第12話 英語クラブ、始動
執筆にあたり生成AIを使用しています。
(放課後・英語クラブ部室)
ついに、英語クラブの初日を迎えた。
部室には、僕と玲奈、そして新しく入部した佐藤蓮、高橋隼人、深澤美咲、エミリー・片桐の4人。
そして顧問の橘祐一先生も同席している。
テーブルを囲んで座り、まずは自己紹介をすることになった。
初回ということで、日本語での自己紹介から始める。
「それじゃあ、まずは副部長から!」
玲奈が当然のように僕に振る。
視線が集まり、嫌な汗が滲む。
……仕方ない。
僕は椅子から立ち上がり、深呼吸してから口を開いた。
「えっと……友川和樹です」
予想通り、緊張で声がやや硬くなる。
「正直言って、自分は副部長を務めるには力不足だと思います。皆さんには、どうか助けてほしい……迷惑でなければ」
最後の方は、つい声が小さくなる。
でも、その瞬間——
「いや、めっちゃ英語できるでしょ!」
蓮が即ツッコミを入れた。
「そうそう!」と美咲も同意する。
「授業中、内職してるくせに英語のテストは満点じゃん」
「……よく知ってるな」
「そりゃ有名だよ! 先生も”友川は英語なら問題ない”って言ってたし」
まさか、そんな風に見られていたとは。
ちょっと驚く。
「まあまあ、副部長が謙虚なのはいいことよね」
玲奈がまとめるように言う。
そして、他の部員も順番に自己紹介をしていった。
「私は白石玲奈。2年生で、この英語クラブの部長よ!」
「英語は好きだけど、完璧に話せるわけじゃないの。でもね、好きなら伸びる! そう信じてるの」
「私がこのクラブを作ったのは、みんなが英語を楽しめる場所を作りたかったから」
「だから、みんなで楽しく学びましょう!」
自信満々な笑顔。
玲奈らしい、前向きな自己紹介だった。
そして、次々に部員たちが自己紹介をしていく。
●佐藤 蓮(2年・男子)
「俺は佐藤蓮! 2年! ゲーム好き!」
「海外の人とボイチャでゲームしてるうちに、気づいたら英語喋れるようになってた!」
「でも、文法とかはサッパリだから、英語クラブでその辺補強したいっす!」
●高橋 隼人(1年・男子)
「あ……えっと、高橋隼人です、1年です」
「ギター弾きます。洋楽が好きで、それで英語にも興味が出ました」
「発音とか下手ですけど、頑張ります……!」
●深澤 美咲(1年・女子)
「私は深澤美咲、1年生!」
「アニメ好き! 英語版の字幕でアニメを観てたら、気づいたら興味が湧いちゃって!」
「でも話すのは苦手だから、ここで少しずつ慣れたらいいなーって思ってる!」
●エミリー・片桐(2年・女子)
「私はエミリー・片桐。2年生」
「父がフランス人で母が日本人だから、フランス語は話せるけど、英語はちょっと……」
「発音に自信がないから、それを克服したくて入部しました」
部員それぞれが、思い思いに自己紹介を終えた。
それぞれの英語との関わり方が違っていて、面白い。
●橘 祐一(英語クラブ顧問)
「よし、みんな自己紹介お疲れ!」
顧問の橘先生が、椅子の背もたれに腕をかけながらニッと笑った。
「みんな英語を学ぶ理由が違ってていいな! やっぱり言葉ってのは、使いたい場面があってこそ伸びるものだからな」
「英語の発音が苦手? 単語がわからない? 文法が不安? そんなの気にするな!」
先生はぐっと親指を立てる。
「大事なのは、伝えようとする気持ちだ!」
「……また始まった」
玲奈が小声で笑う。どうやら先生の”お決まりのセリフ”らしい。
「いいか、お前たち! 英語ができると世界が広がるぞ!」
「ただし、“できる”ってのは完璧な英語を話すことじゃない!」
「たとえ直訳でも、たとえカタコトでも、心を込めて伝えれば伝わる!」
「直訳でも気持ちを込めれば伝わるぞ!」
先生の決め台詞が炸裂し、部員たちは思わず笑う。
「だからお前ら、間違いを恐れるな! どんどん話せ! いいか、英語は——」
「勢い!」
蓮が茶々を入れる。
「そう!勢いだ!」
先生は満足そうに笑い、机をドンと叩いた。
「いいか、今日からお前たちは、英語を通じてもっと世界を広げる仲間だ! よろしくな!」
(初日の活動)
その後、アイスブレイキングとして「ワンワード・ストーリー」を実施。
順番に一単語ずつ英語で言って、即興で物語を作るゲームだ。
最初はぎこちなかったが、次第に笑いが増え、エミリーが「私、即興苦手〜!」と照れ笑いしながら続けたり、隼人が妙な展開に持っていこうとしたり、蓮がスラングを混ぜて和樹にツッコまれたり。
いつの間にか、部室の雰囲気は明るくなっていた。
(帰り道)
クラブ活動を終え、玲奈と並んで帰る。
「和樹、もっと自信持っていいのよ」
玲奈がふと口にした。
「……そう?」
僕は、まだ実感がわかない。
でも、今日の活動は、思ったより悪くなかったかもしれない。
そんなことを考えながら、帰路についた。