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第16話 帰省、そして元日の約束

 執筆にあたり生成AIを使用しています。

 1. 12月26日・実家へ


 電車に揺られること約3時間。

 その日の午後、僕は実家に到着した。


「ただいま」


 玄関を開けると、元気な声が迎えてくれた。


「おかえり、お兄ちゃん!」


 迎えたのは妹・陽菜(ひな)。12歳。

 来年の4月からは中学生になる。


 両親は職場にいて不在だったが、陽菜は女子の友人2人と遊んでいた。


「おじゃましてまーす!」


 妹の友達も、にこやかに僕に挨拶をしてくる。

 僕は軽く会釈を返しながら、2階の自室へ向かった。


 2. 家族の中で、僕だけが——


 陽菜は定型発達で、僕とは違い社交的だ。

 クラスの中心的存在で、友達も多い。


 父も母も、定型発達。


 僕がASD(自閉スペクトラム症)だとわかってから、両親も妹も、僕への接し方に気を遣ってくれている。

 例えば——


 - 具体的な言葉を選ぶ

 - 言動に一貫性を持たせる

 - 僕の気持ちを否定せず、受け入れる

 - スケジュールや手順を視覚的に伝える


 診断を受けた直後——

 あの時、失恋で深く傷ついていた僕は、こんなことを言ってしまった。


「こんな子でごめん。僕は、生まれなかったほうがよかったんだね」


 普通の親なら、「バカなことを言うな」と否定するかもしれない。

 でも、僕の両親は——


「つらかったんだね」


 そう言ってくれた。


 その言葉は、救いだった。


 ……とはいえ、家族の中で僕だけが発達障害当事者であることに変わりはない。

 今でも、僕と家族との間に見えない壁があるような気がする。


 特に、妹のこの一言を聞いたときは、胸が痛んだ。


「お兄ちゃん、障害者なの?」


 もちろん、悪気はなかった。

 けれど、心をナイフで刺されたような気分だった。


 陽菜は、すぐに両親に注意され、僕に謝ってきたが——


 3. 日常と、静かな時間


 本棚から英語の学習書を一冊取り出し、机で音読する。

 アパートとは違い、隣の部屋を気にせず大声を出せるのは嬉しい。


 陽菜の友達が帰り、やがて両親も帰宅。


 夕食の時間。


「和樹、変わったことはないか?」


 父・正和(まさかず)が尋ねる。


「特にないよ」


 母・菜穂子(なおこ)が続けた。


「この前、教室で吐いたと聞いて心配したわ」


「もう治ったから。今は普通に登校してる」


「お兄ちゃん、高校は楽しい?」


 陽菜が興味津々な顔で尋ねる。


「まあまあ」


 ——玲奈のことは、言わなかった。

 詮索されてはたまらない。


 4. そして、大晦日——


 僕は静かに年末を過ごした。


 - 英語の勉強

 - 読書

 - 音楽鑑賞

 - スマホ


 基本的に、一日の大部分を自室で過ごす。


 特に大きな出来事もなく、時間は流れた。


 ……そう、あのメッセージが来るまでは。


 5. 玲奈からのメッセージ


 12月31日・午前中


 スマホに通知が届く。


 ——玲奈からのメッセージ。


 英語クラブの連絡はLINEでやりとりするが、僕との個人的なやりとりは別のアプリを使う。


 玲奈曰く——


「セキュリティには気をつけてるの。誤爆するのも嫌だし」


 開いてみると、短いメッセージがあった。


 玲奈:「いま実家?」


 和樹:「そうだよ」


 数秒後、すぐに返信が来た。


 玲奈:「明日、そっち行くからよろしく」


 なにぃ〜?!


 思わず、スマホを握りしめる。


 玲奈:「一緒に初詣しよ。近くに大きな神社あるよね」


 おいおい、待てよ……


 和樹:「ウチに来るの?」


 玲奈からの返信は——


「もちろんです」


 その言葉に添えられていたのは、ドヤ顔のスタンプだった。


(……こいつ、本気か)


 しばらく考え、こう返す。


 和樹:「神社で待ち合わせしない?」


 すると——


 玲奈:「おうちに直行したいんだけど」


 ……初詣を口実に、親と顔合わせするつもりか。


 それにしても、行動力がすごすぎる。


 僕が迷っているうちに、玲奈からさらに追撃のメッセージ。


 玲奈:「ダメ?」


(……このまま抵抗しても無駄だな)


 和樹:「わかった」


 しぶしぶ承諾する。


 玲奈が来る。

 僕の家に。

 両親と顔を合わせる。


 ……大変な元日になりそうだ。

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