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第二話 



〜戦闘開始から3分経過〜


すいせいは戦闘開始直後から、みこちにあやめ先輩を任せ自身はあやと先輩を受け持った。


(…とは言っても、まずは先輩の能力を把握しないとだめだな。)


「先輩!能力は使わないんですか!」


「使ってほしいかい?なら、使ってあげるよ!」


『流撃界:廻葬窮裂死海の章』


あやとを中心に結界が張られ、地上に水流が生まれた。


(これが先輩の能力…水流を生み出す能力なのか?)


「僕の能力が分かったかな?」


「だいたいわかりました。水流ですよね?」


「おしいね。正解は「雷と水流を操る能力」だよ!」


『雷慧穿塔!』


「なんっ?!」


空中に小さな塔が現れそこから大量の雷がすいせいに襲いかかる。それは、それぞれに意志があるように動いている。


「まずい!」


すいせいは、能力を全開にし飛びながら避け続ける。


「雷だけに集中してたら危ないよ!」


あやとが手を振りかざすとただの水流だった地上の水は生き物のように動き出し高速ですいせいに襲いかかった。


(はぁ?!水流も?!こんなの避けられなっ…)


ドゴォォン


水流と雷が同時にすいせいに衝突し、すいせいは、地上に落ちていった。






「水の中でも息ができるのはありがたい。」


「でも…水の中じゃ身動きも取れないし、雷での感電もあり得る…これは『詰み』かな」


(久々の負け、か。前までは負け無しだったんだけどな…)


(…いや、違う。私はこんなとこじゃ負けてられない。格上相手でも戦ってきたじゃないか。こんなところで、負けてたまるか!)


【##2星が詠み紡ぐ夜明けのソワレ】



水中から光る何かが上がってきた。それは光速を超えたすいせいの姿だった。


「ほう、まだ立ち上がれるか。見たところそれが君の全力のようだな。ならばこちらも全力を出して相手をしよう。」


「望むところだ!」


『雷鳴水流鬼々咆哮』


【A twinkling blue sky soiree】


あやとの身体からは超高密度な雷流が発生している。すいせいからは蒼く瞬く光が放出されている。周りの空気からお互いが本気を出しているのが伝わって来るほどのエネルギーの衝突である。


「僕の雷流か、君のその光、真の勝者をいま決めようじゃないか!」


「比べるまでもないですね!なんたって私は、超がつくほどの負けず嫌いですから!」


二人はそう言うと、空を駆け相手に最後の一撃を決めに行った。すいせいは光速で、あやとは雷の速度で。


ドゴォォォォォン


二人がぶつかった衝撃であやとの結界が崩壊した。地上を見ると地に伏せるあやとと勝ち誇るすいせいが見られることから、結果はすいせいの勝利だったのである。


「先輩、強かったですよ。」


「勝った人に言われてもねぇ…まあ対戦ありがとう。これからも頑張れよ。」


「いえいえ、こちらこそ。」


「それより、最後のあれは何だったんだいったい。」


「あれはたぶん自分の中に眠る能力の覚醒、だと思いますね。」


「てことはもしかしたらまだ隠された力があるってことか!そりゃあ凄い。」


「あっ先輩あっちも終わったっぽいですよ。」


「ほんとだな見に行くか。」






〜戦闘開始から3分後〜




(すいちゃんからあやめ先輩を受け取ったのまでは良かったんだけど、どうやって勝てばいいの?!)


みこは、バリアを張ってあやめの攻撃をなんとか防いでいたがこのままではいずれ負けるだろう。


(まだあやめ先輩の能力も出せてないのに…このままじゃ何もできずに負けちゃうよぉ!)


(とりあえず誘導して能力を使わせなきゃ)


「みこちゃんどうしたの?防戦一方じゃ勝てない余!それとも能力を使うのを待ってるのかな?」


「げ、バレちゃってたの?」


「バレバレだよ。でもそんなにみたいなら仕方ないなぁ見せてあげる余、能力。」


「いいの?!」


「いい余いい余。後輩にかっこいいところも見せたいしね。」


『鬼炎霹靂:霹炎烈鬼一閃』


あやめがそう言うと、地を蹴った。


「ッ!」


ガキィィィィィィン!


「防げるのか余!結構本気でやったのに。」


「いやギリギリだったよ?!死んだかと思った…」


(次も防げる確証はない、こっちから一撃で倒せる攻撃をしないと…)


(…あれ?そういえばすいちゃんがなんか言ってたな。)








「みこちの能力で作るバリアって曲げられないの?曲げられるんならめっちゃ強そうだけど。」


「なんでだにぇ?」


「曲げられるんだったら鋭い形にして相手にバリアをぶつけてしまえばいいじゃん。みこちって能力使うときだけエネルギー出力がすいちゃんと同じくらいだからぶつかったらたまったもんじゃないよ。」






(そうだ!曲げればいいんだ!


(イメージするんだ、どんな形なら一番強いかを!)


(鋭いもの…槍?)


(いやでも槍だと形が難しいしなぁ。貫けて、強くて加工しやすいやつ…ドリル!)


「あやめ先輩!みこの必殺技を見せてやるにぇ!」


「やっとやる気になったか余!ならこっちも必殺技を使う余!」


『神桜巫術:神刺かんざし


『真名開放:鬼神刀阿修羅』


『蒼炎白靂鬼々天斬』


みこからは巨大なドリルのような攻撃が、あやめからは蒼白の靂炎を纏った斬撃が放たれた。みこの攻撃がただのドリルのような攻撃であればあやめの刀「鬼神刀阿修羅」の効果「生き物以外を切り裂く」によって切り裂かれるのだが、みこの能力、「神桜巫術」は神力で構成されたものを生成するという効果なのである。技の副次効果と、神力では神力のほうが有利に働く。


ドゴォォォォォン


両者の技が衝突した。残ったのは『神刺』であった。


「押し勝った!いっけぇ!」


「なんでぇぇ?!」


ドカァァン


「くっそぉ。なんで効果が発動しなかったんだ余!」


「わがんない!けど、こっちのほうが強かったってことだにぇ!それで、あやめ先輩まだやるかにぇ?」


「必殺技使ったからもう動けない余。」


「てことは…みこの勝ちってこと?!やったー!」


「みこち勝ったの?すごいじゃーん!」


「あ、すいちゃん!ふふーんすごいでしょ!すいちゃんも勝ったの?」


「あったりまえじゃーん!」






「お兄ちゃん負けちゃった余〜」


「あやめは頑張ったよ。まあこっちも負けちゃったんだけどね」


「めっちゃ強かった余!なんで誰も知らなかったのかな?」


「そこまではわかんないけど、あの二人はこれからもっと成長するよ。」


「そうだろうね。楽しみだ余!」

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