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炎拳士と突然変異  作者: 作者です
6章 赤鋼
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十四話 宿屋にて

時は遡り、レンガを闇が包み始め、ランプの灯火が薄く室内を照らす。


グレンが工房を後にする少し前、勇者一行の三人は室内で可能な修練を行っている。


ガンセキはハンマーを手元に置きながら、アクアとセレスに視線を向けていた。


二人は合体魔法の修練を行っている。


手を握り合ったまま、お互いに目蓋を閉じ、二人の魔力を混ぜ込むための基礎訓練。


合体魔法は別属性同士の魔力を混ぜあい、それを神に送ることで実現させる魔法。


この魔法には熟練と共鳴率以外にも重要な要素が加わる。


互いに想い合い、互いに信じ合い、互いに支え合う。


相手を知ろうとする気持ち、より深く関わりたいと願う気持ちが重要となる。


どんなに熟練された合体魔法を可能としていた二人でも、些細な気持ちの擦れ違いにより、お互いの感情が乱れて使用ができなくなる。


魔法を使う二人の感情・・・絆に左右され易い不安定な力を合体魔法と呼ぶ。


カインと俺は同属性だから、合体魔法を使うことはできなかった。


俺たちが得意としてたのは協力魔法だ。


色々と種類はあるが、例を上げると二人で岩壁を一つずつ召喚し、圧壁にしたりするのを協力魔法と呼ぶ。


魔力を混ぜ合う必要がないから、互いの絆に左右されず、圧壁なら少しの訓練でも協力魔法として唱えられる。だけど難度の高い協力魔法は、そう簡単に習得できるほど甘くない。


