表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎拳士と突然変異  作者: 作者です
3章 炎は赤く燃えていた
27/209

七話 鬼に成る、鬼に成れない

すみません、書き直しました。


最後の方です。

レンガの門を潜って3日目の朝。


昨日俺が帰宅した少し後に3人が帰って来た、夕方の大通りの人込みに疲れたのか、修行に疲れたのかは分からないが疲労困憊のようだった。


俺はと言うとギルドに付いて調べる為に、軍所の入り口に立っていた兵士にギルドの仕事を受けるには何処に行けば良いのかと聞いたら、意外な事実を教えてもらった。


ギルドの仕事を受けるには、俺を含めて5人以上集める必要があるらしい。


そもそもギルドってのは仕事を依頼され、それを登録団体に売る組織とのこと。


詰まり討伐ギルドは、村や国から魔物の討伐を依頼され、その依頼を登録している5名以上の団体に売り、仕事を受けた連中が魔物を討伐しに行く。


俺がギルドの仕事を受けるには既に登録済みの団体に入団するか、自分で4人集めるしか方法が無いらしい。


もし俺が人数を集めて、ギルドに登録する場合は、団体名を考える必要がある。


例えば団体名をグレン団。登録したギルドが討伐ギルドだとすると・・・討伐ギルド グレン団になる。


レンガには現在、討伐ギルド・護衛ギルドが存在しているが、全て纏めてギルドレンガ支部と言う組織で部署が違うだけらしい。


だからギルドの仕事を買う場所は、レンガには一カ所しかない。


ちなみに本部は王都に存在しているらしい。


討伐・・・魔物を討伐する団体、狙う魔物によって報酬が変わり、腕の立つ連中は魔獣を狙うことも有る。


護衛・・・護る対象は商人が殆どで、稀に一般人や軍も依頼する。商人は年契約で依頼することが多く、中には同じ商人の護衛を引退するまで勤めた人も居る。向かう場所の危険度に応じて報酬が変わる、信用第一の仕事らしく依頼主をその場に残して一度でも逃げたら、もう護衛で飯を食うことは出来なくなる。


冒険・・・遺跡や聖域の調査をする連中、はっきり言ってこれは興味が無い人は登録しないだろうな。大した成果が出なくても一応報酬は貰え、聖域に向かう学者さんの護衛も冒険者ギルドの中に入っているらしい。



以上のことを兵士さんに聞いたが・・・俺の想像を凌駕して、かなり大きい組織だなギルドって。


それだけじゃない、なんと本部(王都)には傭兵ギルドなる部署が存在しており、傭兵として戦争に参加している人達も居そうだ。


冒険者ギルドも王都にしかないらしい。


だけど残念ながら俺がギルドに登録するのは難しいな、一応だけど勇者の護衛だし。


となると、金を稼ぐ方法は軍の仕事くらいしか思い付かないな。今まで生きてきて、戦うこと意外の技術を持ってないから。


まあ、怪我が完治するまでは金を稼ぐのはお預けだな。


支部までの道のりを兵士に聞いて行ってみた・・・大通りから少し外れた場所で助かった。


意外なことに建物自体はこの宿を一回り大きくした程度だ。歴史を感じさせない若い建物だったけど。


ギルドについては兵士さんに聞けたし、用事もないのに入るのは気が引けるから、場所だけは覚えておいた。


多分俺に関わりが有るのは傭兵ギルドだけだと思うし・・・金は軍の方で稼げるからな。


・・

・・


朝飯を食べて、するべき事をすると3人は修行に向かう。


俺を含めて4人全員の着ている衣類は勇者御一行の専用服ではなく普段着だ、流石に3人は修行しに行く訳だから動き易さ重視だけど、俺はと言うと普段着と言うより部屋着だな。


