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第十二話

ー能力庁地下ー

〜??視点〜


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ZEXSRゼクサー


能力庁直属の秘匿組織。主に、能力犯罪グループの捜査や裏世界での能力犯罪の鎮圧などを行う組織である。

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「それでは、第13回『ZEXSR』の組織会議を始める。」


「今回の議題はなんですか?総帥。」


「今回は、数日前に庁に届けられた能力犯罪者についてだ。」


「小規模爆発魔のやつござるか?」


「そうだ。やつ単体で見ればなんともない事件なんだが、奴が使()()()()()()()()爆弾が重要なんだ。」


「何ですか?」


「PM567、凶悪能力犯罪者たちが主要拠点爆破に使用する最悪の爆弾だ。」


「PM567?!それって、爆発したら周囲3kmに毒ガスを蔓延させるあれですか?」


「残念ながらそれだ。やつは、それを爆破させて機能を麻痺させようと考えていたらしい。」


「そうでござるか…入手経路は判明してるんでござるか?」


「判明はしているが、内部のことは一つもわかっていない。そこでだ、今回はお前に頼もうと思う。偵察の風真いろはに。」


「ラプ殿、わかったでござる!」


「今回維斗は出番少ないかもな。」


「そのほうが良いですよ。僕も楽なんでね。でも、いざとなったら頼ってくださいよ?」


「わかっている。それといろは、この資料に書いてあるところが偵察場所だ。」


「ありがとうでござる。ふむふむ…場所は地方の方でござったか。」


「ああ。地方だとしても侮るなよ。死なれちゃ困るからな。」


「ラプ殿、風真が死ぬと思ってるでござるか?」


「いいや、全く。生きて帰ってこいよ。」


「はいでござる!」








ー地方拠点前ー

〜いろは視点〜


「ここが拠点の入口でござるか?ずいぶん小さいでござるな。」


いろはは拠点の入口の周辺を見ていると近くに住んでいる人に声をかけられた。


「よぉ!そこの若いもん。この廃墟になにか用でもあるんか?」


「いえ、仕事の都合でこの周辺に来ていたのでござるが、こんな小さな廃墟見つけたらちょっと興味が湧いてきたのでござるよ。」


「そうか。まぁ、その廃墟にゃあなんにもねえよ。」


「そうでござるか…ありがとうでござる!」


「おう!仕事頑張れよ!」




ーその日の夜ー


(いい感じに暗くなったでござるから、潜入開始するでござるか。)


いろはは廃墟の入口に入った。


(中はほんとにただの廃墟でござるけど、多分この荷物をどかしたら…やっぱり)


荷物の下には地下へと続く入口があった。


(降りた先に敵が待ち構えているかもだし、武器は構えておくでござるか。)


下へと続く階段を降りていくと、鉄の扉が待ち構えていた。その扉に手を触れ、確かめる。


(鍵は…開いてるっぽいでござるな。一応気配察知しておくでござるか)


『技能:気配察知』


(周辺に敵は…一人。扉の前でござるか。一撃で仕留めないとでござるな。)


いろはは扉を静かに開け中に入る。幸い、敵は反対方向を向いていたので対処は楽であった。


『夜陰』


相手の首をめがけ刃を振る。その音は消され、残ったのは敵の最後のかすかな悲鳴だけだった。


(よし。この調子で1個下のデータルームに行くでござる。)


その後は順調に進み、データルームにたどり着いた。


(早いこと情報を手に入れて上に設置したアンカーにテレポートして脱出するでござる。)


いろはは置いてある基盤を操作し、様々な情報を抜き取っていく。


(ふむふむ、基本的な情報は爆弾の資料や人材資料でござるか…ん?これは…)


資料を見ていると、作戦の資料が出てきた。


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東京都終末作戦

東京都庁を武力で制圧した後上空500mから新型炸裂爆弾『GMクレイモア564』を10機投下し都心の機能を完全に停止させる。

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(まずいでござるよ?!作戦日時は…明後日の正午でござるか…とりあえず持って帰るでござる。なんとか対処できればいいでござるが…)




ー翌日、能力庁地下、『ZEXSR』本部ー

〜ラプラス視点〜


「さていろは、どんな情報があったんだ?」


「人材資料と爆弾の資料、そして作戦資料があったでござる。」


「最初の2つは良いとして、一番重要なのはその作戦資料だ。どんな内容だったんだ?」


「作戦名は東京都終末作戦でござる。内容としては、戦闘員を東京都庁に攻め入らせ制圧し、上空500mから新型炸裂爆弾『GMクレイモア564』を投下するという作戦でござる。」


「GMクレイモア?なにそれ?」


「資料によると、中に魔力が込められている魔力型爆弾でござる。魔力は斬裂属性を持っていて周囲の物体を斬り裂くらしいでござる。」


「相当厄介なやつだな。対処方法はあるか?」


「解除方法はないでござるが魔力型爆弾でござるから魔力ごと消滅させればいけるでござる。」


「それなら爆弾の対処は吾輩がやる。地上部隊はラウンズと協力してくれ。」


「了解でござる!」


「総帥、僕はなんか仕事あります?」


「う〜ん、吾輩といろはに周辺の情報を指示したら送ってほしい。」


「了解!」


「これは都庁の方にも知らせておく。ラウンズへの連絡はいろはに任せるぞ。」


「わかったでござる!」







ースザクの執務室ー

〜スザク視点〜


コンコン


「ん?どうぞ。」


「失礼するでござる。ZEXSRの風真でござる。」


「あ、ZEXSRの方でしたか。なんのご要件で?」


「能力犯罪グループの作戦情報を入手したでござるから、それを伝えに来たでござる。」


「作戦?」


「簡潔に言うと、その犯罪グループは都庁を落としに来るでござる。」


「…犯罪グループの詳細は?」


EXEエグゼでござる。」


「爆弾能力者で有名の?」


「そうでござる。」


「ではこちらからも僕含め三名派遣しよう。僕ともう一人は都庁を、もう一人はグループ本部を制圧します。」


「協力ありがとうでござる。」









ールル宅ー

〜ルル視点〜


(最近は何も起きなくていいな。だが、そろそろ手がかりを掴みたいのだが…)


プルルル


「ん?電話?誰だ…ってスザク?」


「もしもし、どうしたの?スザク。」


「ルル、犯人の手がかりが掴めたかもしれない。」


「?!本当か?」


「ああ。それが犯人なのかの保証はないが能力の特徴とほぼ一致するグループの本拠地を発見できた。こちらとしても制圧してもらいたい。頼めるか?」


「ああ!」


「場所は後でメールに送っておく。」


「ありがとう、スザク。これで仇を撃てる。」

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