俺とカインだって習得には時間が掛かったからな。


セレス


グレン


アクア


今の俺には素晴らしい仲間がいる。その大切な仲間たちと共に戦えることを、俺は誇りに思っている。


仲間と共に考え。


仲間と共に悩み。


仲間と共に苦しみ。


仲間と共に喜び。


仲間と共に笑い合う。



だが仲間と相棒は別だ、俺は今後一切相棒は求めない。



ガンセキは目の前で一生懸命修行をしている2人を羨ましそうに見詰めていた。


苦しいとき、いつだって笑っていたお前がいた。


悲しいとき、泣きながら俺を怒鳴りつけたお前がいた。


絶望のとき、ただ一人輝いていたお前がいた。


逃げたいとき、俺の道を切り開いてくれたお前がいた。


腹が立つとき、俺の愚痴を笑いながら聞いてくれたお前がいた。


叫びたいとき、逃げるなと言ってくれたお前がいた。



当たり前だったお前の存在は、当たり前ではなくなった。



殴りたくても、俺の腕は届かない。


苦手な酒を一緒に飲みたくても、杯を向ける相手はどこにもいない。


大声で笑い合いたくても、響くのは虚しい一人笑い。


逢いたくても、俺の声は届かない。



カインは俺の剣だった、俺はカインの盾だった。



剣は折れ・・・盾だけが残った。


残った盾は護ることしかできない、盾だけでは道を切り開くことは不可能だ。


だから俺は仲間を護る。新たな道を切り開くのは、お前たち三人だ。




俺の相棒は・・・一人だけだ。




ガンセキの異変に気づいたのはアクアだった。


困った表情を浮かべながら、アクアは一つの疑問を。


「ガンさん・・・なんで泣いてるのさ」


アクアの言葉を聞いたガンセキは己の目元を触る。


慌てて水分を拭い取ると、情けない責任者は言い訳をした。


「最近涙もろくてな、頑張っている若者を見たら涙腺が緩んだ」


無理のあるガンセキの言い訳に、アクアは苦笑いを浮かべながら。


「男泣きは隠れてするから格好良いんだ、ボクたちの前でしちゃ駄目だよ」


セレスは何時もの笑顔を撒き散らせながら。


「にへへ~ ガンセキさんは泣き虫だね~」


グレンがいたら泣き虫はお前だろとか言いそうだが、ガンセキはセレスの言葉に頷きながら。


「そうだな、昔は怖がりで泣いてばかりだった」


怖れて泣けば恐怖を紛らわせることができたが、悲しみで泣けば悲しみは深まるばかりだ。


「泣いてばかりでは、皆に笑われるな。セレス・・・俺は泣きながらでも立ち上がるぞ」


グレンの手を借りて立ち上がっていてばかりでは、グレンを支えるのは難しいだろう。


「お前がグレンに手を差しだしてやれ、なんど手を払われようと、諦めなければいつかお前の手を握り返すはずだ」


それがグレンだからな・・・あいつは鬼には成り切れない。


心の片隅で誰にも気付かれないよう、誰にも知られないように助けを求めているはずだ。


どんなに助けを求めようと、グレンはそれを口にはださないだろうが。


ガンセキの言葉に、セレスは真剣な眼差しで頷きを返す。


アクアは握っていたセレスの手を、より強く握る。


「グレン君がセレスちゃんをイジメたら、ボクがグレン君を怒るから」


セレスもアクアの手を強く握りながら。


「グレンちゃんなんて怖くないもん・・・だって、私は勇者だから」


優しく暖かな空気が部屋の中に満ちる。



このまま夜が深けて行くのだと思った瞬間、ガンセキの手元にあったハンマーが僅かに反応する。


暫しの沈黙が部屋の中に流れ、時間の経過と共にガンセキの纏う空気が一変する。


黙ったままハンマーを見詰めてるガンセキに気付いたのはアクアだった。


ガンセキは目線でアクアに事を伝える・・・グレンが襲撃を受けたと。


アクアは口を引き締め、セレスから手を離す。



まさか本当に街中で信念旗が動くとは。


動揺をする訳にもいかない、ガンセキは己の中で沸きあがった恐怖を独自の方法で薄めると、咳払いを一つ。


アクアが真剣な表情でガンセキに語り掛ける。


「ガンさん・・・まずはセレスちゃんに言わないと駄目だよ」


頷きでアクアに応えると、ガンセキはセレスへと視線を向ける。


セレスも何かを感じ取ったのか、勇者としての表情でガンセキと対峙した。


・・

・・

・・


時間に猶予はなく、重要な事柄だけをガンセキはセレスに伝えた。


信念旗という組織が存在し、勇者を憎みその命を狙っている。


オルクという人物と実行部隊の規模。


街中でグレンが襲撃を受け、自分が今から増援として時計台に向うことになっている。


そこまでの説明をすると、ガンセキは静かな口調で。


「これで一行の全員が信念旗の存在を知ったことになる」


信念旗が街中でグレンを襲ったという事態が起こった以上、オルク率いる実行部隊はすでに覚悟を決めている可能性が高い。


俺が一人で時計台に向かったあと、その隙を突いてグレンを襲った連中とは別の者達が、一般人のいる宿屋を襲撃する可能性が無いとは言い切れない。


俯いているセレスから視線を逸らさずに、ガンセキは言葉を続ける。


「オルクについて、信念旗について、それらの事実を俺はお前に隠していた」


俺と共に増援として三人で時計台に向かうべきか、アクアとセレスを宿屋に残して俺一人で時計台へ向かうべきか。


「もしお前が人間を相手に戦えると言うのなら、俺は三人で時計台へ向かいたいと思っている。だが俺の決断の所為で、お前に考える時間を与えることができなかった・・・無理だというのなら、アクアと二人で宿屋に残ってもいい」


