表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

置いて行かないでよ

掲載日:2026/04/07

悪夢にうなされてしまう主人公のお話です…


 最近、私は奇妙な夢にうなされていた。


夢に出てくる場所には見覚えがない。けれど、どこか保育施設を彷彿とさせるような、子供のおもちゃや小さな遊具が所狭しと置かれていた。


ただ、一番私が気になっているのは、おもちゃのどれでもない。


天井である。


何かが吊り下がっているように見えるのだが、私には無数の紐と、うっすらとした影しか見えなかった。


よく見ようとすると、いつもそこで目が覚める。


これが数回続くだけならまだよかった。だが今では、毎日だ。


他の人に相談したところで信じてもらえるはずもないし、お祓いに行って解決するかどうかも分からない。結局、私は毎晩その夢を見続けるしかなかった。


目を覚ますと、フワフワした可愛いぬいぐるみのコレクションが、心配そうにこちらを見つめている。


「心配かけさせてごめんね。」


小さな頃から大好きだった可愛い人形たちは、私の宝物だ。


私はぬいぐるみの頭をそっと撫でた。


その日の晩も、私は夢を見る。


(またこの場所か……)


ため息をつきながら歩き出す。


出口を探すのは、とっくに諦めていた。ここはどう考えても広すぎるし、やっと出口にたどり着けたと思っても、同じような景色が続いているだけだと、何度も夢を見るうちに分かってしまったからだ。


(なんで私がこんな目に遭うの……?)


床には、ままごとセットやゴムボール、ソフトブロックなどが無造作に並んでいる。


懐かしいとは思うけれど、とても遊ぶ気にはなれない。


これまで、いろいろなことを試してきた。

おもちゃをいじってみたり、床に寝そべってみたり。


何をしても、現状は変わらない。


目を覚まし、その日眠ると、またこの夢を見る。


(何をすれば抜け出せるんだろう……)


そのとき、天井から音がした。


サワサワサワ……


見上げると、紐がゆらゆらと揺れている。


こんなことは、この夢を見るようになってから初めてだった。


思わず見入っていると、紐の先端にある「何か」の影が、少しずつ薄くなっていく。


ぼんやりとしていた輪郭がはっきりと見えた、その瞬間――私は凍りついた。


吊り下がっていたのは、すべて私が小さい頃に愛用していた、ぬいぐるみや人形たちだったのだ。


もう使わないからと、お気に入りのいくつかを残して、実家に置いてきたはずのものたち。


取り残された人形たちが、首を吊るようにぶらぶらと揺れながら、私を見ている。


「ねぇ…覚えてる?」


ひとつの人形が、そう呟いた。


「なんで、置いていったの?」


なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?


人形たちが一斉にこちらを見つめ、口々に叫び出す。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


私は全力で走り出した。


両耳を塞いでも、その声は頭の中にこだまする。


なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?


目が覚めた。


ドクンドクンと心臓が鳴る。眠っていたはずなのに、まるでフルマラソンを走ったあとのような疲労感があった。


シーツは汗でぐっしょりと濡れている。


(洗わなきゃ……)


安堵しながら、毛布をめくる。


その瞬間、息が止まった。


足元には、大量の人形がびっしりと並んでいた。


最後まで読んでくださりありがとうございます!

リミナルスペースと、悪夢、人形という可愛さを組み合わせたホラー作品を作成出来たかなと思いますφ(..)

気に入ってくださった方は、是非他の作品も読んでくださると嬉しいです!

拡散などもよろしくお願いしますm(_ _)m

沢山の人に広めていただけると、踊り狂って喜びます

(*゜∀゜)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