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鬼村の子供達

 鬼村の中に堂々と入ったカケルを出迎えたのは六人の鬼の子供だった。

 おそらくカケルに用があって進行方向に横一列に並び進路妨害しているのだろうが子供達は一言も言わずにまじまじとカケルのあちこちを見ていた。


 「んー……俺に何か用でもあるのか?」


 黙ったままでは何も進展しないため自分から話を振ると子供達は互いの目を見つめあい、コソコソとカケルに聞こえない声量で話始めた。


 「あーー俺もそんなに暇じゃないから用があるなら早くしてほしいんだが……」


 「あ、すみません。お兄ちゃんに聞きたいことがあって……」


 男の子が三人、女の子も三人。初対面のはずなこの六人組がカケルに聞きたいこととはなんだろうか。カケル自身も全然想像がつかなかった。

 六人組の子供は最後にもう一度話し合うと一人の赤い鬼の女の子が「せーの」とタイミングを合わせて六人同時で質問してきた。


 「「お兄ちゃんって本物の人間なの!」」


 と。

 純真で無垢な六つの視線にカケルは戸惑いどうしたものかと悩んだ。ただ質問に答えるその前にいきなりカケルはピンチに陥ることになる。


 「バッカお前ら。こんな所で人間なんて大声で言うな。大人の鬼が来たら俺殺されちゃうだろ」


 堂々と村に入ったカケルだがあまり目立たず素通りするつもりだったため、こうして子供達に足止めされるのも大声で人間ですかと言われるのも想定外だったため急いでこの子供達を黙らせてこの場から去ってルムネリアの元へと戻らないといけないのだが――。


 「大丈夫だよお兄ちゃん」


 「大人は仕事で」


 「この辺にはいないッスから」


 「あ、そうなの?」


 時刻的にはもうすぐお昼。良い大人なら仕事に出掛けていてもおかしくない時間帯。つまりこの子供達の言うことが真実ならカケルはしばらくの間、この辺りを彷徨いても問題ないということだ。


 「それでお兄ちゃんは人間なの?」


 「え? あ、まー人間だよ俺は」


 「本当? 悪魔とかじゃなくて?」


 「バーカ。この姿の何処が悪魔だよ。ほら角も羽も尻尾のねーだろ」


 頭、背中、腰を子供達に見せ何も付いてないのをアピールすると子供達はキラキラと輝かせながら互いの顔を見合わせるとカケルの周りに集まり裾を引っ張ったり身体中をベタベタと触れてきた。


 「スゴーイ、スゴーイ! 人間だ! 本物の人間だ!」


 「凄いや! 話通りひょろくて弱そう!」


 「ひょ、ひょろいって……お前らなー……」


 怒鳴り付けてやろうかと思ったが相手はまだ子供。しかも未知の物にも恐れないある意味厄介な相手だ。それに見た感じルムネリアと歳も変わらないということは確実に力もカケルよりは上。下手に反抗すれば怪我の上に更に骨の二、三本折られてしまうかもしれない。


 「ちょっ、俺からも色々と聞きたいことがあるが……まずお前ら何なんだよ」


 全員がカケルの裾を掴んでグルグル回りながら各々が自由に自己紹介を始め、何を言っているのか全然聞き取れないカケルはイライラも限界値に達し大声で叫んでしまった。


 「お前ら一旦黙って俺から離れろー!!」



=================================================


 

 カケルの怒鳴り声にビビって……ということもなく普通に言うことを聞いてくれた子供達はカケルから離れ横一列に並んだ。

 ニコニコとしている辺りカケルがイライラしている理由も子供達には向かって叫んだ理由も分かってはないだろう。


 「鬼の子供恐るべし……」


 ため息をついて気持ちを切り替えるため空を見上げたカケルは離れてもらった後、子供達から名前を聞いたため確認がてら一人一人に指を指して名前を呼んだ。


 「えーと……君がアイラ」


 「ハイッ!」


 赤いショートヘアーで額に一本の角の生えたつり目の女の子アイラ。この六人組の中ではしっかりものでみんなをまとめるお姉さん的存在でちょっとおませな感じの子だ。


 「で、君がキリキラ」


 「はいッス!!」


 元気よく返事したのは黄色のスポーツ刈りをした男の子。額の両サイドに二本の角を生やしており、他の子に比べ意外と筋肉質でキリキラに引っ張られた左側の裾は無慈悲に引き千切られ悲しくも鼠に噛み取られた跡が出来てしまった。


