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第二十話 AUOvsUBW

目的地にたどり着いたいろはは、ギルガメッシュと対峙する。



「貴様、退けと言ったはずだが?死にたいのかそれとも…我に勝つ術があるとでも?」



「そうでござるよ。お前は、お前だけは風真が倒す!」



「クッ…クク…クハハハ!貴様!無謀にもほどがあらんか!今まで、この我に挑もうとしてきたやつもいた。だが奴らは勇敢に戦い、散っていった。だが貴様はどうだ?貴様のそれは蛮勇ではない、ただの無謀よ!」



「それが何でござるか。無謀でも、お前は風真が倒さなきゃならない。たとえこの身から魔力がなくなっても、能力が消えても、剣を振り続ける。それが、今の風真いろはの使命だ!」



「ではその使命、貴様の死を持ってして断ち切ってやろう!」



王の財宝ゲート・オブ・バビロン



ギルガメッシュの背後に数十の光の穴が開きその数だけ武具が出現する。



「撃ち落とさなければその体、貫くぞ?」



「全部落としてやるでござるよ!」



『投影:冠仙かんせん莫鍾ばくしょう



いろはは双剣を投影し、構える。



「いけぇぇ!」



いろはは冠仙と莫鍾を投擲し、一掃しようとした。



「そんな武器で、我の宝物が全て落とせるとでも?」



「この二本だけ、なら無理でござる。だけど、風真の力を忘れたか?」



翼風三残よくふうさんざん



投擲された二つの剣が複製され、その全てがギルガメッシュの武具を落としていく。



「飛びながらの複製か…我にはできぬ芸当だな。まあ、する必要もないからなぁ!」



ギルガメッシュが手を振りかざすと、いろはの頭上に無数の光の穴が出現し武具が放たれる。



「チッ!」



『投影:冠仙かんせん莫鍾ばくしょう



バババババババババァァァァァァン



いろはは再び武器を投影し、構えて武器を避けながら駆け抜ける。



「フハハハッ!この我に近づくか!貫いてくれよう!」



ギルガメッシュは自身の背後に光の穴を出現させ武器を放つ。



「”これ”でも貫けるでござるか?」



風真瞬歩いろはすてっぷ



いろはは急に横方向へと動き出す。



「横にそれるだけか?我の武具が向きを変えられないとでも?」



ギルガメッシュは穴の向きを変え、横に移動したいろはに向けて武器を放つ。それらは、いろはを貫き地面に刺さる。



「ふっ…なんだ、この程度か。もっと我を楽しませると思っていたんだがな。」



「誰がこの程度でござるか?」



「何ッ!?」



いろはの使う『風真瞬歩いろはすてっぷ』は、自身に動きを投影することで相手を混乱させることができる。また、このとき投影する”自身”とは複製体であり破壊されても自身の魔力に変換される。



ザシュゥゥ



いろははギルガメッシュに不意打ちを行い一つの傷をつけることができた。



「貴様ァ!この我に不意打ちをするとはなぁ!」



「ッ!」



ギルガメッシュが叫ぶと、ギルガメッシュの背後に無数の光の穴が出現する。



(前回よりも多い!)



「喰らえ!!」



(どうする…どうすれば…ッ!!そうだ、あの方法なら行けるかも!)



『複数投影:螺旋剣カラドボルグ



いろはが両手を広げると、横に計十本の螺旋状の剣が投影され、その全てが魔力で覆われる。



「いけぇ!!」



両者の武具が放たれ、衝突する。



「今だ!!『壊れし幻想カラドローグ』!」



ドガァァァァァァン



衝突の瞬間、いろはは覆っていた魔力を中に込めることで魔力を暴発し大爆発を起こした。



「何ッ!?」



「この螺旋剣は繊細でござる。魔力の微調整によってこの螺旋を形成しているんでござるよ。それを意図的に崩せば、大爆発を起こすことだって可能でござる!」



「ふざけた真似を…ならば、その爆発ですら防げんようにすればればよかろう?」



ギルガメッシュが手を上に上げると、無数の光の穴が出現する。その数は今までのものと比にならない数で、空を覆い尽くしている。



「喰らうがいい!」



無数の武具が放たれ、地面に突き刺さる。砂が舞い、いろはの視覚を遮る。



「ふん…この程度で倒れようとはな。」



砂が晴れ、視界がひらける。荒野だったこの地の周辺にあった森は、地面との衝突で起こった衝撃によって破壊され更地と化していた。いろはは、何本かの攻撃を食らったが、因果の力によって死には至っていない。だが、精神的にもダメージを受け、地に伏す着している。着ていた羽織もボロボロになってしまった。



「くッ…かはッ…」



「どうした?我を倒すのではなかったのか?」



「ぐぅ…」



(風真の作るスピードじゃ、アイツの無限に勝てない…)



意識が遠のくいろはに、一人の声が聞こえてくる。



『いろは、そう言えば一つ伝え忘れていたな。』



(この声は…風見!?)



