バトルフィールド
硝煙と胸をムカつかせるガソリンの匂い
俺が最初に感じたのはそれだった
「ハア、ハア、ハア、っ…」
一番近くにあるレンガの壁に背中を預け、俺は息を整えながら手に持ったカービンライフルを持ち直しながら
「もうひと踏ん張り…、」
独り言を言って俺は手に持った武器を肩に掛け、再び走り出した
ここはメスタニア王国
人口およそ2万人5000人の小さな王国で、代々王は血族にのみ与えられた。
先代の王は人気もあり、民に親しまれていた
しかし、ある時この国にやって来た調査チームがこの国にはおよそ15年間地球の必要とする石油を蓄えている。
と言った瞬間、先代の王の息子が王を殺し、自らが新たな王となると宣言した。
その王は、自らの利益の為に環境を壊し、そして自らの利益の為に人を殺した。
民に親しまれていた王は殺され、自分たちも自らの利益の為に殺そうとする王に当然反発が起きた。
王を慕っている王国側対、反王国グループの戦いが始まった。
当初、反王国側は劣性にたたされていたが、外国からの支援を受け、徐々に力を付け始め、遂に優勢になった。
しかし、王国側はまだ諦めなかった。
石油を売った金で、外人部隊を雇うと決めたのだ。
「東に200メートル、そこから南に400メートル、…………、行くしかないか…」
俺は外人部隊、2番チームに加わっていたのだが、乗っていた車を反王国グループに襲われ、そこからは徒歩で逃げてきた
「次の角を曲がっ!!」
角を曲がろうとした瞬間、角から2台のジープがやって来た。
「赤い旗、反王国グループだな…、」
俺は道の角に飛び込んで、2台が通過するのをじっと待った
ブルルルッ、ブルルルッ、………、
「行ったか…、ハア、危なかった。」
俺は角から回りを確認してから、道の角を曲がると…
「…………、焼け野原か…」
目の前には家と思わしき建物のが沢山あった。
しかし、それすべてに共通していることは全て燃えていて、屋根は崩れ落ち、壁は倒れていて家の基礎が残っているのみだった
「戦争か…、」
これから俺が過ごす土地を見ながらそうぼやいた
目の前には建物の残骸と、少しの石畳の道があり、そしてそこから見えるのは絵本に有るような洋風のお城だった
「…………、行くか」
俺は石畳の道を踏みながら道を歩いた
平和な世界の反対、争いのありふれた戦争地帯、ゲームの中でしか見たことのなかった世界が目の前にある。
平和な世界の反対、バトルフィールド
俺はこの世界で何をするのだろう…、今は考えても無駄だな、と思いながら道を慎重に進んだ。