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魔王の終焉

お金がないからいつも中古を買ってるけど、5巻以上ある漫画やラノベの最終巻は必ず新品で買うという謎の自分ルールがある


光に包まれ、崩壊していくミョシム城。そんななか最上階の玉座の間にて俺とヒサは逃げ惑う敵兵と崩壊していくセカイを見下ろしていた。



「崩壊していくなー」


「そうだねー」


「あっ、今崩れたのって重要文化財じゃね?」


「ほんとだー。もったいないねー」



破滅を目の当たりにしながらも軽い言葉を交わす。狂人のように、魔王のように。



「…あっ、そういえばお兄ちゃんに伝えたい事があったんだった」


「んー?なんだー?」


「あのね、私って今までさんざん人を残虐に殺してきたでしょ?」


「そうだなー」



「それって本当は私の趣味じゃないんだよねー」




……………え?



「………えっ!?マジで!?」


「うん♪」



ええぇぇぇえ……。趣味じゃなかったのかよ…。じゃあなんで?…というか俺は今までずっと一緒にいたのにそれに気づかなかったのか…。かなりショックだ…。



「本当はね?お兄ちゃんの為にやってたの♪」



「……………はい?」



今なんて言った?



「拷問とか残虐な事が好きなのはお兄ちゃんの方なの。だからお兄ちゃんにより楽しんでもらう為に頑張ってたの♪楽しんでもらえた?」


「お…おぅ……」




なん……だと……!?



じゃあ俺は今までヒサの為とか言いながら本心では俺の欲望の為に動いていたのか!?なんという事だ!!俺はヒサのことだけではなく己のことすらもわかっていなかったのか!?


つまり俺は今までヒサという建前(・・)を利用して拷問(趣味)をしていたのか…!?


なんと……なんと愚か!なんと無様!なんて醜い!!こんな奴が『魔王の右腕(サタン・ライト)』だと…!?『魔王の信奉者(サタン・ライト)』だと…!!我ながらおこがましいにもほどがある!!


そしてヒサは今、俺の為に残虐な行為をしてきたと言った。それはつまり俺一人(・・・)の快楽の為だけに何万(・・)もの人命を利用したという事になる。


魔王と呼ばれ、非人道的な行いをしてきたが俺達は分類上は一応人間だ。少し前に自らを異世界人だと言う自称勇者と戦って瞬殺してきたが、俺達は立派にこのユグドラシルで生まれた人間だ。人を嬲り殺すのが好きとか、そういう狂った奴じゃないと『ヒサ姫』は務まらないはず………!




