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炎拳士と突然変異  作者: 作者です
2章 黒く、誇り高き獣
12/209

一話 出発

村から出て、森の中を歩く・・・この森とも、オサラバか。


周りの木々を眺めながら、ゆっくりと歩く。


暫くして、出発の広場に到着する。


「どうやら・・・俺が一番乗りか」


グレンは辺りを見渡す。


周囲を木々に囲まれた、大昔の村人が造った人工の小さな広場。


その中央には、長い年月を雨風に晒された劣化の激しい勇者の像が在る。


この像の元になった人物は数千年前の人で、村の書物にも詳しくは記されていない。


そんな年月を壊れる事もなく、良く耐え抜いたな、この像は・・・何らかの特殊な技術でも施されているのだろうか?


この像には名前がある・・・名も無き勇者の像。



グレンは広場の中央に向かい、像の足下に荷物を置く。


さてと、皆が来るのを待つか。


立ってるのもダルイから、像を背凭れに座り込む。


・・

・・

・・


少しして、鞄を背負ったガンセキが現れる。


「ようグレン、お前が最初か」


ガンセキがグレンに歩み寄る。


グレンは頭を軽く下げ、挨拶をする。


「おはようございます・・・流石に冷えますね、この時期は」


「そうだな、朝は特に堪える」


ガンセキは両手を擦り、息を当てる。



グレンは火の玉を取り出し、火を灯す。


「どぞ、暖かいですよ」


「悪いな、しかし炎使いは寒い時に便利だな」


ガンセキは荷物を降ろして、火の玉に手を翳す。


グレンは笑いながら。


「婆さんに見つかったら魔力の無駄使いをするな、とか言って怒られますけどね」



火にあたりながら、グレンはガンセキに聞く。


「ところで、旅って何をするんですか?」


「詳しい事は、街に着いてから話そうと思っている・・・とりあえずの最終目的地は王都だ」


「分かりました、詳しい事はレンガに着いてからですね」


ガンセキは頷く。


王都に到着後からが、本当の戦いって事に成るのか。



グレンはガンセキの着ている地の服を眺め。


「何か、俺の服と少しデザインが違いますね?」


ガンセキは服を摘まんで。


「ん、これか? 俺の地の服は、破れてる所を縫い直して貰っただけの再利用品だからな」


良く見ると、確かに直した跡があるな。


「どうせなら新しく仕立てて貰えば良かったんじゃないっすか?」


ガンセキさんは、俺がそう言うと照れくさそうに笑いながら。


「何だかんだ言って、結構この服には想い入れが有ってな、服を直してくれるよう村の人に頼んだんだ」


照れくさそうに頭をかくガンセキを見ながら。


そうか、何も辛い思い出だけじゃなかったんだな・・・前回の旅は。






2人が火にあたっていると、鞄を肩に掛けたアクアが広場に到着した。


アクアは小走りで手を振りながら2人に駆け寄る。


「おはよう、ガンさん!!」


「よう、おはよう今日も元気そうで何よりだ」


「うん! ボクは何時だって元気一杯だよ」


晴れやかな笑顔をガンセキに向けるアクア。


アクアはグレンの方を向くと。


「グレン君、ボクの服どう似合ってる?」


グレンはアクアの全身を眺める。


「あ!! グレン君がボクの事をイヤラシイ目で眺めてるよ、犯罪だ!!」


グレンはニコヤカに笑顔を返しながら、アクアに語りかける。


「アクアさん、とても良く似合ってるぞ、馬子にも衣装とはこう言う事だな」


どうやらアクアは俺の返事が気に食わないようだ、とても怒ってる。


「グレン君はもっと女性に対するデリカシーを学ぶべきだよ!!」


グレンは驚きながら。


「アクアさんは女だったのか・・・すまん、マジで気付かなかった」


「グレン君は失礼だ!!」



ガンセキは宥めるように、アクアに話し掛ける。


「ところでアクア、その服はお姉さんが造ってくれたのか?」


アクアは笑顔を取り戻す。