 「んでもってシルセセとネーラ」


 「はい」


 「はいはいッ! はーいッ!」


 シルセセは常に冷たい眼差しで睨むで青いロングヘアーでこの中で一番クールな女の子。ネーラが睨み付けるような鋭い目付きで短めの赤いカットされた男の子。クールなシルセセとは真逆で熱血タイプ。実はこの二人は似てはいないけど村で有名な仲良し姉弟らしい。


 「そして最後にノノとヴァイタ」


 「ウスッ」


 「は、はい……」


 残り二人。ノノは緑で内巻きロールのショートボブがキュートなタレ目の女の子。おどおどしてて内気なノノだけがカケルに触れずにみんなに流されていた。

 ヴァイタは紫で前髪もまとめて後ろで結び目も凛々しく侍風な男の子。体格的にも精神的にも一人だけ圧倒的に大人っぽく無口な子だ。頼りになるお兄さん的立ち位置のようでノノはずっとヴァイタの後ろにいる。


 「とりあえず名前を間違えてはいないよな」


 「オッケーだよお兄ちゃん。けど一度に六人の名前を覚えるなんてさすがね」


 上から目線で話してくるアイラに苦笑いで返しながらカケルは一つの鬼の特徴に気がついた。

 それは角についてだ。アイラ、シルセセ、ノノの女の子三人は額の中心に一本の角のが。これはルムネリアも同じだ。

 そしてキリキラ、ネーラ、ヴァイタの男の子三人は額の両サイドに二本の角。村長もこのパターンで額の両サイドに二本の角が生えていた。

 この事から鬼は男性が二本角。女性が一本角と区別がつき、男女どうか分からないときでも鬼なら角の本数で判断することができる。


「で、君達は俺……というよりも人間という種族に興味があって村長の家から出てくる俺を待ち伏せしていたと」


 「「うん!!」」


 六人全員が頷くのにカケルは呆れて物も言えない。子供の好奇心は尊敬に値するが全員に回され、せっかくの服をボロボロにされれば話は別。かといって自分よりも力のある鬼の子供を怒るなんて度胸もない。

 

 「じゃあ興味あった人間に触れれてこうして会話できてもう満足だろ。俺は帰る」


 「ダメーッス!」


 子供達をすり抜け一直線に遠くにあるルムネリアの家に行こうとするとまた子供達がカケルの前に横一列に並びアイラ、キリキラ、ネーラ、ノノの四人が手を広げて分かりやすく通せんぼしてきた。


 「……何で?」


 「そ、それはですね……」


 「これからカケル兄ちゃんは俺たちと遊ぶからッス!」


 威勢よく言うキリキラに他の五人も深く頷き同意した。


 「マジで何で?」  


 この子達の言い分は人間という種族に興味をもっていたから対象であるカケルとさっき互いに自己紹介という話し合いをして目的は達成されたはずだ。なのにどうして遊ぶ話が持ち上がるのだ。


 「ちょっと私たち遊ぶネタが尽きてて困ってたの」


 「だから俺と遊べと?」


 「「うん!!」」


 本当にどうしてこうなったのだ。さすがに初対面の子供達と遊ぶほどカケルは暇でもなければお人好しでもない。

 悪いがここは一度後退して建物の陰に隠れながら子供達を撒いてからルムネリアの元へ行くしかない。

 そうと決まれば後は実行するだけ。ゆっくりと後ろに下がりながら距離を取り、隙をついて逃げる算段を立てているとヴァイタの陰に隠れていたノノがヴァイタの背中から全身を見せ一歩距離を縮める。