『本当はね?お兄ちゃんの為にやってたの♪』




……………あぁ、なるほど。そうか、そういう事だったのか。やっとわかった。やっと理解できた。俺はとことんまでバカだったらしい。



狂愛者(ヤンデレ)は俺だけじゃなかった。ただそれだけの事だというのに。



そんな事すら気づけなかった自分に絶望する。……でも、今はそれ以上にヒサに対しての溢れる想いが止まらなかった。


俺は生涯この少女を守り抜こう、そして愛し抜こう。今も、未来も、今世も、来世も、ずっと側にいる事を誓おう。


もしも天誅を下すような神がいたら神殺し(ゴッドスレイ)を行おう。もしも地獄に行ったなら閻魔大王を殺して地獄の主となろう。


いつか2人だけのセカイを創ろう。そこでずっと幸せに暮らそう。その為に———





—————ひとまず、このセカイは終われ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



城が、国が、セカイが崩壊していく。


大地が割れ、火山が噴火し、空には雷鳴が轟いた。


光の粒子でセカイが白に染まり、俺達はお互いの顔がよく見えるように顔を近づけていった。


そして—————



「なぁヒサ、夫婦になる為にする『あること』、俺達はまだしてなかったよな?」


「えっ、なに?教えて!」


「それは………」


「それは…?」



そうして俺はヒサに顔を近づけていき———





———その可愛らしい唇にキスをした。




「んむぅ!?ん、んーー!んむーー!!」


「……………」


「ん……むぅ………」


「…………………」


「…………………」



長い、そして永い、口付けが終わった。



「んっ……ふぅ、これで俺とヒサは正式な夫婦になれたよ」


「ぽーーー…………」


「って聞こえてないか。じゃあもう一回、ちゅー……」


「ちゅー………。……………。…………ハッ!?」



あ、正気に戻った。



「わわ、わたしいいいいいいま!今!!おおおおお兄ちゃんとキキキスをををををくぁwせdrftgyふじこlp!?」



最後の何て言ったんだ?というかどうやって発音した?どことなく異世界言語っぽかったな。まぁとりあえず———



「煩い」


「っ!?んむーー!?」



もう一度ヒサの口を(物理的に)塞いだ。


そして1分くらい経って口を離す。キスしてる時って呼吸はどうすればいいんだ?まぁやり続けてたらそのうちわかるか。



「落ち着いたか?」


「ひゃ、ひゃい…」



顔が蕩けてるな。さすがに舌で口内を蹂躙し続けたのはやり過ぎだったようだ。


このまま大人の階段を駆け上がっても良かったんだがまだ夜じゃないしなー。そもそもこの城は崩壊寸前だしなぁ…。ここを新床とするのはちょっと危険過ぎる。


やはりここは我慢だな。というかこの光の粒子のせいで良く見えないし。できれはリーヴァスである内にヤりたかったんだが……しかたない、諦めるしかないか。リーヴァスはヒサ姫の忠臣、不敬な事はしません。


なんて考えてると。



「お、お兄ちゃん!」


「ん?なんだ—————んぅっ!」


「んっ……」



ヒサにキスされた。完全に不意を突かれた。


あ、ヤバイ、心臓が破裂する。顔から火が出る。てか軽く湯気が出てる。魔法を使ってないのに身体が、心が熱い。たぶん今俺の顔は真っ赤になってるだろうな、真っ白なセカイで赤は目立つって。


もともと緊張とかが極限に高まってオーバーヒートしたから今逆に冷静になれているわけで、落ち着いた風に装ってても俺は今アドレナリンがえらいことになってんだよ。


頭が回らない体が動かない視界が真っ白に染まってる(元から) キスされてるのに口が動かない舌が動かないていうか今逆に舌を入れられたやばいヤバイYABAI心臓がやばい理性がヤバイセカイがYABAI俺がYAIBA—————



「んっ……ぷはっ、…えへへ、これで私たち正式な夫婦だね…♡」


「あ…あぁ……」



1秒が1時間に感じられた。つまり俺達は体感時間で1日以上キスしてた。夢のようだ………俺まだ生きてるよな?死んでないよな?視界一面真っ白だから判断しづらい。


けど…この腕の中にはちゃんとヒサが居る。ヒサの身体が、温もりが、心が、魂が………全て感じられる。俺が、リーヴァスがまだ死んでいない証拠だ。


結局、リーヴァスがヒサに勝つことは生涯できなかったな。


それでも……兄として、夫として、最後にカッコイイところを見せてやる!男の意地を—————



「なめるなぁぁぁああああ!!!」




そして———俺とヒサを中心に小さな魔法陣が形成された。


あぁ…もう俺達に残された時間はほとんどない。



セカイよ、見届けろ。この俺、リーヴァス・ガル・ステインの人生最後の超魔法を!!!



「『————!』」



ヒサ……今までありがとう………





直後、セカイは崩壊した———











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ここは剣と魔法のセカイ、ユグドラシル。


ここに史上最強かつ史上最凶の帝国があった。


その帝国の女帝と宰相は魔王と呼ばれ恐れられていたが、ついにその魔王を倒す為に周辺国が同盟を組み、連合国として帝国に襲いかかった。


その後、長く険しい戦いを経て、ついに連合国は帝国を追い詰めた。



しかし、追い詰められた魔王はこのセカイの半分とともに自爆した。


死者、負傷者、行方不明者、被害総額、全てが計測不能。ブブルクスを含む各国の王と大魔導士と大将軍、そして勇者も死亡。連合軍は全滅。後に『破壊戦争(ラグナロク)』と呼ばれるこの戦争は、魔王二人の命の代わりにセカイの半分を失う事実上の大敗北で終わりを告げた。


そして生き残った者達は皆、ある事を言った。



『この日、地上にもう1つの太陽が現れた』と。



『サタン・ライト』は魔王(サタン)右腕(ライト)という意味の他に、魔王の信奉者、つまり、魔王(ヒサ姫)を正しい(ライト)と思っている狂信者という意味も込められてます


サークル仲間がフィリピンでISISのテロに遭遇し、ホテルの地下シェルターに避難したらしい

まさに事実は小説より奇なり

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