第五話
〜時は飛び大会当日〜
今日はソロの部。出場するのは尾丸ポルカ、白銀ノエル、不知火フレアの三人。
「三人とも頑張ってにぇ!」
「了解!全力出してくるね!」
「ひさっしぶりの大会だし、強い人もいるだろうけどぱぱっと勝ってくるよお」
「部としても、個人としてもいい成績収めたいからね、手は抜かないよ。」
「すいちゃんたちは明日だからちゃんと応援するよ!」
「…そういえば部長、対戦相手ってわかるの?」
「対戦相手はね、普通の部活と違ってわからないようになってるんだ。」
「なんでなの?」
「能力技能界の情報は結構公開されてるから対戦相手がわかっちゃうと試合前から対策されてしまうんだ。」
「それでねぇ…」
〜ポルカ視点〜
ポルカは、Bグループとなり仲間のペルソナを惜しみ無く使用し決勝まで勝ち進んでいた。
「さぁて決勝の相手は誰かな?」
「久しぶり。おまるん。」
「ん?この声は…獅白!久しぶり!てことは、獅白が対戦相手?」
「そうだよ〜よろしくね。」
「両者、配置についてください。」
「「はい。」」
「それでは、これよりBグループ決勝戦を開始します。試合、始め!」
「おまるん、苦しいのは嫌っしょ?じゃあ、速攻で終わらせてあげる!」
『穿越なる深淵の獣王』
「こっちも、ただ負けるつもりで来たわけじゃないからね!昔と違って最初から全力を出すよ!」
『偽写像:さくらみこ』
ポルカは能力を使用したが見た目の変化は何もなかった。
「おまるんもただ戦ってきたわけじゃないみたいだね!でも、勝つのは私だよ。」
ぼたんはそう言うと地を蹴った。ポルカが捕らえたのはその瞬間だけであった。
「ッ!どこから来る?」
(考えろ、獅白ならどう出る!)
「ここ!」
『神桜巫術:盾桜』
ガキィィィン
「よくわかったね!」
「伊達に幼なじみやってないよ!」
(でも正直けっこう重かった…あれが連続で来られたらさすがに長くは持たないな…)
(ならば、一撃で決めればいい!)
「次はこっちから仕掛けようかな!」
『破面』
ポルカは、破面を発動しポルカを中心に領域ご展開された。
「新しい技?暗闇ってことは一撃で決めるつもり?」
「御名答!ぜひ避けれるもんなら避けてみてね!」
『獣淵:生存本能』
ポルカの気配が消される。
(一撃で倒すにはポルカのもう一つの能力『廻転』を使うしかない。)
(まずは、廻転に耐えられる物体を作らなきゃ。)
『偽写像:さくらみこ:不知火フレア』
『神桜巫術:包桜』
『竜撃の焔滅』
竜撃をポルカは神桜巫術で生成する物体で包み込み【竜撃の桜焔】を作った。
(準備は整った。あとは覚悟を決めろ!)
暗闇の中ポルカは、すいせいのペルソナを使用し空中へ飛び上がった。次の瞬間、領域が解除された。
「きた!どこだ?」
ぼたんは周りを見渡した。だが、誰もいない。
「どこへ行った?」
「ここだよ、獅白。」
見えないのに声だけが聞こえてくる。
「ごめんね獅白。ポルカ、隠してたことがあったんだ。獅白の知ってる私の能力はコピーだ。でも、ポルカにはもう一つ能力があるんだ。その力で獅白を倒す。」
『無限の廻転』
【竜撃の桜焔】が回転しだす。
「ッ!上か!」
「もう遅い!最後は獅白の力で決めてやる!」
『穿獣覇弾!』
ポルカは、【竜撃の桜焔】を撃ち出した。それは、高速で空を駆け獅白の身体を貫いた。
「ハッ?!ここは…」
「選手待合室だよ獅白。」
「おまるん…てことは負けちゃったんだね私は。でも、嫌な気はしないな。」
「なんで?圧倒的な力量の差があってもやられたんだよ?」
「いや、おまるんと私に力量の差はあんま無いよ。なんならおまるんのほうが上かもね。だって私の能力コピーできるんだから。」
「獅白らしいね。」
「でも、なんでおまるんはもう一つの能力を隠してたの?」
「そりゃあポルカは、生まれながらに道化だからね。」
「ハハッそうだ、そうだったな!」
〜ノエル視点〜
「さーて団長の対戦相手は誰かな?」
