3.二次面接
数日後、佐々木部長からメールが届いた。
『事務責任者との面接をお願いいたします!追って、事務責任者からメールいたします!』
面接、もしかしたら二回やるかもしれないとは事前に言われていた。
とはいえ、やはり二回は億劫である。
そして、事務責任者からメールが届いた。
『梨本と申します。面接希望日時をご返信下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。』
今度はやたらと堅苦しい。
!がないので、本来のメールの文章のような気がするのだが不動産業界特有のテンションに慣れてしまったらしい。
恐る恐るメールに返信をした。
二次面接はまた小船契約センターで、クローズハウスより後の日時に決まった。
クローズハウスは練習だと思うことにした。
7月某日。
またしても小船契約センターの最寄り駅のベンチで同じことをする私。
今度はそばに就活生のような子が似たようなことをして座っていた。
頑張って、私みたいにはならないでと勝手に願っていた。
そして、ちょうどいい時間に着くよう改札から向かった。
「恐れ入ります、10時から面接を約束しております田中と申します。」
『梨本です。宜しくお願い致します。どうぞおかけ下さい。』
梨本課長は文章と違って、優しい印象であった。
前回受けさせられたテスト結果を見て、ストレス耐性について聞かれた。
正直、そこは自信がない…。
が、大丈夫と押し通すしかなかった。
また待遇についての紙を見せられ、改めて月給やボーナスの低さを感じさせられた。
『結果はなるべく早く、メールできたらと思います。』
このときの私は呑気なので、早く内定が出ますようにとしか考えてなかった。