表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

第13話 クリスマスと僕の選択

 執筆にあたり生成AIを使用しています。

 英語クラブが発足して、ひと月が経った。

 驚くほど順調な運営。これも、玲奈の手腕によるところが大きい。


 彼女の行動力には、いつも驚かされる。

 勧誘からスケジュール管理、顧問との調整まで、すべて見事にこなしている。

 僕は副部長とはいえ、ほぼサポートに徹しているだけだった。


(……これでいいのか?)


 そんなことをぼんやりと考えながら、窓の外を見る。


 12月初旬。

 僕が住む街でも、今年初めての雪が降った。


 街のあちこちにはクリスマスのデコレーション。

 夜になるとイルミネーションが輝き、動画サイトやテレビからはお決まりのクリスマスソングが流れてくる。


 松任谷由実「恋人がサンタクロース」。

 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」。


 どれも、幸せな二人を歌う曲。

 いつもなら、「自分には無縁だ」と思いながら聞き流すところだった。


 ——玲奈に告白されるまでは。


 中学時代のあの出来事。


 ……まったく、思い出すだけで吐き気がする。


 あれ以来、僕は女性に対して心を閉ざしてきた。

 誰とも深く関わろうとしなかった。


 いわば、「天岩戸」に閉じこもったのだ。


 ……もっとも、僕は太陽神などではなく、宇宙の塵のような存在だが。


 その扉をこじ開け、僕を外に引っ張り出したのが——


 玲奈だった。


 彼女はまっすぐに僕を好きだと言い、何があっても諦めなかった。

 そして、気づけば——


 僕は、彼女と交際するようになった。


 この選択が正しかったのかどうか、まだわからない。

 僕の中には、まだ迷いがある。


 それでも——


 少なくとも、彼女を悲しませることだけはしたくない。


 今は、そう思う。


 さて、もうすぐクリスマスだ。

 玲奈にプレゼントを贈りたい。


 しかし——


 何を贈ればいい?


 ASDが原因だと思うが、僕は他者への関心が薄い。

 人が何を欲しがるのか、どうすれば喜ぶのか、そういうことを考えるのが苦手だ。


 ましてや、異性へのプレゼントなど、わかるはずがない。


(……誰かに相談するか?)


 いや、玲奈に直接聞くのは気が引ける。

 蓮あたりに相談すれば、「指輪とかどう?」とか、冗談半分に言われるのがオチだろう。


 美咲やエミリーなら、真剣に考えてくれるかもしれないが……

 それはそれで、余計な詮索をされそうで面倒だ。


 そこで、僕はスマホを開いた。


 困った時の神頼みならぬ、生成AI頼み。


 検索窓に、こう入力する。


「当方、高校2年の男子。仲の良い女子(といっても相手が一方的に好いてくれているのだが)へのプレゼントは何がいいか」


 数秒後、AIが答えを返してきた。


「おすすめは、アクセサリー(高価すぎないもの)、手袋やマフラー、文房具、コスメ(リップやハンドクリーム)などです」


 なるほど。

 これなら、僕の小遣いでも買える。


(AIの導きに賭けてみるか……)


 そう決めた僕は、クリスマスの準備を始めることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