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第九話

〜トワ視点〜


トワが当たったのは司令タイプの魔物だ。司令タイプとは、低、中級の魔物を生み出し指示を出す魔物である。また、戦闘特化ではないものの自身の魔力量は多いため迂闊に戦闘を行えない相手となっている。


(…けど、トワにとったら変わんないけどね。)


トワは現在自身の羽を使い空中に浮かび上がっている。トワを見つけた司令タイプは、自身の周りに魔物を生み出し、戦闘態勢に入った。


「まずはその周りのやつらを片づけますかね!」


『降り注ぎし暗黒』


トワは片手を上に上げ魔力を放出した。放出した魔力は手の先にたまっていきバレーボールくらいの大きさの魔力球となった。そしてその魔力球からは、純正魔力でできたビームが敵全員に向かって放たれた。


ズドォォン!


敵は回避することもできずに直撃を食らった。純正魔力でできたビームなどに当たった低、中級の魔物は、無慈悲にも消滅してしまう。


「多対戦はこれに限るね。さあ、あとはあいつだけだ!」


直撃は食らったが何とか生き延びた司令タイプは、一般人が見ても瀕死レベルにまで弱っていた。


グォォォォオ!


最後の足掻きだろうか。空へ向けて咆哮をし自身の全魔力を込めたビームを放とうとしている。


「まともに食らったら痛いんだろうなぁ。でも、食らうつもりはないけどね!」


トワは片手で銃のような形を作り司令タイプへ向けた。指先には圧縮された純正魔力が込められている。


「せめて一瞬で終わらせてあげる。」


『光断つ黒き闇』


指先から圧縮された純正魔力が高速で放たれる。それと同時に司令タイプのビームも放たれた。圧縮された純正魔力は、ビームに衝突するとビームを貫通しスピードも落とさずと飛んでいき司令タイプを貫いた。貫いた直後、司令タイプは消滅した。


「よし、いっちょ上がり!」


〜かなた視点〜


かなたは、別れた後人型の個体と相対していた。人型とはいったものの武器を持っておらず上の下ランクでは以下と推測できる。


「あんた、殴り特化?武器持ってないしそうかなーって思ったんだけど。あと、名前何?」


返せるはずがない。魔物の中で言葉を話せる個体は上の上もしくは上の中の中でも上位個体のみである。それに対しこの個体は上の下、返せないはずである。


「我の名はレグロスだ。貴様の言う通り殴りに特化している。」


嘘ぉん…おっと失礼。上の下ではあるが生きた年数が桁違いであり上の下ではあるが人語を話せるようになったらしい。


「じゃあボクと一緒だね!だって僕も殴り特化だからね!」


拳骨撃天ヘブンズ・インパクト!』


かなたはレグロスの懐に入り腹に一撃を入れようとした。レグロスは咄嗟に腕でガードをしたが、かなたの能力の衝撃によって吹き飛ばされてしまった。


「くっ…あとから来る衝撃か…防戦では勝てないな…では、一撃で終わらせてやる!」


「そうしてくれるとありがたいよ。こっちも楽だからね!」


宇宙穿撃コズミック・ブレイザー!』


魔閃貫拳ブレリオル・グレイトス!』


両者貫通力の高い技を放った。


「うぉぉぉぉぉ!」


「はぁぁぁぁぁ!」


ドガァァァァン


両者の拳が激突する。その瞬間、かなたの拳から衝撃が放たれる。吹き飛ばされると思ったレグロスは構えたが、それが仇となってしまった。かなたから放たれたのは鋭い衝撃、それによりレグロスは腕から胴体にかけて風穴が空いた。


「二種類の衝撃を使うか…見事だ…」


「魔物に褒められるとはねぇ。まあ、次は魔物になんて生まれてくんじゃねえぞ。」


レグロスは塵となって消滅した。



〜フブキ視点〜


フブキは大太刀を持つ魔物と遭遇していた。


「でっかい太刀ですね!」


「ふん…今から貴様はこれに切り裂かれるというのに…」


「でも白上、速いですからそんな大っきさじゃ追いかけられないですよ?」


「やれるものならやってみろ!この太刀で貴様を切り裂いてやるわぁ!」


「それじゃあ遠慮なく。」


『吸収:蒼』


フブキは引力で相手を目の前に引き寄せた。


「何?!」


「まだまだぁ!」


『反発:赫』


指を構えエネルギーを溜めて放ったそれは相手を吹き飛ばさずに外装をのみを粉々にした。


「どんなもんじゃい!」


「く…そ…太刀がまるで意味をなしていないだと…」


「あ、あと、太刀で受け止めてたから多分折れてるよ。」


「は?」


相手が太刀を確認するとヒビが入り折れてしまった。


「……」


「なんか、悲しそうだけど同情もできないからそろそろ倒しちゃうね。」


『吸収:蒼』


フブキは相手の近くに蒼を生成し吸収させた。


「よし!これにて終了っと!」


〜ノエル視点〜


「ほえ~でっけぇ〜」


ノエルが対峙していたのは現れた魔物の中でも一際目立っていたものである。その見た目はものすごい巨体で、身体からは大量の触手が動き回っていた。


「うぅん?何だぁお前はぁ?」


「団長は白銀ノエル!一言でいうとあんたを倒しに来た!」


「ふん。やれるものならなぁ」


「それじゃあ遠慮なく。」


無秩序の銀騎士ナイトオブカオス黒き反逆の絶剣アルベリオス・アークリベリオン


ノエルは持っていた絶剣アルベリオンを地面に突き立てた。すると、絶剣アルベリオンにエネルギーが集まっていった。それを見てでっかい個体は触手で阻止をしようとしたがその体は動かなくなっていた。見ると地面から生えた鎖によって縛り付けられていたのだ。