「そうだよ、グレン君とボクの服はお姉ちゃんが仕立ててくれたんだ」


「そうだったな、お前の姉さんには感謝しないとな」


以上の話しから分かるように、アクアの水の服は俺とデザインが少し似ている、まあ女性物だから結構違うんだけど、青色が数ヶ所に入っている。


流石本職だけあって、俺には服のセンスが良く分からないけど、いい仕事をしていると思う、何より動き易いのが一番の利点だ。


ちなみに勇者の服は、妖怪が特殊な製法で仕立てている。


きっと妖液を生地に混ぜ込みながら、妖力を服に練り込ませているんだ。




グレンは寒いので、火の玉に手を向けて温まる。


アクアはそれを見て。


「グレン君はお爺ちゃん見たいだね、若いんだから寒いのくらい我慢しないと、立派な大人に成れないよ」


「偉そうに、そう言うお前こそ火の玉から手を退けやがれ」


「駄目だよ、そんな事したらボクが寒いじゃないか」


「アクアさんよ、随分と横暴だな」


「違うよ、ボクはグレン君の為を想って」



もういいや、こいつの相手をするのは疲れる。


グレンはダルそうに像に凭れかかる。


「グレン君、勇者さまに寄り掛かったら罰が当たるよ」


「アクアさん、この像の台座は元から寄り掛かる為に造られているんだ」


「嘘だ!! 勇者さま嫌そうな顔してるもん」


「良く見てみろ、この台座の傾斜が俺の背中にフィットしてるだろ」



ガンセキが2人に話し掛ける。


「2人とも、この像の言い伝えは知っているか?」


「不明じゃないんすか?」


アクアも頷く。


「そうだよ、勇者の村の資料にも殆ど記されてないって、お婆ちゃんが言ってたよ」


アクアの言うお婆ちゃんとは、妖怪の事だ。


「1つの説さ、以前の旅で勇者の村について調べている人物に偶然会ってな、その人から聞いた話だ」


「それは面白そうですね、聞かせてください」


「うん、ボクもそう言う話し大好きだよ」



ガンセキは語り始める。


「まず、勇者の村が此処の以外に2ヶ所在る事は知っているな?」


「はい・・・3大国に一ヶ所ずつ存在していると」


「ここ以外の村にも、出発の広場が在り、像もあるらしい」


へえ、そうなんだ。


「だが、広場の中央に在る像だけは、見てくれが違う」


「他の村は此処から離れてる訳だし、少しくらい見てくれは変わると思いますよ、像を造った人も別人でしょうし」


ガンセキは首を振るう。


「どうも話によると別の村に存在する2体は、女性の像だと言っていた」


・・・つまり、あれか?


「ボク分かったよ! 名も無き勇者さまは、全部で3人居るんだよ!」


貴様よくも!! 俺の言おうとした事を・・・悔しい。


だがガンセキは・・・。


「それも1つの説だ、だが俺が旅の道中で出会った人は、どうもこの像について調べている学者らしくてな・・・その人の考えた説はアクアとは違うんだ」


「え~違うの・・・」


アクアがしょぼくれる。


「アクアさんよ、歴史なんて誰にも分からないんだよ、ガンセキさんも言っただろ、説だって」


ガンセキは頷きながら。


「そうだ、歴史は実際に目にした訳じゃないから、言い伝えや、その時代の書物から判断するしかない、だけどその書物を書いた人間が嘘を書いていたら、それが後の世界に伝わる事になる」


実際にこの世界の歴史だって、まったく違う内容の同じ時代の書物が発見されている。


歴史学者はそれでも、色んな線から歴史の確証を探し出して、真実を導き出すんだ。



だけど、それでも大昔の歴史なんで、確かな事は分からないんだ・・・そこが多くの人間を引きつける、歴史の面白い所であると俺は思う・・・言わば歴史ロマンだ。



「話が少しそれちゃいましたね、ガンセキさん続きどうぞ」


「・・・何処まで話したっけな?」


「ガンさんが出会った、学者さんのせつだよ」


「ああ・・そうだったな」


ガンセキは再び話し始める。


「どうも学者の考えた説は・・・」


ガンセキが像を見上げる。


「この像は勇者ではない、これが彼の考えた説だ」


・・・?


