5.前職の退職
ブラックハウジングの内定が出て、入社手続き日や入社日が決まったあとにやらなければならないことがあった。
それは、前職の退職願を提出すること。
前職に決して大きな不満があったとは言えない。
ただ、色々と配慮されすぎてやる気がなくなってしまったのだ。
それに合併もなくなったとはいえ、雲行きは怪しい。
優しい上司に声をかけ、時間を作ってもらう。
自身の体調不良による欠勤や家族の体調不良を理由に8月末で退職したいと申し出た。
が、もったいないし、欠勤してもいいからいてほしいと引き留められた。
引き留めは正直意外だった。
それどころか、その日の午後には人事課長と上司と三人で面談することになった。
配慮できることはないか、非常に頑張ってくれているしもったいない、と言われた。
戻りたくなったら臨時職員で戻りますと伝えたが、それでも待遇が大幅に変わるためもったいないと言われた。
また、別の日には総務部長と二人で面談をしたり、上司と保健師と三人で面談をした。
それでもその時の私の意思は固かった。
産業医面談当日に欠勤をし、退職代行を決行したのだ。
後日、玉ねぎの箱に持ち帰りきれなかった私物と制服が詰まって届いた。
この経験はある意味、このあとすぐ役立つことになる…。