「なにぃ?!動けんだと?!」


「でっかい身体も動けなかったら意味ないよねってことで。じゃあバイバーイ」


ズシャァァァァァァ


天に掲げたノエルの絶剣アルベリオンはでっかい個体の大きさよりも長くなっていた。ノエルはその剣を振り下ろしいとも簡単にでっかい個体を真っ二つにしてしまったのだ。


「やっぱりでっかい個体は倒しやすいねぇ。」


〜フレア視点〜


「君の魔力、炎でしょ?」


「は?」


フレアが敵と相対したとき、その相手はこう言ってきた。


「いや、だからぁ。君の魔力の話!」


「私の魔力が炎だからって何?」


「君の魔力は炎で僕の魔力が水。この意味が分かるかな?」


「要するに、自分のほうが有利だってことが言いたいわけ?」


「そういうことさ!まあ、所詮炎だ。変形もままならないし、凝縮すらも完全にできないような水の"劣化版"だからね!」


「…」カッチーン


「まあそんな?炎を使うやつに?この僕、ルベルが負けるはずがないんだけどね?」


「…今日は素敵な日だ。花が咲いてる。小鳥たちも囀っている。こんな日にお前みたいなやつは」


「世にある炎ですら生ぬるい、地獄の業火に焼かれるがいい!」


『三途』


フレアの目に蒼い炎が走る。その瞬間超スピードでフレアは動き出した。


「速いね。でも水なら全範囲に攻撃できるんだよ!」


『激流葬』


ルベルを中心にして、巨大な波が起こる。フレアは動いていたが、立ち止まり手を横に振った。その瞬間、波が手を振った方向に飛んでいった。


「はぁ?何が起きたんだ?」


「教えなーい!」


フレアは再び動き出した。


「まあいいか。君が近距離で来たときのために、対策でもしておこうかな!」


『水泡』


ルベルの周りを水の膜が覆った。


「!!」


「どうした?来ないのか?ご自慢の炎で蒸発させてみろよ!」


「うん。もう行ってる。」


「ぬぇ?」


炎圧収束波動砲インプレッサーコンバースプルス


フレアはルベルの頭を掴み掴んだ手に魔力を送り込んだ。その手の先にあるルベルが覆った水は蒸発するようにブクブクと音を立てている。それに伴い、水の温度も急激に上昇している。


「待て!待つんだ!そうだ、僕の力をやろう。そうすれば君の欠点も克服できるはずだ!」


「あっそ。興味ないね。それじゃあ」


「死ね」


ルベルの身体は上昇していく熱エネルギーに耐えきれなくなり、膨張し爆散死した。塵にも、灰にもならずに。


「私の能力をとやかく言わないでほしいなぁ。」


〜ポルカ視点〜


「うぇぇ…嫌だなぁ」


ポルカの前に現れたのは、巨大なカブトムシの形をした魔物であった。その魔物は無尽蔵に自身と同じ力を持つ小さな個体を生成している。


「これどう倒すのぉ?近づきたくないんですけど。」


(多分早めに倒さないとやばいよね。それとみんなまとめてじゃないとだめだよねぇ…)


正解である。この個体は知能こそ低く、戦闘能力は高くない。だが、無限に生み出す生成力と同時に倒さなくてはならないという無理ゲーを押し付けられるのである。


(虫は熱とかに弱いって聞くし、部長の力を使わせてもらうとしますか!それも、2ndtcを!)


【2ndtc:真の虚像トゥループリテンシブル:不知火フレア】


【疑似2ndtc:天地忘却の太陽神】


ポルカはフレアの姿に変わり、2ndtcを発動した。ポルカの2ndtcはペルソナの2ndtcを使用できるという能力である。それにより、フレアの2ndtcを使用したのである。


