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極東の新国家

日本の陸地調査を異世界側から見た話です。

ノーザロイア島の各国では、竜騎兵の防空網を嘲笑うかのように連日領空侵犯を行う空飛ぶ剣や鉄の甲虫に大騒ぎとなっており、国民のパニックに起因する騒動を収めるために戒厳令を布く国もあった。


そしてノーザロイア5王国の一、イラマニア王国の首都・アリナーの沖合に超巨大な鉄の船が出現した時は国民の誰もが驚愕し、港では不測の事態に対処するためにイラマニア王国軍が厳戒態勢を布いていたが、船から降りてきた日本という国の使節団を名乗る黒服と緑色の服を着た集団は、そんな我らの予測に反して自分たちの国と国交を結びたいと申し出てきたのだ。


黒い髪に黒い目、そして黄褐色の肌というあまり見慣れない身体的特徴を持つ彼らの言い分に依ると、4週間程前に突如として異世界から国ごと転移してきたという。


彼らから領空侵犯の謝意と友好の証として譲渡された工芸品や工業製品の数々、そして案内された「あきづき」という鉄の船(護衛艦といって軍艦の一種らしい)の内装や兵装を観察し、日本という国に脅威の技術力と軍事力を見たイラマニア王国政府は、この国とは敵対せずに相手が求める「対等な友好関係」を築くことが最善の道だと判断し、こちらからも彼の国に使節を派遣することを決定した。


〜〜〜〜〜


イラマニア王国 王の居城 王前会議


・・・本来、国家の重要課題を協議する際に開かれるものであり、普段は使節団派遣について、などという議題で行われることはない。

しかし、今回は状況が違う。2,3週間ほど前、ノーザロイア島の各国では日本という国の航空戦力による連日の領空侵犯を受けた。竜騎でも全く追いつけない速さを持つそれらに対して防空の手立ては無く、異なる世界から来たという彼らとの交渉は国家の最重要課題であると位置づけられたのだ。


「・・・・であるからして、我が国からもニホンに対して使節を派遣することとなった。」


国王ギルガ=シュメリア5世の御前で、王国宰相ソマート=パンクレアは、日本への使節団派遣についての概要を述べる。


「彼の国の力、特に技術力と軍事力については詳しく調べて来て欲しい。あの『あきづき』という船の他にさらに脅威となるべき兵器が存在するのか、またあのような品々を作り出せるその技術力の根幹は何なのか。

また我が国にとってもニホンとの国交が有益となるように、協議の場においては最善を尽くすこと。」


「彼らは、ニホンは我々と友好的な関係を築きたいと申しておりましたが、果たしてそれは彼らの真意なのでしょうか。」


会議参加者の1人、金融局長官のフェイ=ラテールがソマートに尋ねる。


「・・・我々の考える友好と、彼らが述べる友好が同じものだとは限りませんな。」


ソマートのこの言葉に、参加者たちは一様に難しい顔をする。


会議が進む中、対日使節団の1人、ピンス=アドヘレンスは腕を組みながら顔をしかめていた。彼は右隣に着席していた使節団代表のミヒラ=スケレタルに小声で話しかける。


「国交開設の前座として鉄の龍でノーザロイアの防空網をかき回した彼の国が、覇権主義ではないとは到底思えませんが・・・。」


「うーむ・・・・。」


明確に答えはしなかったが、ミヒラも考えは同じだった。


「ただ、彼らはこちらでの交渉の場で食糧の輸出を要求してきた。おそらく、自国だけでは食糧生産体制が不十分ということでしょう。輸出の見返りとして、あの魅力的な技術の供与を交渉のテーブルに上げることは可能では?」


ミヒラの右隣に座っていた同じく対日使節団の1人のガイラス=ブロードマンは、交渉の場においてこちらが優位に立てる可能性を示す。


「だが、こちらが調子に乗れば彼らが実力行使に出ないとも限らんぞ。」


「それは・・・。」


ミヒラの的確な一言にガイラスは言葉が詰まる。



「出発は3日後の明朝。滞在日程は7泊8日。皆しっかり準備するように。」


一通りの注意点をのべた後、王前会議は終了した。



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