「すんません、俺には良く意味が分からないんですが」


アクアもどうやら俺と同じようで。


「それじゃあ、勇者さまの像は何処に行っちゃったの?」


ガンセキは2人の言葉を聞いて。


「詰まりだ、この勇者では無い像は何者か・・・って事になるな」


2人は頷く。



「この世界の勇者の村は、3ヶ所・・・像は3体ある」


お・・・俺分かったかも知れない。


「・・・もしかして、何ですけど・・・この像は勇者の護衛だった3人」


「そうだ、そしてこの像の元になった人物達が、勇者の村を創った3人なのではないか・・・それが学者の考えた説だ」


確かに・・・そう考えると勇者の旅は4人で、と言う決まりの理由が見えてくるな。



アクアは寂しそうに像を見ながら。


「でも・・・そうなると、この人達は・・・自分達の勇者を護れなかったんだね」


「そうさな・・・だからよ、この人達は後の世にその使命を託した・・・その為に別々の3ヶ所に別れて、勇者の村を創ったんじゃないのか」



ガンセキが追加で像の説明をする。


「ちなみに此処以外に在る2体の像には、ちゃんと名前が伝わっているらしい」


アクアは目の前の像を見ながら。


「なんで・・・この人には名前が無いの」


グレンは、そんな事を言うアクアに。


「さあな・・・歴史の闇に埋もれちまったのか・・・・」


・・・それとも本人がそれを、望まなかったのか。



「この象は他の2体にくらべると、特に劣化が酷く・・・雨風を避ける屋根も無く、数千年ここから旅立つ者達を、見送ってきた」


「なんか・・・この人、可哀想だよ」


俺には何故か分からんけど、この人は・・・名前を残す事を、自ら望まなかった・・・そんな気がする。


グレンは像を見上げ、既に劣化が酷くて表情が見えなくなった、その顔を見詰める。


・・

・・


・・

・・


暫く時間が過ぎる。


「それにしても、あいつ遅いっすね」


「・・・そうだな、特にこれと言った時間の決まりは無いが、遅いな」


あの馬鹿、いったい何考えてるんだか。


「セレスちゃん寝坊かな?」


「婆さんが居るんだし、そりゃ無いだろ」


妖怪は早起きだからな、セレスは何時も頑張って早起きしている、とか言って威張っているけど、実際は婆さんに起こして貰っているだけだから、あいつは何も偉くなんてない。



3人で雑談していると、遂にセレスが現れる。


広場に到着して、謝ると思いきや俺の方に歩み寄り。


「グレンちゃん酷い!! 私を置いて先に行っちゃうなんて!!」


・・・は?