 「ご、ごめんなさい。お、お兄ちゃんも忙しいよね……無理言って本当にごめんなさい……」


 「はわぁあ!」


 あえて涙を流さずに目元に涙を溜めた状態で上目使いで謝れたらこちらがとても悪いことをした気になってしまうではないか。それにこんなに胸がキュンとする仕草をされてしまったらもうノーとも黙って逃げるなんて出来ない。


 「し、仕方ないな……少しだけなら遊んでもいいぞ」


 「本当ですか!」


 「ウォオッシャッラッキー!」


 カケルが遊んでもいいと言った瞬間、その場で跳ねたりガッツポーズしたりと仕草で喜びを表現するなかシルセセがノノの肩に手を置いてナイスと親指を立てていた。


 「あれ? もしかして俺嵌められた?」


 そういやノノがヴァイタの後ろに隠れているときシルセセがノノに何か吹き込んでいたような気もしたがもしかしたらあの時、ノノが見せた仕草や台詞は全てシルセセの指示なのかしれない。

 その場合、カケルが単純ロリコン野郎とシルセセの脳内で決定付けられてしまう。


 「おいシルセセ――」


 「さっ遊ぶわよお兄ちゃん」


 「遊ぶッスー!」


 念のためシルセセに俺はロリコンではないと弁明しようとすると両腕をアイラとキリキラにガッチリとホールドされてしまい声を掛けるタイミングを逃してしまった。

 けどこの子供達とはせいぜい今日だけの付き合い。今後会うこともないだろうし、ここは別にロリコン認定されていても問題ない。


 「はぁ~で、何して遊ぶんだ」


 「さぁ~」


 「さっきアイラが言いましたよね。遊ぶネタが尽きたって」


 呆れ、蔑んだ目で見るシルセセにカケルはまさか自分が子供にあんな目で見られるとは思ってもいなかったため何て反論したらいいか分からなかった。


 「…………つまり俺が何して遊ぶか決めろと」


 「「うん!!」」

 

 また全員で頷く子供達にカケルはまたため息をついて仕方なく何して遊ぶか考えた。

 幼少期に親を亡くし、まともに友達を作ってこなかったカケルは一人遊びは得意だが大勢で遊ぶのは苦手でこんぐらいの歳の子が何して遊んでいたのか分からない。


 でも遊ぶと言ったなら責任をもって遊んであげないとこの子達が可哀想だ。ならここは考えを変えてこの子達が楽しめるジャンルは何なのかを考えることにした。

 見た感じ外で活動するアウトドア系の子が多く、遊ぶなら体を動かす系の方が受けは良さそうだ。

 自分の右肩を何回か回して調子を確認すると傷の痛みもだいぶ引いており軽い運動なら問題はなさそうだ。


 「んー……おっ!? あれは……」


 考え状態のカケルが目にしたのは広場の中心に生える一本の大きな木だ。人五六人ぐらいの太さがありそうな木の元まで歩き手で触れてみるとずっしりした重みと堅さを感じこれならちょっとやそっとでは折れたりはしないだろう。


 「その木がどうしたんですか?」


 「ん? あーちょっとね。それと何して遊ぶか決めたよ」


 「え! ホントか!!」


 みんなが何して遊ぶのか期待の眼差しで見てくるなかカケルは背中を向けて子供達に見られないように長いロープを等価交換で出すとそのロープを木に結び、七メートル程伸ばして引っ張ったり緩めたりを繰り返して張り具合を確かめる。


 「……それはなんだ」


 「お、ヴァイタが聞いてきたか。これは大縄跳びだよ」


 「「おおなわとびー?」」


 首を傾げて問い返す六人にカケルはやってみれば分かるよと六人を垂れるロープの右側に一直線に並べさせる。


 「で、これでどうするの?」


 「えっ? 跳ぶんだよ」


 「「えっ?」」


 ポカーンとする六人にさっきまでの恨みだと不意打ち気味にカケルはロープの端を握り円を描くように右回しでロープを回してやる。

 スピードもかなり速めに回し足首とかに当たれば確実に痛い思いをするだろうと悪魔のような笑みを浮かべてロープを回し出したのだが六人は何事も無かったようにタイミングよくロープを跳ぶと二回、三回と続けた跳び続けた。


