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巻き込まれた者達

この小説を読んでいただきありがとうございます。これからも温かい目で見ていてください。

「生きて…」そういって俺、川上春風(かわかみはるかぜ)の幼馴染、朱堂菖蒲(すどうあやめ)は1つのお守りを俺に渡した。それが彼女の最後だった。「死ぬな…死ぬんじゃない。」大粒の涙が溢れ出た。「うぁぁぁくそどうして…どうして菖蒲が死なないといけないんだ許さない許さない殺してやるお前ら全員ぶっ殺してやる」俺は地面をたたいて今まで出た事もないような殺気の籠った言葉が出た。

 〈数時間前〉

「おーい、春風待ってよ〜」菖蒲が呼ぶ。「さっさと買い物ぐらい済ませて帰るぞ」そう俺は彼女に言った。「せっかくのデートなんだしゆっくり行こうよ~」菖蒲はそう言って俺と手を組んだ。「あほなこと抜かしてないでいくぞ」俺がそういうと彼女は頬をふくらませた。俺たちは買い物を終え、店を出た「よーし買い物終わり!」菖蒲は満足げな笑顔でいった。「そういえばあこに美味しいアイス屋さんが出来たんだって。お金余ったし買ってくるね。」そう言って彼女はアイス屋の方に走っていった。その直後『ウ“ゥゥゥン』というけたたましいサイレンが鳴り、一瞬にして辺りが火の海になった。俺は走って菖蒲の行ったアイス屋の場所まで走った。その途中で菖蒲は道に倒れていた。「菖蒲、おい菖蒲大丈夫か」俺が呼びかけると菖蒲は目を開けて「春風生きて…」そういって菖蒲がいつも大事にしていたお守りを俺に渡した。「おい、そんな最後みたいなこというなよ…」俺はそういったが菖蒲からの返事はなかった。そして俺は大粒の涙が出た。「うぁぁぁくそどうして…どうして菖蒲が死なないといけないんだ許さない、絶対に許さない殺してやるお前ら全員ぶっ殺してやる」俺は地面を『バン』と叩き言った。それと同時に俺の意識は遠のいて行った。

 〈数日後〉

「うぅん、ここは?俺は死んだのか?」見覚えがなく視界一面が真っ白だった俺はつい心の声が漏れてしまった。「ここは町に緊急に設置された診療所です。それにあなたは生きていますよ。」聞き覚えのない女性の声が聞こえて俺は起き上がった。視界一面の白は診療所の天井だった。「あなたは空襲にあった場所から運ばれてきたんです。」その看護師の女性は言った。「あなたの名前は?」俺は看護師の女性に言った。「私は柊桜子(ひいらぎさくらこ)です。」女性はそう名乗った。「そういえば菖蒲は?俺の近くにもう一人朱堂菖蒲って名前の女の子がいませんでしたか?」俺は焦った様子で言った。「すこし待ってください。この中にその人はいますか?」そう言って柊さんは入院中の人の名簿を見せてきた。「・・・いない。本当にこれで全員なんですか?」俺は嫌な予感がした。「そう気を荒立てないでください。ほかの患者さんもいるんです。」どうやら俺は怒っていたようだ。「すいません...」俺は謝った。「立てますか?少しついて来てください。」柊さんはそう言って俺を外につれていった。そこには多くの人の亡骸が並んでいて、中には顔を知っている人のものもあった。「ここにはいますか?」そう言われて俺は柊さんのむなぐらにつかみかかった。だけど柊さんは何も言わなかった。俺は手をゆるめ、辺り探した。俺は膝から崩れ落ちた。「残念ですがこれが現実です。ちゃんと前に進んでください」柊さんは俺にそう言った。「柊さんはこういう経験がないからそういう事が言えるんだ!」だが俺は柊さん当たり散らすように怒鳴った。すると柊さんは大きな、それも怒りのこもった声で「私も親と妹を殺されました。ですが時間は待ってくれない。私も初めのころは親と妹を殺されて心を病んでいました。ですが行動しないと何も始まらないんです」そう言った。俺は少し沈黙し言った「さっきは無神経なことを言ってしまいすみませんでした。」俺は柊さんに深々と謝った。「いいえ、私があなたと同じ立場なら同じことを言っていたと思いますし。」と彼女は言った。「さあ中へ戻りましょう。」彼女はそう言った。俺は手を合わせ、心の中で誓った。「絶対あいつらに報いを受けさせてやる」と。そして俺は柊さんと病室に戻った。

 〈翌日〉

俺は外でしゃべる大きな声で目が覚めた。おれは柊さんに「何かあったんですか?」と聞いた。「あれは、軍の人間がここで回復した人を徴兵しに来るんですよ。なんでも今は人手が足りないとかで、まあとにかくかかわらないほうがいいですよ。あんなの命を投げ出すようなものですよ。」俺はそれを聞き終わる前に診療所を飛び出していた。「あの国に...ロシアに行けるんですか?」俺は焦った声でいった。「ああ、当然だろ。」と軍人は言った。「何してるんですか春風さん!さっきの話を聞いていましたか。これは命を投げ出すようなことなんですよ。」そう言って柊さんは俺を引き止めた。「止めないで下さい。俺は自分の意志で、自分の目的に向かって行動します。」俺は引き止める柊さんを横目に軍の車に乗った。

※これはフィクションです。国名、人名、土地名、出来事などは現実とは一切関係ありません。

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