009
「くっそうゆうことか……」
学校についてあの本を読みなおした俺はそう声を上げる。
といっても初めから読み直すのは時間がかかるので、俺が実行した項目だけだ。
アイツらは揃ってトイレに直行、黒石が興奮したのですっきりしたいとかなんとか。
まあ深く考えない様にしよう。
あの本によると最後の方に、ただし馴れ馴れしくして嫌われるのは好感度が低い女性に限る。
親密な関係の女性にやるとさらに仲良くなることは確実です。
それに当てはまる読者、マジで爆発してください! と私怨たっぷりに2ページにわたり文句が書いてあった。
この作者よほどモテたいんだな、こんな本書いてる奴がモテるわけがないが……。
次にパイタッチの項目を見てると、ただし好感度が高いと逆効果、むしろ喜びます。
当てはまる読者マジ以下略。
そこからはおっぱいにつての素晴らしさを熱意と4ページ半……親父マジでどこで手に入れたんですかね?
よくこんな私怨と欲望に塗れたモノよく出版したな。
もしかしたら自主出版なのかもしれない。
パラパラとめくってみると前は気付かなかったが、最後のページに紙が挟んであった。
それを見てみると……マジかよ。
これに書いてある他のラインアップってこれ編集の目が通ってるのかよ……、
よくGOサイン出したな。
聞いたことない出版社だが世の中広いね。
よく見たらドラゴンの解体術入門ここから出てやがる。
それ以外にも親父が好きそうなものばかり。
「旦那様――流君行ってきたよ!」
「そうさ! 逝ってきてすっきりさ! 流君」
「行ってきたよ! りゅー君……ですわ!」
「帰ってきたか、つーか名前で呼ぶの止めろ」
「もう恥かしがちゃって! 旦那様! 流君って呼んだ方がいい?」
「そうじゃなくてな……」
こりゃ呼び方を変えさせるのは大変そうだな。
そんなことを考えていると黒石が。
「ところで君は僕たちに隠れて何を読んでいるんだい? 官能小説? エロ漫画?」
「なんでエロ一択なんだよ!」
「だって男の子は女の子みれば欲情する生き物じゃないか! 僕に近寄ってきた男はお父さんと君以外変な目で僕を見てきたからね! 男の本能っていうだろ?」
「お前どれだけ男運ないんだよ! ちょっと重いわ!」
「何いてるのさ! 僕をありのままに見てくれる、君という運命の相手に出会えたんだから男運は最高さ!」
「ねえねえ、シズクちゃん男運ってなに?」
赤星が不思議そうに聞きてくる。
それに黒石が。
「暁ちゃん男運てっのはね。好きな男の人がすごくいい人で格好いい事だよ!」
「りゅー君のことか!」
「そうだよ! 旦那様はカッコいいんだから! 流君って呼ぶのもいいけどやっぱり旦那様だね!」
「それよりりゅー君その本なにやっぱりエッチい本?」
「そうだよナニ読んでるのさ!」
「なにってなんでもない!」
本を見られない様に鞄へ運ぶが。
「旦那様の性癖しりたい見せて見せて!」
「そうだね! 妻として流君のエロエロポイントは押さえとかないと! バニーガール? メイド? 女王様? 僕に教えてよ!」
「なんだかよくわからないけど私も見せて!」
「そういうのじゃないから!」
「だったら見せてよ! 旦那様!」
「そうだよ! そういうものは僕たちにぶつければね! 恥ずかしがらないでよ!」
「むう怪しい見せて見せて!」
俺の手から本を奪い取ろうとする3人に手を右に左に交わしていると。
思わぬところから手が伸びる。
「貰いました! 夜空さん随分変わった本をお読みですね」
「女髪さん……」
女髪さんは俺に片眼でウインク。
可愛らしい笑顔を見せてくれた。
「女髪さん旦那様どんな本読んでたの?」
「これはあまり見ない方がよろしいのではないかと……」
「君! 僕たちにそれをおくれよ! これは僕たちの夜の生活の問題さ!」
「そうですかでわ……」
そういって女髪さんは本を3人にって。
まじまじと見る3人これはやばい……
「これってどういう事かな旦那様!」
「そうだよ! こんな本読んでるなんて僕たちとの運命のフラグを折る気かい!」
「りゅー君説明!」
「だってお前ら妻としてのスキル全然ないじゃん! 俺は普通の嫁さんが欲しいの!」
と怒り出すこいつらから視線を離し右頬をポリポリ。
「なるほど半分嘘か、君は嘘をつく時視線を外して右頬を掻く癖があるからね! この感じそれさえクリアすればのニュアンスだしね!」
「すごーいシズクちゃんそんなことわかるの! 私は旦那様が私達を嫌ってはいない事しか分からなかったよ!」
「りゅー君私達嫌いなの?」
今にも泣き出しそうな赤星。
こんな顔されたら仕方ねーな。
「嫌いではないが嫁にはしたいくない!」
「えええー旦那様酷い!」
「僕たちの体の何が不満なのさ! 3人とも君に操を立てられる清い体なのに!」
「嫌いじゃないならよかったでも……りゅー君のお嫁さんは決定事項なの!」
「そうじゃなくてな……普通に家の事ができない嫁は問題外だろ……」
「そこは愛でカバーだよ!」
「そうだよ! 愛は無敵なのさ大人しく僕たちの愛に溺れればいいのさ!」
「りゅー君が駄目っていってもこれは私の夢なの! 大好きな人とずっと一緒にいたいの!」
「皆さん夜空さんが大好きなんですね!」
「そうだよ! だって私の旦那様だもん!」
「そりゃそうさ! 僕が唯一子供を授かりたいと思っている男の子だからね!」
「うん! 大好き! いっつもりゅー君の事考えてるもん!」
「愛されてますね! 夜空さん!」
女髪さんは笑顔でそう言ってくる。
ここまで愛されちゃ……いかにかん落ちるな俺、幸せな結婚生活のためにこいつらを突き離せねば!
そう決意していると黒石が。
「そんなわけでひまわりちゃん、暁ちゃん今日は流君に僕たちの良さを、体で知ってもらおうと思うんだけどいいかな?」
「それいいね! 私もしたい!」
「私も! 私も! これでりゅー君をメロメロなの!」
「なにする気だよお前ら……」
「それはねちょっと二人共来て」
なにやらごにょごにょと二人に耳打ち。
「シズクちゃんそれいいね! 確かに私たちは幸せで旦那様との仲は深まりそう!」
「むふふふふ、それいい! それをりゅー君とえへへへへへ」
「そんなわけで作戦開始さ! 先手は言い出しっぺの僕からだよ!」