 「うわ~これ楽しいわね~!」


 「楽しいッス!」


 「テンション上がるぜ!」


 七回、八回と更に回数を重ね続ける六人にカケルは驚きを隠せなかった。てっきり咄嗟過ぎて二回、三回ぐらいで誰かが足を引っ掛けると思ったのだがこの様子では誰も足を掛けそうにない。

 それに意外なのはシルセセとノノが平然とした顔で跳んでいることだ。シルセセは見た感じインドア派でノノは運動オンチだと思っていたが腐っても鬼なのだろうこの程度の運動量は何とも思わないのだろう。

 そんな事を考えている間に六人は余裕で百回を跳んでしまいカケルが先に回すのに疲れて地に膝をつきバテてしまった。


 「もう終わりか」


 「え~こっからもっと楽しくなると思ったのに~」


 「お兄ちゃんって意外と体力がないのね」


 情けない。六人は誰一人息切れを起こしていないのに。だがカケルもここまで黙って言われるのも癪なので大縄跳び第二プランに移行する。


 「な、何言ってるんだよお前ら。ほ、本番はこれからだぞ」


 「息切れてるッスけど」


 「う、うるさ~い!! お前らあそこに並べ!」


 これ以上疲れているのをバレたくないため急いで第二プランを開始する。六人をロープから二メートル程離れさせるとカケルはさっきと同じように右回しにロープを回し始める。


 「な、何してるんですか~~」


 「んー? 今度はな……この回るロープに当たらず中に入ってさっきみたいに跳ぶ遊びだよ」


 こればっかしは初見一発で出来るはずないだろうと心の中で悪い笑いをするのだが、


 「おー! 面白そーだぜ! じゃあオレ一番!」


 何の躊躇いもなくネーラは回るロープに飛び込むと普通にロープに当たることなくそのまま中で跳び続けた。


 「へっ?」


 「あ、ネーラズルイッス! 俺も行くッス!」


 「あー私も!」


 ネーラに続いてキリキラ、アイラもロープに飛び込みそのまま跳び続けた。


 「マジかよ……」


 「私たちも負けてられない。さ、行くわよ」


 「おう」

 「は、はい」


 シルセセの先導にヴァイタもノノも意図も容易く回るロープの中に入ってしまい跳び続けてしまう。このままではまた百回近く跳ぶまで回さないといけないパターンだと察したカケルは次の手に移ろうとするが、


 「ねぇ、これって外から入れたなら中からも出れるんじゃない」


 シルセセの何気ない一言。だが、それはカケルが今、言おうとした事だった。


 「お、シル姉ちゃん、それ面白そうだな」


 シルセセの案を早速気に入ったネーラはタイミングを見計らってロープの外に出ていった。


 「お~ホントに外に出れた~!!」


 「さすがねネーラ。それで回り込んでもう一回入ってを繰り返すなんてどう?」


 「あ、それいいかも」


 シルセセを中心に新たな跳び片をしていく子供達。ネーラに続いてアイラもロープの外に出たが既にネーラは回り込んでロープの中に入り最後尾で楽しく跳んでいた。

 こっからカケルの地獄が始まりだった。アイラもネーラに続いて回り込んでロープに入るのだが、それと同タイミングで先頭を跳ぶキリキラがロープから出て反対側に回り込む。

 新たに先頭になったシルセセがロープから出るタイミングでキリキラがロープに入るというカケルにとって地獄の無限ループが始まっていた。


 「うひょっ~! 楽しい~!」


 「こんな楽しい遊び初めて!」


 息切れしなければ汗もかかず、楽しそうに跳び続ける六人に対しカケルは息切れしまくりの汗ダラダラ。ついにはロープを回す力もなくなり、また地面に膝をついてしまう。

 

