010
そういうと黒石は俺の膝に。
「黒石これは?」
「もう流君たら! 僕の事はシズクって呼んでよ! まあいいやこれはスキンシップさ!」
「だからそれで俺の膝に座ってるんだよ?」
そう黒石が腰を下ろしているのは俺の膝の上だ。
黒石は頬を染めながら体と尻を擦りつけてくる。
なんだかんだ言っても黒石は見かけだけは、抜群の美少女であるのは間違いがなく。
男の本能が下半身に力を送るが全力でガードこの体制で、あれがこうしてしまうとただの変態野郎になりかねないし、黒石が「僕が発散してあげるよ!」既成事実+学生妊娠ルートがありありと見える。
だから全力で男の本能を押さえつける。
「だってこれだけ密着していれば、流石の君だって僕たち女の子の体の軟からさの魅力が分かるだろ? 顔を真っ赤にしちゃって我慢は良くないゾ!」
そういって黒石は俺の首をぺろりと舐めた。
「ひゃあ」と情けない声を出してしまった。
「むう、これだけ僕と密着して性的な目で見ないなんて流石流君だね! でも君だったら僕をそういういかがわしい目で見てもいいよ? だって大好きな流君だからね!」
「シズクちゃんどう? 旦那様の膝の上は」
「少し硬いけど、温かくて落ち着く香りがするよ。薄っすら石鹸の匂いがするのが高評価だね!」
まぁ朝起きると体洗うけどさっぱりするために。
「むうううううううう、いいな! いいな! シズクちゃん! りゅー君のお膝の上に早く座りたい!」
「いいな! 私も旦那様の膝に初お座りしたい!」
「今は僕のターンさ! 次の休み時間になってからね!」
「勝手に決められてる……俺の意見は!?」
「「「あるわけないでしょ!」」」
「あらあらこれは断れませんね! 夜空さん」
女髪さんまで、悪戯をする子供のような笑みを浮かべている。
そして次に休み時間。
さっき本を読んでいたのがホームルームあとだったので、今は2時限目前だ。
黒石が短いとぶーぶー言っていたが、何故か艶々していた。
女の子はよくわからん。
黒石の臀部は柔らかった。
ついでに首筋を執拗に攻められたが耐えきった。
自分をほめてあげたい。
よしよく耐えたぞ! 俺いい子だ! うむ、実に虚しいこういうモノはやっぱり他人褒められてなんぼだな。
そして次は。
「じゃあ次私ね! 不束者ですがよろしくお願いします。旦那様」
まぁ間違っちゃいないわな。
家事においては完全に不束者だ。
軽く頭を下げて花咲は俺の膝の上に。
「旦那様両腕を肩にかけて抱きしめて、映画で見たやつやりたい!」
あれか恋人同士がやるやつだが。
「やだよ恥ずかしいから……」
「だーめ! やってお願い旦那様」
うるんだ目で見てくる花咲。
花咲も花咲で美少女であることには変わりはない。
そんな子にうるんだ目で頼まれて断れるわけもなく。
はぁーなんでこいつら家事が壊滅的でありながら専業主婦志望なのか。
普通の女の子なら即受け入れてるぞおい……と本音をぽろり、こいつらの好感度を下げようとはしているが、こいつらは嫌いではないのだからな。
仕方ないと花咲の要望に応える。
「どうだ花咲」
「むう、ひまわりだよ! でも最高本当の夫婦みたい!」
「そういやお前らは俺の恋人になりたいとか言わないのか?」
素朴な疑問だ。
普通恋人から夫婦に発展するもんだが、こいつらは何故かその過程をぬかしている。
恋人になりたいとは言われたことがない。
「だって好きな人は恋人じゃなくて夫婦になって、ずっとずっと結ばれたいもん! だから恋人より夫婦なの!」
「そうだよ! 僕たちの好感度は恋人の領域は超えているのさ!」
「だって恋人より夫婦の方が、ずっと長くりゅー君と居られるもん!」
マジでこいつらの好感度を下げられる未来がみえねぇ。
しかし、やらねば。
俺の幸せな新婚生活は……。
「むう、旦那様私を見てもっとイチャイチャしたい!」
「分かったって! どうするんだよ!」
「じゃこのままの体制ね!」
花咲が俺の体に背を任せた。
「暖かいし落ちつくな。お父さんの膝枕みたい」
さらに花咲は俺の首元をくんくん。
「ほんとだ! 少し石鹸の香りがする! いい匂い流石旦那様!」
「どうなの? ひまわりちゃん」
赤星が息を荒げつつ花咲に聞いてきた。
「すごく幸せな気分なれるよ!」
「暁ちゃん落ちついて夜空君は逃げないから」
「むうう、あの時グーを出せばよかったのに……」
「まあま暁ちゃん夜空君のお膝は裏切らないから」
何を俺の膝に期待をしている? いたって普通だと思うが。
結局そのままの体制で2時限前の休み時間は終わった。
花咲はニコニコとしてとても満足そうだったまる……じゃない楽しんでどうする。
そして3時限前赤星のばんがきた。
「じゃあいくよりゅー君」
顔を真っ赤にしながら赤星が俺の日膝に。
「ちょ……赤星」
「暁! なにりゅー君?」
「なんで抱き付いてきてるんだ?」
赤星は何故か俺と向かい合う形で抱き付いてきた。
「だってこうしてないと恥ずかしいし……でも幸せ!」
「こらそんなにくっつなこっちまで恥かしくなるだろ」
「りゅー君だーめ! このままで! いい匂い~くんくん、くんくん」
「おいくすぐったいって赤星」
俺の匂いを「くんくん」とアニメみたいな擬音をつけて嗅ぎ出す赤星。
その鼻息が俺の首元を撫でて凄くくすぐったい。
「むふふふふ……りゅー君の匂い落ち着く……気持ちよく……」
「おいどうした赤星」
急に無言になった赤星に言葉をかけるが返事はない。
でもぎゅーと力強く抱き付いたままだ。
「旦那様、暁ちゃんねちゃったもいたいだよ」
マジか、そう言われれば「くーくー」寝息が聞こえる。
「でもこいつ離さないんだけど……」
引きはがそうとしてみるが赤星の力が予想外に強く放してくれない。
「夜空君こうなったら暁ちゃんは絶対離さないよ。そういうわけでこのままね!」
「ほんとうに皆さん仲がいいんですね、赤星さん凄い幸せそうです」
俺のヒロインは女髪さんと決めたわけだが、こりゃこいつらの好感度落とすのは苦労しそうだ。
一行に進まない好感度ダウン作戦
そろそろ女髪を動かすかナ




