俺が冗談は――」


 「そうとも言えますが流さんには、他の男の人にないモノをもっていますよ」


 「俺は何を持っているの女髪さん?」


 「それは誠実さです。捨てるのならば好意をいいことに体に手を付ける事を一切しなかったのは、流さんの誠実さがなせる事です。その誠実さは美徳ですよ」


 「そんな当たり前のモノが――」


 「あのお三方は男性を見る目は確かだったようですね。これだけ誠実なら浮気の心配もなさそうですし」


 「まぁ浮気とか無理な派だけど――」


 「それは奥さんとして誰しもが旦那様に望む要素ですよ! それを簡単に言えるとはその誠実さ。世の男の人全員に見習ってもらいたい事ですね!」


 「俺の言葉が嘘だとは思わないの?」


 あまりにもすんなり受け入れられると、疑問に思えてしまう。


 「その証拠がお三方の純潔です。流さんの言葉がでたらめならあり得ませんよ!」


 「それが嘘かも知れないし――」


 「それはないでしょう。体の関係を持てば流さんが好きすぎて、抑えがきかず今頃3人のパパになってますし、責任を取ってと言っているはずです!」


 「まあ確かに特に黒石が抑えがきかなそうだ」


 ぐいぐい迫ってくる黒石がありありと想像できる。


 「正史郎さんは妻一筋で浮気をしたことのない人でしたかからね。血は争えませんね」


 「俺の親父はどうかな」


 「多分正史郎さんと同じでしょう。きっと遺伝ですね」


 「そうかなあ」

 

 普段の適当ぶりに疑問はあるが。まぁなんだかんだで母さんとの夫婦仲は円満だから、意外と一途なのかもしれない。


 「そう言えば今週の日曜日だったね」


 「そうですよ! 私たちの婚約パーティです! サプライズゲストも呼んでいるので流さんの一生記憶に残る事になるでしょうね!」


 あと数日で俺は女髪さんと婚約する。

 これでアイツらとは本当の別れだ……。

まぁやべえのはこれではかけなさね

今空路線変更できないし。

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