オルクなら街中でも関係なく一般人を巻き込む可能性があると、俺は気付いていたんだ。にも拘らず刻亀との戦いを優先させた。


実行部隊は街中で事を起こさないであろう、刻亀を討伐するまでは動かないだろうという俺の予想は・・・決断は間違いだった。


反省するのは後だ、今は一刻も速く時計台へと向かわなくてはならない。


本来なら俺が一人で向かうか、それとも三人で時計台へ向かうかは、責任者が決めることだろう。


俺は三人でグレンを助けに行くべきだと思っている・・・だがアクアの言葉を聞いて、セレスなら自分でどちらの選択を選ぶか決めれるはずだ。


だからこそ、俺はセレスに選ばせたい。


ガンセキは唾液を飲み込むと、動揺を隠しながらセレスに問う。


「グレンを助けに行くか、それともここに残るか・・・無理なら無理で構わない、お前が決めるんだ」


決断を間違っておいて、このようなことをセレスにいうのは責任者として失格だろう。


非難なら後で受ける。どちらの選択でも良いんだ、ここで迷わずに決断できるかどうか、それが重要なんだ。



セレスはガンセキの問いには答えなかった。


俯いたまま、無言で部屋内の一角へ進むと、黄鋼の片手剣を確りと握り締める。


「ガンセキさん、今急いでアクアと着替えるんで、一度この部屋からでてもらって良いですか?」


その口調は驚くほどに冷静であり、その声がセレスの答えだった。


ガンセキは頷くと、一言を残しながら一度部屋をでる。


「すまんが時間がない・・・できるだけ急いでくれ」


扉を閉める寸前にアクアがガンセキに語り掛ける。


「だから言ったじゃないか、セレスちゃんはガンさんやグレン君が思っているよりも強いって」


ガンセキは素直にアクアの言葉へ賛同を示した。


「そうだな、お前の言う通りだ」


その言葉を残すと、ガンセキは扉を閉めて廊下にでる。



確かにセレスは未熟だが、勇者に成ろうと懸命に生きている。


グレン・・・セレスは少しずつだが成長しているぞ、お前は成長しないまま戦場に行けるのか?


孤独のまま、戦い続けることができるのか?


個人の力には限界がある、そんなことお前なら分かっているだろ。


誰かの支えを得てこそ、本当の力が人には宿る。


個の力は数を覆すこともあるが、数の力には確かな安心があり、結束こそが本当の力だと俺は信じている。


結束を得るには、時に隠し事も必要だ。全てを分かり合える人間など、この世界には存在しないのだから。


だが、同志や仲間を信じ、全てを打ち明けることも時に必要だ。人間は言葉を交わすことで分かり合える生き物だからな。


この事を、アクアとセレスは俺に教えてくれた。



俺は自分に自信がない・・・嘗ての仲間や同志、おばさんやレンゲさんが、俺に自信を与えてくれた。



孤独のまま道を進むことも可能だろう。だがその道は地獄と変わらないぞ。


地獄とは何なのか?


天国とは何なのか?


光の一刻・・・その時代より伝わったこの言葉は、謎に包まれている。


地獄とは苦しく辛い場所。


天国とは安らぎを感じる穏やかな理想郷。


仲間に支えられながら、仲間を支えながら進む道と、孤独のまま全てを一人で背負い込む道。


どちらも同じく険しい道だとしても、孤独を歩めば地獄と変わらない。


地獄を歩む覚悟が、お前にはあるのか?




ガンセキは分かっていた、今後グレンは多くの誰かに支えられて歩いて行くと。


誰かに支えられるたびに、グレンはそれを迷惑を掛けたと受け取ってしまう。


天国と地獄、どちらの道を進もうと、その先に待っているのは生き地獄だと。


だからこそ、セレスがグレンを救う必要があるんだ。



だがガンセキは知らなかった、グレンにとって誰にも頼らない孤独の道には相棒がいることを。


グレンには共に地獄を歩む、戦友が存在していた。


・・

・・


ガンセキは腰に差していた杭を一振り抜くと、土の領域を展開させる。


展開させた領域で、宿の周囲を探る。



宿からかなり離れているが、意識を向けている何者かが一人。


属性使いかどうかまでは分からない。だが薄く魔力は感じている。


低位魔法なら使えるはずだ。土の結界で存在は隠していない。


金属からの領域では、これが限界か。相手が敵意を持っているかまでは分からんな。


だが恐らく、俺たちを監視しているだけで、危害を加える積りはなさそうか。


・・・

・・・

・・・


数分後、ガンセキは手に持ったハンマーに再度目を向けていた。


今さっき、ハンマーに二度目の反応があった。


感覚であり確信は持てないが、恐らく一度目とは別の人物が杭に魔力を注いだ。


確証はないが一度目の反応はグレンだろう・・・では二度目は誰だ?


