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プロローグ
例によってプロローグはあらすじからはかなり遠いです。
「だめええええええ!」
ある夏の昼下がり、夏樹の悲痛な叫び声が響き渡った。
話は少しだけ前にさかのぼる。
「気ぃ付けろよ、運転初心者なんだから」
「わかってるって」
そんな男の心配も右から左、夏樹は出発の準備を進めた。
「じゃあ行ってきまーす」
実際彼女の運転はそこそこ安定感のある物だった。
しかし、この手の物で一番危険なのはある程度の経験が生む慣れから来る油断である。
信号の赤さが目に入る。
彼女はブレーキを踏んだ。はずだった。
その少年が飛び込んで来る様は、夏樹の目にはスローモーションに映った。
短すぎますね、はい。