「焼き払えー!」


カブトムシ個体は太陽神の熱に当てられ、灰となり消滅していった。


「ビンゴ!やっぱり熱に弱かった!」


〜みこ視点〜


「君と僕の能力は似ていそうだ。」


「どゆこと?」


「僕達の能力はどちらも破壊不可の物質を生成できるだろう?」


「わがんない。」


「まあ、君と僕では大きな差があるんだけどね。」


「ふーん。そういうめんどくさいことはみこいいや。早くご飯食べたいし。」


『神桜巫術技能:多重生成』


『神桜巫術:無限神刺』


みこの後ろに大量の神刺が出現する。


「僕に遠距離で挑むとか…無謀じゃないかな。」


「知るかよぉ!」


「まあ、いいんだけどね。」


『テル・エイエス』


変なやつはみこに向かって手を翳すと、紫色のシールドを張った。


「このバリアはねぇ、遠距離攻撃を無効にして跳ね返すことができるんだ。」


「…それ、能力のやつ?」


「?そうだけど?」


「じゃあみこの勝ちだにぇ!」


「は?」


チュドドドドドドン


「うぉわぁぁぁぁ!」


変なやつのバリアをいとも簡単に通過し神刺は、変なやつを突き刺しまくった。二号機の鳥葬。


「…思ったけど、魔物でよかったなぁ。人だったらめっちゃグロかったにぇ。」


〜すいせい視点〜


「残ってるの、あんた一人だけみたいだけど?」


「そのようだな。」


「見たところ、魔法型だと思うんだけど。どう?当たってる?」


「正解だ。それならば、次に我がすることもわかるか?」


全範囲オールレンジ?」


「半分正解だ。模範解答は、全範囲オールレンジに魔物の再召喚だ!」


『再臨の魔法:エルメルドリバイバル』


グラウンドに大型の魔物が何体も召喚される。


「召喚魔法まで使えるのかよ!」


「それだけではない。」


全範囲魔法オールレンジマジック:テラ・カタストロフィ』


空から大量のビームが降り注ぐ。


「おわぁ!あぶねぇ!」


すいせいはそのビームを避け、再び魔物と対峙する。


「あんたもしかして魔族?戦い方とか魔物のそれじゃないんだけど」


「如何にも、我が名はテルメリオス・インテグラル。最強の魔族、「星壊魔族」の王である。」


「そんなのあったんだ。」


「そうだ。我は長年、この星を壊そうと思い策略していた。その中で見つけたのだよ、貴様という星の神子を!」


「なにそれ?その…「星の神子」って。」


「知らないのか…「星の神子」というものは、一世紀に一人現れその世紀中に起きるあらゆるこの星への害を取り除き、星を未来へ導くもののことを指す。」


「それと今回の襲撃に何か関係あるの?」


「大有りだ。今世紀の「星の神子」は、貴様だからな。」


「ゑ?」


「これは嘘ではない。紛れもない事実だ。」


「マジでぇ…殺されんの?すいちゃんが?」


「ああ、そうだ。」


「なら、殺される前に殺してやんよぉ!」


「来い!『八芒星の神斧オクタペンタグラム』!」


すいせいは右手を天に掲げその名を呼んだ。次の瞬間、大きな音とともに掲げた手の中には巨大な両刃を持つハルバードが握られていた。


「頭かち割られるか、上半身と下半身がバイバイするか。どっちがいい?」


「ふむ…斧か。星の神子と聞いていたが、使用するのは斧なのか。」


「何ぺちゃくちゃ喋ってんの?あと斧使ったらダメなん?」


「なっ?!いつの間に背後に?!」


「いや、目つぶって喋ってたら背後取れるでしょ。」


「ふん…まあいい。我が持つ最強の力で貴様を殺すとするか。」


『召装:アルティメテルウェポン』


テルメリオスは、亜空間から大きめの杖を取り出した。その杖は禍々しいオーラを放っている。


「それがあんたの武器ってわけ?」


「そうだ。そして、お前を殺す武器でもある!」


『μαγεία σουπερνόβα』


「ッ?!この魔力は?!」


「そうだ。我を殺さぬ限り今から二分後この星諸共貴様を殺す!」


「下衆がよぉ。でも、殺せば止まるんだよな?」


「やれるならな。」


「よし、プラン変更。速攻で終わらせる。」


『##2星が詠み継ぐ夜明けのソワレ:200%』


すいせいの髪に白色のメッシュがかかり白いオーラを纏った。


「You can't keep up with my speed. Because I am light!(お前は私の早さについてこれない。何故なら私は、光だからだ!)」


「わけのわからぬことを吐かしやがって。」


「What? You don't understand a word I say? Are you stupid?(え?私の言葉がわかんないの?頭悪いんじゃない?)」


「なぜだ…わからないはずだが無性に腹が立つ!」


『Τέλος βροντής』


空から大量の雷がすいせいに向かって放たれる。


「You can't hit me with that kind of lightning, okay?(そんな雷、当たんないよ?)」


すいせいは地を蹴る動作もなしにテルメリオスの懐に入る。


「んな?!」


「Cut your head off and die!(首を落として死ね!)」


スパァァァン


すいせいはハルバードをテルメリオスの首に向かって振り上げ、その首を落とした。


「Don't you ever appear in front of us again!(私たちの前に二度と現れるんじゃねぇ!)」


「おのれぇぇぇ!」


テルメリオスは、灰燼とかし、消滅した。


「ふう…一件落着。さっき召喚してた魔物たちもこいつが死んで一気に消滅してるし、これで解決かな。」


「さーてと、なんかもう昼だしみこちでも誘って昼メシかなぁ」

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