「何言ってんだ、お前?」


「私、グレンちゃんと一緒に行こうと思って、グ~ちゃんのお家まで行ったのに!!」


そうか・・・頭が悪いんだな。


「儀式の決まりで、広場に到着するまでは家族以外に会う事は禁止されてるだろ」


「グレンちゃんは私の家族だもん!!」


また訳分からん事を言い出したぞ、この馬鹿。


「初耳だぞ、何時そんな事になったんだ?」


アクアが茶化す。


「え!! 2人とも結婚してたの!! ボクとてもビックリだよ」


「知るか!! セレスの妄想だろ!!」


グレンの言葉にセレスが怒りを強める。


「う~ グレンちゃんの馬鹿、妄想じゃないもん!!」


馬鹿はお前だよ。


「妄想じゃないなら説明して見せろ馬鹿」


「また馬鹿って言った!!」


「良いから説明しろ」


セレスは荒い口調で、説明を始める。


「昔はオババと3人で暮らしてたもん!!」


・・・何年前の話しだよ。


「そりゃあ俺が婆さんに世話に成っていただけだよ、仕事始めてからは少しずつだが妖怪に金は返していたぞ」


「それでも一緒に暮らしてたもん・・・家族だもん」



アクアがグレンの服を引っ張り、小声で話し掛ける。


「多分、セレスちゃんはグレン君が先に行っちゃった事を怒ってるんじゃなくて、家族として自分を見てなかった事に怒ってるんだよ」


「・・・何故だ?」


アクアは呆れる。


「グレン君はもう少しセレスちゃんの気持ち、考えなきゃ駄目だよ」


俺に女心なんて分かる訳が無い、自分の事だけで精一杯だ。


「はいはい分かりましたよ、家族ですね、家族で良いですよ」


だがグレンの言葉にセレスは納得しない。


「もう怒った!! グレンちゃんが謝るまで、私ここから一歩も動かないもん!!」


「勝手にしろ、俺は折れないからな」


お前が俺にどんな幻想を抱いてるのか知らないけどよ、俺は何時でもお前を助けてやれるスーパーマンじゃないんだ、確かにお前の傍に居た同年代は俺だけだった。


だけどよ・・・もし俺が発病しなかったら、他の連中と同じようにお前を崇めてたんだ・・・多分な。



ガンセキはグレンに。


「グレン、すまんがお前が折れてやれ、このままだと何時になっても出発できないぞ」


俺は何か間違った事をしたのか? 納得できない、何で俺が誤らなきゃいけないんだ・・・。




グレンは溜息を一つ、セレスに歩み寄り。


「悪かったな・・・これくらいで勘弁してくれ」


セレスは機嫌が直ったのか、笑顔が戻る。


「・・・私も・・・ごめんね」


「ああ・・お相子だ」




ガンセキは手を叩く。


「それじゃあ、渡す物が有るから集まれ」


「何すか渡す物って?」


ガンセキは3人に地味な色の外套マントを手渡す。



これは有り難い、正直言うと火の服だけだと少し寒かったんだよな。


「ありがとうございます」


「ガンさん、どうせならもっと速く渡してくれれば良いじゃないか」


「すまんすまん、折角だから皆が揃ってから渡そうと思ったんだ」


セレスが申し訳なさそうに。


「ごめんね~ 遅くなっちゃって」


「なんだ、お前悪いと言う自覚が有ったのか・・・以外だ、セレスらしくない」


「ぶ~ 私だって遅くなって悪いと思ってるもん」



「それよりガンセキさん、この外套は誰が仕立ててくれたんすか?」


「ああ、食事所のおばさんが用意してくれたんだ」


おお、オバハンか・・・


「帰ったら、お礼言わなきゃ駄目ですね」


ガンセキは笑いながら。


「そうだな、その為に・・・誰一人掛ける事なく、魔王を討ち取ろう」


3人は頷く。


「ちなみに、今日の昼飯はおばさんの特性だぞ」


「本当に! ボク楽しみだよ!!」


「にへへ~ 私も~」


グレンはそんな2人を見て。


「まるでピクニックだな」


「それを言うなら、俺は先生なのか・・・最年長だし」


苦笑いするガンセキに。


「ガン先生!! 速く行こうよ、お昼ご飯が待ってるよ!!」


「待ってくれ、行く前に寄って行きたい場所が在るんだ」


ガンセキが、アクアの歩き出した方とは、別の方向を指差す。


「少し遠回りになるが、良いか?」


「私は先生について行きま~す」


「あ、まってよボクも着いてく」


ピクニックだな・・・。


「ほらグレン君、置いてっちゃうよ」


「ああ、行きますよ・・・」