グレンは襲撃されたことを俺に伝えるために魔力を杭に注いだ。それから数分後、誰かが俺に何かを伝えるために魔力を俺の杭に。



宝玉武具を受け取りに工房へ向かうとグレンは言っていた。確か約束の時間は17時だったか。


そう考えれば・・・俺の杭に魔力を注いだのはレンゲさんか?


グレンは俺が時計台に増援として向かうと知っていたにも拘らず、俺の武器をレンゲさんに渡したまま工房を離れたということになる。


何の意味もなく、グレンがそのようなことをするとは思えない。



レンゲさんは腕の立つ土使いだ、グレンは事前に敵の襲撃を知ることができた。


工房内でグレンは信念旗に包囲されていることを知った。


あいつがレンゲさんに杭を渡した理由・・・なぜ俺ではなく、レンゲさんに杭を渡したのか?



ガンセキは考える。


グレンが工房をでたあとも、レンゲさんは工房内で土の領域を展開させている。


レンゲさんから離れたら、グレンは信念旗の動きを把握できなくなる。


そうか、何となく分かったぞ。


工房を包囲していた数名の実行部隊、その全てがグレンをそのまま追うとは限らないんだ。実行部隊の人数・・・どうやら俺の持っていた情報は誤りだったようだ。



・もし工房を包囲していた実行部隊の半数が、グレンを追わずに宿屋へ向かったとしたら、俺が単独で時計台に向かった場合、宿屋にいるアクアとセレスが襲撃を受けるかも知れない。