洗濯は昨日したから明日でも良いか、午前中は修行に費やして、午後は刻亀の情報収集にレンガ国立書庫に行こうと思う。



魔力の練り込みは基本動かないから室内で可能だ。


床に座り胡坐を組む、呼吸を整える。



魔力を纏う・・・全身に魔力を纏う事で身体能力を底上げする事ができる、筋力・脚力・反射神経・動体視力等々、どんなに身体能力を上げようと刃物を防ぐ事は出来ないし、重い物に押し潰されたら死ぬ。


ただし魔犬の場合は別かも知れない、試してないから確かな事は判らないが、地面に激突しても大したダメージを喰らってなかった。


魔法防御・・・炎・氷の冷気・雷をある程度防いでくれる、炎が燃え移ってしまった場合は纏っていた魔力を一気に放出する事で炎を消す事が出来るが、それ相応の魔力を消費する。



魔力の練り込み・・・魔力ってのは身の内に存在する力だ、魔力を纏う為に外に出したそれを無理やりもう一度肉体に練り込む訳だから難しい。


だけどそれが出来れば時間制限付きで異常な筋力を発揮できる。


全身に纏った魔力を練り込むのは不可能だ、精々一ヶ所・・・俺の場合左腕の魔力を練り込む事が出来れば目的達成で良いと思う。


詰まり左腕だけ物凄い力持ちになる、その力に耐えられるよう魔力で左腕を頑丈にする必要もある。


尤もこの筋力で敵に殴りかかっても、左腕以外の頭・胴体・右腕・両足は今まで通りだから左腕の攻撃力を活かす事が出来ないんだけど。


以上の理由で、魔力の練り込みの修行は誰もやらない。


ただし、俺が今から魔力の練り込みを修行をするのは筋力を上げる為では無く、左腕だけ魔法防御力を異常に上げる事、それだけに魔力の練り込みを利用する。


おっちゃんの手紙に書いてあったけど、俺の武具で攻撃をする時に自分の炎から左腕を護るには、この方法しかないらしい。


意味が分からない、俺たち炎使いは自分の炎では熱だけは感じるが火傷をする事はない、魔法防御は敵からの炎で火傷しない為のものだろ?


オッサンの話では、魔法防御ってのは魔力から造られた炎だけではなく、人が熾した魔力なしの炎も防ぐ事が出来るらしい。


手紙の中には俺専用武具の使用方法が書かれていなかった、恐らくあの変人の事だから使用方法は自分で考えろ、とか思っているに違いない・・・今までのオッサンの助言は何時も俺に考えさせる為にヒントしかくれない事が多かった。