ノエルは、Cグループとなり持ち前の筋肉を使い難なく決勝まで上り詰めた。
(まあ当たってきた人から考えるにあの人?しかいないだろうな)
「探さなくても分かるんじゃないか?脳筋団長!」
「脳筋とは失礼な、そっちこそ脳筋龍だろうがよ!」
対戦相手を待っていたノエルの前に現れたのは前年度優勝者の桐生ココであった。
「まあ、お互い能力が脳筋よりだから言われても仕方ないけどね。」
「今日この脳筋を倒して【龍殺】になるぞ〜」
「やれるもんならやってみな!」
「両者、自分の持ち場に着いてください」
「りようかーい」」
「それではAグループ決勝戦を開始します。試合、始め!」
「最初からもう召喚しようかな。」
『秩序の銀騎士・解放絶剣』
「えいや!」
ノエルは地を蹴りココに詰めた。すかさずココは自身の身体で防御をした。が、ノエルのパワーに耐えきれず吹き飛ばされてしまった。
「重すぎだろ!」
「これでもまだ自分の筋肉しか使ってないけど?」
「くっそ〜なら、こっちも一撃入れないとな!」
『集約せし龍王』
『龍王波脚!』
ココは飛び上がりノエルに向かって蹴りを加えた。ノエルは為剣で受け止めたが蹴りが当たった瞬間黒い魔力の火花が走った。
「!これは…まずい!」
絶剣で受け止めたノエルだったが何かを恐れ為剣を引き、身体で受けた。
「うぉぉぉぉ!痛えぇ!」
「鎧、ヒビはいっちったけど、あのまま受けてたら確実にやられてたなぁ。さっきのあれ、爆龍の魔力入れてたっしょ?」
「やっぱ分かっちゃうか、そうだよあのまま受けてたら爆発してやられてたかもね!」
(くぅ〜まずいなぁ。攻撃に魔力が乗るだけならまだしも、属性攻撃とか特殊魔力攻撃もあるとちときちいなぁ)
「よし!真向勝負や一撃で決めたる!」
「そうこなくっちゃ!」
『龍王波動砲出力200%!』
『秩序の銀騎士・龍滅絶剣!』
「はぁぁぁぁぁ!」
「でりゃぁぁぁ!」
ココの魔力砲と、ノエルの斬撃がぶつかった。ココの魔力砲から放たれる魔力は龍の魔力。対してノエルの斬撃は龍を滅する力。当たった瞬間、ココの魔力砲が、切り裂かれココに斬撃が衝突した。
「はぁ〜まーけちった負けちった!」
「いや〜いい試合だったよぉ」
「まぁ優勝おめ。こっちも久々に全力出せて楽しかったよ。でも、次試合に当たったら絶対勝ってやる!」
「い〜や無理だね!」
「い〜や絶対勝つ!」
〜フレア視点〜
フレアは、Aグループとなり全力は温存しながら決勝まで上り詰めた。
「ノエルとポルカの情報から推測するに多分相手はあいつだろうなぁ。前年度準優勝者で、物体生成の達人のあいつかなぁ。そうでしょ?」
「御名答。この俺こそが現代の生成者幡野万だ。お前の炎など取るに足らんな。」
「へっ!ほざいてろ!」
「両者、持ち場に着いてください。」
「はい」「ああ」
「それではAグループ決勝戦を開始します。試合、始め!」
「お前など俺からしては雑魚だと思い知らせてやろう!」
『播製万の神器』
万を中心に結界が展開され、その中に無限と言えるほど大量の神器が生成された。
「フハハハ!どうだ、これが俺の力だ!無限に生成される神器、お前など適うまい!」
「で?これで終わり?」
「は?」
「終わりなら全部焼いていい?」
「あぁ?焼けるもんなら焼いてm」
【2ndtc:天地忘却の太陽神】
「神の炎よ、すべてを焼き尽くせ!」
「グアァァァァ!」
「んで?誰の炎が取るに足らないって?」
「誠に申し訳ございませんでした…」
「それでよろしい。」
〜すいせい視点〜
「部長〜さっきの何?」
「2ndtcって言って能力の直接的な進化だよ。一時的だけどめちゃくちゃ強い能力が使えるんだ。」
「へ〜そうなんだね。すいちゃんにもあるのかな?」
「すいちゃんの能力は切り替え系の能力だし特殊な条件があるのかもね。」
「てゆうか、部長もみんなもめっちゃすごかったよ!」
「明日はすいちゃんとみこちゃんのデュオだから頑張ってね!」