『俺とお前の使う力、投影についてだ。この力、お前はどう解釈している?』



(どうって、見たことのある剣を作り出すんじゃないんでこざるか?)



『間違ってはいないんだが、その方法だ。この力は、記憶にある剣の姿を投影し、”血潮を糧に”剱にしている。』



(なんで血潮?魔力じゃなくて?)



『その理由はまあ、自分で考えろ。まあ、一つ言えるのはその体の中には、何があるか、だ。』



(風見…この体の中……ッ!!そういうことでござるか…)



いろはは立ち上がり、ギルガメッシュを見る。



「勘違いしてたでござる。風真の力はお前と一緒だって。」



「ほう、違うのか?我の宝物を出す力と、貴様の武具を作る力。」



「お前のは無限の武具を保管する宝物庫でごさる。そこから取り出すだけなら、風真が作るよりも圧倒的に早い。だけど、もし、取り出すよりも早く風真が作れたなら?」



「何を言うか。取り出すよりも早く作るだと?ふざけたことを…」



「風真の力は、記憶を投影し、血潮を糧に剣とする。そう、風真に許されたたった一つの事。それは、身体を剣にすることだけだった!」



『身体は剱でできている!

 


 血潮は黒鉄てつで、心は硝子。

 


 数多の戦場を越え、不敗。

 


 ただ一度の敗北はなく、唯一人ただひとりが為に戦う。

 


 硝子こころは記憶を投影うつしだし、血潮を糧に剱とす。

 


 故にこの生涯いのちは果てず、

 


 この身体は、無限の剱で出来ていた!』



大地が割れ、炎が上がる。視界が晴れたその時、二人は風真いろはの心象、果てなく続く荒野に無数の剣が突き刺さる世界。『無限の剱製アンリミテッドブレイドワークス』の中にいた。






「ほぉ…固有結界か。それで?この荒野で何ができる?」



ギルガメッシュは固有結界には一瞬驚いたが、すぐに王の財宝ゲート・オブ・バビロンを展開し攻撃をしようとする。だが、それをいろはと『無限の剱製アンリミテッドブレイドワークス』は許さない。



「ッ!!」



いろはが力を行使する。すると、一瞬でギルガメッシュが展開した武具と同等の剣を飛ばし、その武具を落す。



「何ッ!?」



「驚くことじゃないでござる。言ったでござろう?『出すよりも早く作れれば』、と。出す時間よりも先に、作っていればいいってことでござるよ。」



「そうか。ここは貴様の心象、貴様の体が剱ならば、あり得るというわけか。」



「ああ、風真の命が尽きるまで武器は湧き続ける。さあ、行くでござるぞ英雄王。武器の貯蔵は十分か!」



「舐めるなよ、所詮本物を作れぬ贋作者フェイカーが!」



ギルガメッシュが王の財宝ゲート・オブ・バビロンを展開し、武具を連続で放つ。



『投影:藤黒とうこく



それに対していろはは刀身が黒い刀を投影し居合の構えをする。



『風真流居合:収裂』



魔力が込められ、刀が振るわれる。



ザシュゥゥンバババババァァァン



藤黒から放たれる斬撃と武具が衝突する。その二つは大きな爆発と衝撃を起こし、消滅する。それを合図ににいろはとギルガメッシュの攻防が始まる。



『投影:冠仙・莫鍾』



「はぁぁぁッ!」



「近づかせるものかッ!」



ババババババァァァン



いろはは『冠仙・莫鍾』を投影し、ギルガメッシュに接近する。対するギルガメッシュも、近づかせまいとバビロンで攻撃している。だが、その武器の隙間を縫ったり撃ち落としたりしながらいろははスピードを落とさずに進む。