必ず使いこなして見せるさ・・・魔犬の力も含めてな。


・・

・・


修行を終え、カウンターの奥に座って暇そうにしている宿の主に軽く挨拶をして外に出る。


大体昼時だから何処かで飯を済まそう。


物凄く億劫だけど国立書庫は大通りを進まなくては行けない。


折角だから食事所で飯を食べよう。


グレンは歩き出す。


本当なら軍所に向かい、其処から大通りに入れば間違いないのだが・・・時間は有るし勘で大通りに向かう。


宿屋から少し進むと薄暗い細道が存在していた。


方向的にはこの道で有っている筈だ・・・心配だが突き進む。


・・

・・


薄暗い裏道を抜けると少し大き目の道に出た、人も疎らだが歩いている。


構わず再び勘で裏道に入る。


そんな事を繰り返していたら迷ってしまった。


動揺しても仕方ない、落ち着け俺・・・周囲を見渡す。


ガラス張りの店屋が在る、そこまで歩いて中を覘く。


・・・なんだ玩具屋か、木彫りの鳥や馬に少し不気味な人形・・・あの人形、あれ子供泣くだろ。


しかし凄いな、子供の玩具屋まで在るのか。


少なくとも俺の育った勇者の村にはそんな場所は無かった・・・玩具か、そう言えば昔セレスに造ってやった覚えがあるな。


なんだったっけ? ああ・・・勇者の剣だ、尤も実用性はゼロだけど。


調度良い大きさの木をナイフで削って造っただけの唯の玩具だ。


当時のセレスに合わせて造ったから今持つと勇者の短剣だな。


あの馬鹿、無くしてたら許さないぞ・・・かなり苦労して造ったんだからな、使い慣れない刃物で指をどれだけ切った事か。



何時までも玩具を眺めてても仕方ないか。


グレンは適当に進みながら周囲を見渡す、見覚えのある建物が目に映る。


とりあえず時計台を目指して歩くか。


・・

・・


その建物は円状の広場の中心に建てられていた。


広場には緑の芝生が敷き詰められている。俺たちが歩いて来た街道の周辺に生えていた野草と違うのは、綺麗に刈られていて長さがどれも均等で歩き易い。


其処まで多くはないが、俺と同じ様に時計台を見上げている人が何人か居る・・・観光か?


時計台は赤っぽい色で遠くからだと気付かなかったが、片手で持てそうな程の四角い石が独特の置き方で積み重なりデカイ時計台になっている。


石も積もれば何とやらって感じだろうか?



俺の故郷の祭壇は、大きい石を積み重ねて頂上に近づく程に狭くなっていく三角錐で、頂上だけ平らになっている。


時計台の入り口には兵士が2人、一般人は入るなって事だろうな。




・・・ん? 今気付いたんだけど、祭壇って言うくらいだから聖域だよな、何故俺入れるんだ?


まあ、あの村は謎が多いからな・・・気に成る・・・しかし祭壇に入れる理由を聞くと、魔人病だってばれるから聞くに聞けない。


今までは避けていたが魔人病に付いて、今度調べてみた方が良いかも知れない。


・・

・・


時計台に見惚れていたら時間が過ぎてしまった。


この塔の近くにレンガを斜めに横断する川が流れているってガンセキさんが言ってたな。


その川を見つける事が出来れば、川に沿って歩くだけで中央通りにたどり着ける筈だ。


グレンは時計台の周辺を歩き回り川を探す。


・・

・・


こりゃ驚いた本当に流れているよ。


グレンの立っている場所の数m下をモクザイから続く川が流れていた。


向こうの方に細い橋が架かっている、渡り切るには結構時間が掛かりそうだな。


まあ目指すは大通りだから、渡る積もり無いけど。



グレンは川に沿って歩きながら、静かに流れているそれを見詰めていた。


大雨が降って水嵩が上がったら危ないよな・・・そう言う時に水使いと土使いが活躍するのだろうか?


レンガに来て思ったけど、人が大勢住んでいるだけでも何か自然の匂いってのが無くなるんだな。


勇者の村は何処に居ても土臭くて木々の匂いがする、オババから聞いた大昔話だが魔物が現れる数千年前は虫って言う生物が騒いで煩かったらしい。


・・

・・


グレンは立ち止まり、大通りに架かる巨大な橋を眺めていた。


木で造られた大きな橋は数え切れない人数を乗せているにも関わらず、壊れる事も無くビクともしない。


長さは今まで横切ってきた細橋とたいして変わらないが横幅が広い。


グレンは恐る恐る一歩を踏み締める。


ギシギシと言う音も無く、そのまま歩き続ける。


本当に良くこんな橋を造ったもんだ・・・尊敬するよ、先人達を。



橋の中腹には年老いた爺さんが橋の上から棒を持って何かしている。


良く見ると物凄く細い糸が棒の先に付いている・・・どう言う技術であんな細い糸を造るんだ?


暫く興味深く眺めていると爺さんが棒を引き上げる。


・・・これは凄い、魚が取れたよ。


俺の知っている魚を取る方法は、木製の仕掛けを造ってその中に餌を入れる、魚は入る事は出来るが仕掛けから出る事が不可能な造りに成ってるから、それを数時間川に設置して引き上げると魚が仕掛けの中に入っている。


世の中には色んな方法があるんだな。


何時までもジロジロ見られたら爺さんも気分が悪いだろうから、そろそろ行こう。


・・

・・


果物を売っている外店、穀物を売っている外店、野菜や生肉・・・外店はそう言う単品を売っているんだと思っていた。


肉の焼ける香ばしい匂い、焼かれた肉の塊が吊るされている。


外店の店主は鉄板で野菜を炒め、吊るさっていた肉をナイフで切り落とすと炒めていた野菜と混ぜる。


美味そう、何よりも値段が手頃だ・・・何処かの食事所にでも入り昼飯を食べる積もりだったが、寄り道のしすぎて時間が予定よりも遅い。


これなら短時間で飯を食べられるだろう。


でも・・・座る場所がない、歩きながらこの人込みで食べるのか?


