第13話 クリスマスと僕の選択
執筆にあたり生成AIを使用しています。
英語クラブが発足して、ひと月が経った。
驚くほど順調な運営。これも、玲奈の手腕によるところが大きい。
彼女の行動力には、いつも驚かされる。
勧誘からスケジュール管理、顧問との調整まで、すべて見事にこなしている。
僕は副部長とはいえ、ほぼサポートに徹しているだけだった。
(……これでいいのか?)
そんなことをぼんやりと考えながら、窓の外を見る。
12月初旬。
僕が住む街でも、今年初めての雪が降った。
街のあちこちにはクリスマスのデコレーション。
夜になるとイルミネーションが輝き、動画サイトやテレビからはお決まりのクリスマスソングが流れてくる。
松任谷由実「恋人がサンタクロース」。
マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」。
どれも、幸せな二人を歌う曲。
いつもなら、「自分には無縁だ」と思いながら聞き流すところだった。
——玲奈に告白されるまでは。
中学時代のあの出来事。
……まったく、思い出すだけで吐き気がする。
あれ以来、僕は女性に対して心を閉ざしてきた。
誰とも深く関わろうとしなかった。
いわば、「天岩戸」に閉じこもったのだ。
……もっとも、僕は太陽神などではなく、宇宙の塵のような存在だが。
その扉をこじ開け、僕を外に引っ張り出したのが——
玲奈だった。
彼女はまっすぐに僕を好きだと言い、何があっても諦めなかった。
そして、気づけば——
僕は、彼女と交際するようになった。
この選択が正しかったのかどうか、まだわからない。
僕の中には、まだ迷いがある。
それでも——
少なくとも、彼女を悲しませることだけはしたくない。
今は、そう思う。
さて、もうすぐクリスマスだ。
玲奈にプレゼントを贈りたい。
しかし——
何を贈ればいい?
ASDが原因だと思うが、僕は他者への関心が薄い。
人が何を欲しがるのか、どうすれば喜ぶのか、そういうことを考えるのが苦手だ。
ましてや、異性へのプレゼントなど、わかるはずがない。
(……誰かに相談するか?)
いや、玲奈に直接聞くのは気が引ける。
蓮あたりに相談すれば、「指輪とかどう?」とか、冗談半分に言われるのがオチだろう。
美咲やエミリーなら、真剣に考えてくれるかもしれないが……
それはそれで、余計な詮索をされそうで面倒だ。
そこで、僕はスマホを開いた。
困った時の神頼みならぬ、生成AI頼み。
検索窓に、こう入力する。
「当方、高校2年の男子。仲の良い女子(といっても相手が一方的に好いてくれているのだが)へのプレゼントは何がいいか」
数秒後、AIが答えを返してきた。
「おすすめは、アクセサリー(高価すぎないもの)、手袋やマフラー、文房具、コスメ(リップやハンドクリーム)などです」
なるほど。
これなら、僕の小遣いでも買える。
(AIの導きに賭けてみるか……)
そう決めた僕は、クリスマスの準備を始めることにした。