「前に進むのみでは、天から来る厄災に対して無防備だと思わんか?」



そう言い、ギルガメッシュは手を上に上げいろはの頭上に無数のバビロンを展開し、武器を降らせる。



「それに気づいてないとでも?」



いろはは進みながらも、地面から剣を飛ばして降り注ぐ武具を撃ち落とす。



「何ィッ!?」



「はぁぁぁッ!!」



いろはは剣を振りかざし、ギルガメッシュに攻撃をする。だが、間一髪でギルガメッシュは武器を取り出しその攻撃を防いだ。それに続き、攻撃を仕掛ける。



「この我から、離れろォッ!」



王の財宝ゲート・オブ・バビロン:鉄槌下しし天鎚テペリッド・オロヌクス



「やらせるかぁッ!!」



いろはは一歩下がり、ギルガメッシュが出した天鎚に対抗しうる剣を投影するため、持っていた剣を地面に刺して右手を天に掲げる。



『投影:十二の試練と神の斧剣ヘラクス・ジ・ゴッドハンド



ドゴゴゴゴガァァァァァァァン



両者の武器が衝突し、物凄い轟音が鳴り響く。



「チッ!これにでも貫かれるがいいッ!!」



王の財宝ゲート・オブ・バビロン:神の血を浴びし聖槍ジ・ロンギヌス



「あれはッ…ロンギヌス!なら、同じ神槍で!」



『投影:刺し穿つ死翔の神槍アーゼスト・ゲイ・ボルグ



いろはは、ギルガメッシュのロンギヌスを真似し、もう一つの神槍を投影した。



ギルガメッシュはロンギヌスを、いろははゲイ・ボルグを。お互いに最強の槍を投擲する。その二つは衝突し、対消滅する。



「ええぃ!質でなければ、数を増やせばよかろう!!」



ギルガメッシュは今までに見たことのない数のバビロンを展開し、武器を取り出す。



「喰らえッ!!」



ババババババァァァァァァァン



「ッ!」



咄嗟にいろはは上に飛び上がる。



(体では受けきれない…なら!)



砂煙が上がる。いろはの姿が見えなくなった。さすがのギルガメッシュも、これではもう死んでいるだろうと思い、油断をする。だが、風真いろははこの程度ではやられない。



「『熾天覆う五つの円環ホロウ・アイアス』ッ!!」



「なッ!?」



「はぁぁぁぁぁッ!!」



いろはは無数の武具を『熾天覆う五つの円環ホロウ・アイアス』を投影することで防いだ。それにより隙が生まれたギルガメッシュに攻撃が入る。



ザシュゥゥゥゥゥッ



いろははギルガメッシュの右肩に傷を入れる。



「貴様貴様貴様ァ!」



ギルガメッシュはバビロンによる攻撃を行う。だがそれを全ていろはは避ける。



「何故だ、何故我の武具が、貴様ごときの贋作にィ!」



「簡単な話でござる。お前は数多の武具を持つ、保有量なら一番かもしれない。だけど、お前はその武具たちの、使用者であって担い手じゃない!」



「お前は一つの武具を極めない、風真のように武具を作るわけでもない。言わば、風真と違う半端者だ!」



「究極の一を持つものに風真は勝てない。だけどお前なら話は別だ。お前となら、先に武器を用意している風真が、上をいくッ!」



「おのれ、おのれおのれおのれおのれ!おのれぇッ!」



「よくも我を、ここまでコケにしてくれたなぁッ!」



ギルガメッシュは先ほどよりもさらに多くのバビロンを展開し、武具を射出する。



「何度やっても同じでござる!」



いろはも同様に地面の剣を飛ばしバビロンから出される武具を落としていく。



「良いだろう、今は貴様が、強いッ!」



王の財宝ゲート・オブ・バビロン:乖離剣エア』



「逃げるなぁッ!」



いろははギルガメッシュが取り出した武器に咄嗟に危機感を抱き、急接近する。ギルガメッシュはいろはの背後にバビロンを展開するが、いろははジャンプをしてそれをすべて避ける。



「はぁぁぁぁッ!」



ザシュィィィィィィィン



いろはは傷をつけていた右肩から斜めに斬り裂き、見事、ギルガメッシュを一刀両断した。



「トドメだぁぁッ!」



『投影:破戒せしは魂靈ソウルデッドブレイカー



いろはは破戒せしは魂靈ソウルデッドブレイカーを投影してギルガメッシュの心臓に突き刺す。その剣の効果により、魂そのものから破戒させられその場でギルガメッシュは消滅する。



「勝った、勝ったでござるよ、ラプ殿。」



魔力が尽きたかいろははその場で倒れる。それと同時に固有結界も壊れ、現世に戻る。



「頑張ったな、いろは。ありがとう…だから、吾輩も…」

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