ぶつかったら大変だろ、その所為で金を寄越せとか脅されたら俺は立ち直れないぞ。



考えても仕方ないか、この始めて見る食べ物を買おう。


3人ほど並んでいたから最後尾に立つ。


・・

・・


目の前に店主が居る、先に金を払う。


店主は鉄板の上の炒め物を薄っぺらいパン見たいな物に挿むと、手際よく独特な形の木の皮? に入れる。


ああ・・こりゃ確かに持ち易い。


歩きながら食べるのは危険なので大通りの端に行き、建物の間に隠れて飯を食べる。


・・・味付けが濃い・・・美味いけど。


薄いパンは見た目からは想像も出来ない程歯応えがある、保存パンと比べれば天と地ほどの差があるけど。


グレンが食事をしていると、建物の隙間の奥から見覚えのある獣がグレンに近づいて来た。


なっ!! 何故こんな所に魔物がいるんだ!!


目の前の犬魔にグレンは食べ物を持ちながら身構える。


油玉も火の玉も無いが、1体なら恐れる必要はない。


だが犬魔は群れの魔物だ、何処かに仲間が隠れている可能性がある。


・・・仲間が居ないのか? こいつは群れから追い出されたのか。


レンガ軍は何をやっているんだ、魔物を日中の内に堂々と街内に入れるとは。



飛び掛った瞬間を狙うんだ。


・・

・・


犬魔はグレンに飛び掛る事も無く近づくと。


「バァウッ!!」


吠えた・・・ほえた? 犬魔はボスを呼ぶ時意外は鳴かないよな?


良く見ると毛色が白でも茶でもない、ましてや黒でも。


敵意は有るようだけど俺を殺す積もりは無いようだ。


狙っているのは俺じゃなくて、食べ物か?


まさかして・・・犬魔じゃなくて犬?


そう思って見ると、迫力と言うか獰猛さがないな・・・目が血走ってないし。


「お前の恐怖は俺には通用しない・・・やらねぇぞ、俺の飯だ」


「ガウ?」


聞こえなかったってか、いい度胸してるじゃないか。


「飯なら他を当たってくれ、なけなしの金で買ったんだ」


そう言うと諦めたのか肩を落とし、俺に背中を向ける。


悪いな・・・厳しい世の中だ、弱肉強食ってか?