 「えーー、もーおしまいッスかー」


 「う、うるさい……お、俺らに、人間は……お、お前ら鬼とはち、違って……体力がねーんだよ……」


 頑張って息を整えるがさすがにあれだけの運動量でここまで疲れるのは自分でもどうかと思う。別に運動が苦手というわけでもない。むしろ人並み以上には出来るため運動が得意なレベル。

 そんなカケルがここまで疲れてしまう理由を上げるとするなら二つある。

 一つは純粋にこの世界に来てからまともな運動をしていないことによる運動不足。そしてもう一つは怪我が治りきっていないことによる体調不良。この二つの要因がカケルの体力及び運動能力を著しく低下させているのだ。


 「ふーん……本で書いてある通り人間って無力で情けない種族なのね」


 「ちょっとシルセセそれは言い過ぎだよ。いくら本当の事とはいえカケルお兄ちゃんが可哀想だよ」


 アイラの追撃貶しフォローに全員が頷いた。その時、カケルの心の奥底から何かよく分からない怒りとは別の感情が溢れてきた。

 子供ごときに人間を貶されたことに怒った。それをシルセセ一人だけでなく全員が思っていたことにも怒った。けどこの感情は怒りと言うには清々しく懐かしい。


 「フッフッフッ……言っちゃいけないことを言っちゃったね君達……」


 息を整え終わったカケルはゆったりと立ち上がり六人の子供達に視線を合わせていく。急にカケルが笑いだしたせいか子供達はより一層哀れみの目で見てきたがここは無視する。


 「大縄跳びが出来たからって調子に乗るのはまだ早いぞ! あれはただのウォーミングアップ……今からやる遊びが本番だ!」


 「な、な、な……」


 「なんだってー!!」


 全員が驚き口を開けている。大袈裟にリアクションしてくれるのは子供の良いところだと疲れていたカケルを調子づかせる。

 六人が驚いている隙にカケルは両手を後ろに回し等価交換でサッカーボールを出し、みんなに見せる。


 「お兄ちゃんそれ何処から出したの?」


 「フッ、アイラよ。細かいことは気にするな。気にしてると大きくなれないぞ」


 この六人が等価交換に食い付いてしまったらルムネリアの二の舞でまた無駄な金を使ってしまう。

  

 「それでそれを使って何するんッスか?」


 「まぁ見てろよ」


 ボールを地面に置いたカケルは爪先でボールを軽く持ち上げるとトントンとボールを弾きリフティングを始める。

 学生時代はサッカー部に所属していたカケル。久々にボールに触れ、リフティングをしてみるが意外と感覚は忘れてないもので余裕で三十回を超えた。

 六人の内、男の子三人が目を輝かせて見ていたのでカケルは五十回に達すると大きくボールを蹴り上げ地面ぶつかると同時に跳ねないように足で抑える。


 「すげぇ……」 

 「スゴいッス!」

 「カッケェー」


 いい感じに男の子三人を喜ばせたカケルはドヤ顔で腕を組む。


 「どうだ……これが人間だ。たとえ力が弱くてもテクニックがあるんだよ」


 「スゴいぜホント! 見直した!」


 「あれの何が凄いの?」


 三人がカケルに対する評価を見つめ直したのに女の子三人だけは違った。まぁサッカー自体は男の子に受けが良いのでしょうがないだろう。


 「今日は特別にお前らの気が済むまで遊んでやる。君達女の子が楽しめる遊びもな」


 「ホントか!」

 「う、嬉しいです……」


 「よーし遊ぶぞー!」


 何か忘れているような気もするが、忘れるぐらいだ。特に大切な事でもないだろう。

 サッカーが終われば野球、テニスetc……遊びに次々と必用な物を節約がてら道具同士で等価交換しながら遊んでいるうちに太陽は半分沈み夕日に変わっていた。

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