グレンは振り返り、像を見詰める。


・・・待っててくれ、俺達で最後にして見せるからよ・・・。



オババは勇者の儀式、その禁則を一つだけ破ると言っていた。


勇者が死ぬか、俺達が行方不明になってなくとも、必ず5年に一度儀式を行う。


オババは・・・俺達が生きている限り・・・絶対に新たな勇者を誕生させない、そう言っていた。




セレスを必ず魔王へと導いて見せる・・・それが俺の使命だ。





3人はガンセキの後ろをついて歩く。


平坦だった森の道が坂になっていく。


「ガン先生、何処に行くの?」


「アクア、先生は止めてくれ・・・今から行く場所はな、旅立つ時に必ず其処を通ってから出発するんだ」


「にへへ~ 楽しみだな~ グレンちゃんもどんな場所か楽しみでしょ?」


前を歩いていたセレスが、突然振り返り、後ろ歩きをする。


「そんな歩き方をしてたら転ばせるぞ」


「ねえねえ、グレンちゃんそれより似合う、可愛いでしょ?」


俺の話を全く聞いてないセレスが外套を広げて、いかにも勇者っぽい服を俺に見せる。


「ああ、見事に服に着られてるな、中身にマッチしてないぞ」


どうやら俺の感想に、不満が有るようだ。


「ぶ~ グレンちゃん何時もより口が悪いよ、怒ってるの?」


「知るか、俺は正直な感想を述べたまでだ」


「にへへ~ グレンちゃん照れちゃって、可愛いな~もう」


面倒だな、こいつとの会話は。


「セレス足下に石が在るぞ」


セレスはグレンの言葉を聞き、足下を見る。


その隙にセレスを追い越す。


「あれ、グレンちゃわわわ!!」


転んだ・・・流石セレスだ、俺の期待を裏切らない。


「グレンちゃ~ん、痛いよ~」


グレンはガンセキに歩み寄り。


「さ、ガンセキさん行きましょう」


「いいのか? ほっといて」


「大丈夫ですよ、殺そうとしても死なない奴なんで」


グレンはそのまま歩き続ける。


「グ~ちゃん酷い!!」


アクアがセレスに近づき、手を差し伸べる。


「セレスちゃん、大丈夫?」


「う~ アクア優しいよ~ 誰かさんとは大違いだよ~」


2人は手を繋いだまま、仲良く歩き始める。




「グレン・・・さっきは悪かったな」


「何の事っすか?」


さっきセレスに謝った事だろう。


「だが、セレスの気持ちも分かってやれ・・・彼女にとって、家族はお前とオババの2人だけなんだ」


「・・・分かってますよ」


俺には・・・家族を持つ資格なんて・・・ないんだ。


グレンの脳裏には、口の悪い男性と・・・怒ると怖いが、普段は優しかった女性が浮かんでいた。


・・

・・


暫く歩くと、ガンセキが立ち止まり、遠くを指差す。


4人の立っている場所は崖の上で、ガンセキの指差した方向には、小さいが勇者の村が一望できた。


全員無言で、村を見詰める。



ガンセキが突然叫ぶ。


「必ず戻ってくるからなーー」


他の3人も、それをまねして叫ぶ。


「ようかーい、戻ってくるまで死ぬなよーー」


「みんなーー 待っててねーー わたしがんばるからーー」


「ボクは不死身だーーー」


アクアは意味不明だが、全員が腹の底から叫び続ける。


この場所からでは、絶対に声なんて届かないのに。




一通り叫び終わると、ガンセキが。


「よし、逃げるぞ!! 魔物が俺達の声に反応して、集まって来るかも知れないからな」


ガンセキが突然走り出す。


「ガンさん、そう言う事は先に言ってよ!!」


アクアも走り出す。


「それじゃあ、イザ出発って事で!!」


グレンも走り出す。


「あ、皆待ってよ」


セレスは転ぶ。


「う~ グレンちゃ~ん!!」


まったく・・・こいつは、良い所で。


グレンはセレスに歩み寄る。


「ほらよ」


「にへへ~ ありがと~」


2人は手を繋いで走り出す・・・。





今、4人の旅は始まった。



2章:一話 おわり








お久しぶりです、どうも刀好きです。


2章が終るまでは、一日一話で投稿いたしますので、どうか宜しくです。


2章は全八話で、途中で前編と後編が1つありますので・・・九話? て感じです。


それでは今後ともどうか宜しくです。

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