その時だった、グレンが油断した一瞬に犬は向きを返し、グレンの右手目掛けて飛び掛って来た。


「しまっ!!」


犬如きの策に引っかかるとは、犬は一目散にその場から逃げ出す。


やられた・・・やはり都会は恐ろしい、犬まで策士とは・・・クソったれ。



既に犬は何処かに行ってしまった。


情けないな・・・俺は。


グレンは肩を落とし、とぼとぼと書庫に向けて歩き出す。


・・

・・


・・

・・


グレンは目の前の建物を見上げていた。


国立書庫・・・予想以上にデカイ。


グレーに統一された建物。


グレンの立っている道の先に書庫が存在している、その入り口には1本の旗が風に戦ぎ威風堂々としていた。


レンガ国立書庫には偉大なる我が国の紋章が刻まれている。


旗は紋章が描かれ国旗と成っていた。


我が国の紋章は・・・鎧。



死を与えるのが【剣】ならば、死を防ぐのは【盾】である、それなら絆は【鎧】で護ろう。



我等は如何なる時も共に歩み、死する時は共に死ぬ、生き抜く為に戦おう。



3国は本来の名を捨てる事により決断する。




我等は勇者の剣と成る・・・剣の国。


我等は勇者の盾と成る・・・盾の国。


我等は勇者の鎧と成る・・・鎧の国。




さあ行こう・・・勇者と共に魔王を倒すのだ。



戦場で戦う者達を全て含めてこう呼ぶ・・・【勇者同盟軍】



これを俺に教えてくれたのは両親だ。


・・

・・


グレンは国立書庫を真剣な眼差しで見詰めていた。


彼の足は・・・震えていた。





今から刻亀討伐に付いて、俺の推測を言う。


これはガンセキさんの言葉から、俺が推測した刻亀討伐だ。



・ガンセキさんは国がサポートすると言っていた。


魔獣王と戦うのは俺達だけではない、軍も直接ではないが今回の討伐に参加する事になっていると思う。



・刻亀の魔力に当てられた魔物は日中でも凶暴化し、進化すら促される。


時の王の存在する周辺の魔物は強力で狂暴な筈だ。


俺達は魔獣王戦に備えて魔力を温存する必要がある、刻亀の下に向かう間は魔物との戦闘は避けなくてはならない・・・軍がその間、俺達を護る筈だ。



俺たち4人が生き残ったとしても、兵士の誰かが死ぬ可能性がある。


魔獣王との戦いは今までの戦闘とは違うんだ。


俺が考える必要が有るのは刻亀を倒す為の作戦だけだ、全体の指揮を取るのは軍の人間だと思う。


だけど俺の策で刻亀を倒す事に失敗したら・・・レンガ軍も危険に晒される可能性が高い。


俺の考えた作戦の所為で知らない誰か、またはその誰かの大切な人に迷惑を掛ける事になる。



だから勇者御一行は、絶対に刻亀に勝利しなくてはいけない。


勝利すれば、小さな犠牲。


敗北すれば、多くの犠牲。


俺の考える策に、知らない誰かの命が掛かっている。


セレス・・・これがお前の決断した魔獣王討伐だ。


最後に、俺の推測は真実だ。


ガンセキさんは知っていた。刻亀討伐に沢山の人間を巻き込む必要があると。


俺が刻亀討伐を反対しているあいだ、あの人は無言だった。


そして俺に作戦を考えろと言った時の目を見た瞬間、推測は確信に変わった。


理由なんて簡単だ・・・あの人は旅の責任者だ、勇者を育てる為ならなんだってする。


今のセレスでは、戦場に向かっても生き残れないことを分かっているんだ。


他者を犠牲にしてでも勇者に死の恐怖を知って貰う為に・・・ガンセキさんは、セレスに真実を言わなかった。



彼は1度失っている・・・2度と失わない為なら鬼に成る。


・・

・・


俺は策を練る。


俺の策が失敗して誰かが死んだら・・・そう思うと体中が震える。


だけどセレス・・・俺は逃げない。


策を考えたのは俺なんだ、策士は自分が考えた策が失敗しようと絶対に逃げては成らない。


喩え自分の策が失敗して誰かが死んだとしても、全滅させない為の策を練る。


それが策士としての責任なんだ。



俺は魔獣王討伐に沢山の人間を巻き込む事を、セレスには言わなかった。


ガンセキさんの行いが間違っている、そう言い切る事が俺には出来ないんだ。


だってお前から強い心を奪ったのは・・・たぶん俺だから。



刻亀討伐に俺が反対したのはセレスの為じゃない。俺の考えた策で、沢山の人間に迷惑を掛けるのが嫌だっただけだ。


でも勇者の決断だから、護衛の使命として策を練る。


魔獣王討伐に反対したのは、責任を背負いたくなかったからだ。


だから絶対にお前の為じゃない。








3章:七話 おわり




話が変になってしまい、書き直しました。


一度投稿した中身を此処まで変える事に成るのは、自分の力不足による所存です。


本当に申し訳ありませんでした。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