種族【実情】
§真転創世紀§より抜粋
精霊は当初、2種に分かれていた。
光・闇・火・水・風・土いずれか一つの属性にしか属さず、神と王への忠誠心そして純心を持った純聖精霊族。
そして、光属性を伴うことを前提された火・水・風・土・理の元素の2属性を持つ代わりに“意思”を持たない高位精霊族。
有翼人種はその昔“高位精霊族”と呼ばれる、精霊の中でも神と王に近い存在だった。
だが、姿形は似ていても漂う事しかなかった。
ただ、森羅万象の中に“在る”だけの存在だった。
万物を司るユグドラシルの化身でもある神は、彼らに言った。
“この赤い実に触れてはならない”
それがユグドラシルの意思なのだと、彼らに教えを説いた。
《中略》
純聖精霊族は、素直にその言葉に従った。
しかし、高位精霊族は疑問を抱いた。
やがて“意思”を持った高位精霊族は神と王に“憧れ”を抱くようになる。
大地に足を付けて自らの意思で歩きたい。
彼らのような力が欲しい。
掟が破られるのに、そう時間は掛からなかった。
ユグドラシルに生る赤い実を食べた者たちは、次々と大地に足を下ろした。
《以下略》
これが、九曜一族に伝わる【真転創世紀】の一文です。