無知観の頗る反映する或る夏の日のいちじつ
無知観の頗る反映する或る夏の日のいちじつ
緑色を黄色の太陽光線が跳ね上げ 草のにおい
風を感じる蝉の声が耳の中へとゼルーゼルー 私の吐息
川の中へと足を踏み入れる麦藁帽の少年たち 白色の水流
顔を上げ地表近く 雲の武者とその馬
田圃にはられた水に生息する数々の虫たち ワラワナイ緑の蛙
神々に捧げられた草花 大岩のその不動の灰色
そしてまたここへと帰る
青雲の中に映しこまれる小さい姿
共有し感応するこの世界へと開く扉の入り口をまだ知らない
囁きかける木々たちの声は そこへと踏み入れたものを
拒絶することは無い 怒りと妄執にかられたものをも
ただ やさしくみまもり ほほえみ続ける
これを反真理といい無意味だという
この我が身の そして わが心の狭きこと 言うまでもない
とどまることを知らぬ 我が病という免罪符を得た我欲
古の聖者をも我が足元へと導かんとする我見 執着 主張
甚だ受け入れ難きことこの上なし
気の晴れる思いがするのは 長旅の途上 道標の間違いを人に諭し 底知れぬ谷に導く天邪鬼のような 気分なり 醜悪至極
我が身上に立ちふさがった 障壁 我が不徳の致すところなり
苦しみは うらみす けれど 我が所為といささかも思えぬこと これ事実
前述のところに末席の末席ではあるが 在りながら事実とここに記すは無様であること この上なし
ひとがたの我に巣くう第一意義なりと導欲求の門を叩けば開く住みやすく生きやすい
最末世に現れた自在の人の世と 思うは 我の誤りか 謝りか
そしてまたここへも帰る
今は聞こえるそこにも静寂があったことを
告白されその意味を理解するのにかかる時間 無間のごとし
絶え間ない警鐘の音 聞き聞き入れざること また無間の如し