・もし工房を包囲していた実行部隊の半数が、グレンを追わずに増援の足止めに向かったら、俺一人でそいつらと戦うことになる。



ガンセキが導き出した結論。


ハンマーが示した二度目の反応は、工房を包囲していた実行部隊が二手に分かれたことを俺に知らせる合図。


このまま三人で向かったとしても、時計台に辿り付く前に敵の妨害を受ける可能性が高い。


敵の妨害を受けた場合の対処を考える必要がある。


大地の結界で俺たち三人の存在を隠し、時計台へ向かう。そうすれば敵の増援も時計台に向かわせてしまう。


俺たちの妨害をして来た連中を殲滅してから時計台に向かえば、相応の時間が掛かりグレンに危険が及ぶ。


どうすれば最善となるか、俺も策士の端くれだ、なにか策を考えなくては。


・・

・・

・・


セレスは扉を開けるとアクアと共に廊下へとでる。


ガンセキは二人に視線を向けると、できるだけ平然とした口調で。


「準備はいいか」


焦りのないガンセキの声は、セレスとアクアに安心感を与える。


2人はそろって頷くと、ガンセキの後を追って動き出す。


宿屋の古びた木製の階段を下りながら、ガンセキは声を発する。


「時計台に到着する前に、敵の妨害を受ける可能性が高い。道中走りながら作戦を説明するぞ」


アクアはその言葉に口元を引き締め、ガンセキの背中を確りと見詰める。


セレスは小さく頷くと、自分の両手に視線を向ける。


ガンセキは階段を下り終えると、セレスに背を向けたまま。


「無理に戦おうと思うな、自分の身を護ることだけを考えろ」


今さっき事実を知ったんだ、人と戦う覚悟ができているはずがない。


二人が階段を下り終えるのを見計らって、ガンセキは立ち止まり振り返る。


「俺達は信念旗を倒しに行くんじゃない・・・グレンを助けに行くんだ」


セレスは表情を上げ責任者の傷痕だらけの顔を見る。


アクアは強く拳を握り締め、意志を感じる眼差しを責任者へ向ける。


敵を倒すために戦うんじゃない、グレンを助けるために戦う。



綺麗事かも知れない、だがセレスは人々の為に戦いたい一心で勇者をしているんだ。


セレスにとって本当の敵は信念旗じゃない・・・魔族こそが、俺たち勇者一行の敵なんだ。


それを忘れたら、俺たち四人は勇者一行ではなくなる。



三人はそろって歩きだし、宿屋の出入り口に到着する。


宿の主も何時もとは違う何かを三人の表情から感じ取ったのか、カウンターから出ると静かな口調で一言を発する。


「夜道は暗ろうございます・・・気をつけて」


悲しそうな彼の顔は、長い年月の中で積み重ねられた表情であった。


ガンセキは宿主に頭を下げると、三人そろって外へと足を踏み出す。


・・

・・


宿前の道でガンセキは立ち止まり、二人に視線を向けながら。


「魔力を纏った状態で走るが、戦える体力を残すために全力では走らない。不安は焦りを呼び、焦りは失敗を招く・・・グレンは簡単に負けるほど弱くない、弱いと思っているのは本人だけだ」


アクアはガンセキの言葉に笑いながら答える。


「グレン君は勇者の儀式でボクに勝ったのに、ボクより弱いと思っているからね」


己に自信を持てないのが、あいつの最も危険な弱点だ。


自分を信じられない人間は他人の力を頼るからまだ良い、グレンは自分を信じない上に誰にも頼らない。それでも今まで生き残ってこれたのは、ギゼルさんが考える力を、唯一の自信をグレンに与えたからだ。


セレスは動揺が少し残る表情で無理やり笑顔を造りながら。


「それでもグレンちゃんは自分を信じていないけど、他人に頼ろうとはしないけど・・・私のことを信じていると言ってくれた」


最初は否定から入るし、物凄く疑り深い性格だが、あいつは結局最後には自分以外の人間を信じてしまう所がある。


他者を信じたとしても、信じ切れないのがグレンでもあるがな。


嫌いな他人がグレンにはいないんだ、あいつはどうしようもない程に人間が大好きだから。


絆を怖れているから誰にも深く関わろうとしないが、どんなに嫌な相手でも、良い所を探して好きになろうとしてしまう。


自分のことを憎めば憎むほど、その反動で人間という種族を心の底から愛して止まない。


自分以上に最低な屑はいないと本気で思っているから、全ての人間を憧れの眼差しで見てしまう。



そんな困った馬鹿だから・・・俺はあいつを放っておけない。


ガンセキは笑いながら。


「それじゃあ、グレンを助けに行くぞ」


二人の頷きを確認すると、ガンセキは全身に魔力を纏い走り出す。


・・

・・

・・


セレスはガンセキの背中を見ながら走っていた。


怖いよ・・・グレンちゃん。


グレンちゃんがいたから、私は立っていられる。


アクアがいるから、私は歩きだせる。


ガンセキさんがいるから、私は前を向ける。



仲間の死を考えただけで、私は怖くて震えが止まらない。


皆がいるから私は勇者でいられる。


勇者って何なのか、私には難しくて分からない。


三人がいるから私は勇気を持てる、沢山の人たちが私に勇気を与えてくれた気がする。


一人ぼっちじゃ、私は寂しくて泣いちゃう。




私がグレンちゃんを助けたいのは、私がグレンちゃんを支えたいのは・・・一人が怖いからなのかな?




そんな私が勇者で良いのかな?


勇者はみんなに勇気を与える存在なのに、私は誰にも勇気をあげてない。


グレンちゃんに逢いたい。


グレンちゃんの手を握りたい。


グレンちゃんに傍にいて欲しい。


グレンちゃんの声を聞きたい。


グレンちゃんと笑い合いたい。


貴方のことを、貴方の全てを、私は知りたい。





グレンちゃんに・・・私を認めて貰いたい。





それだけで、私は強くなれる気がする。









6章:十四話 おわり



どうもです。


次話も完成次第投稿しますが、時間が掛かると思います。


グレン視線とガンセキ視線がごちゃ混ぜになると思いますが、どうか宜しくです。


それでは失礼しました。

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