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世界最強になりたくて  作者: ちも( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
6/9

勇者と魔女

「イヴ…素敵な名前じゃないか。」




「うるさい。別にあなたに褒められたくない。」




どうやら少し気の強い子らしい。


戦っている最中は攻撃を避けるのに必死だったため拝見するタイミングがなかったが今はそんなこと気にする必要はないので彼女を思わずまじまじと見てしまう。


サラサラでよく手入れがされた金色の髪にパッチリと開いた目は吸い込まれそうに綺麗なブルーの瞳。いわゆる碧眼というやつだろうか。鼻筋はスッとしておりぷっくり桜色の唇。


スッキリとした身体に発育のいい胸。身長は160cmぐらいだろうか。まさに完璧と呼ぶにふさわしい見た目である。




「何?」




(し、しまった!じろじろ見すぎたか。)




「ご、ごめん。…じゃなくて!」




思わず反射的に謝ってしまった。悪いことはしてない。うん。断じて。


気を取り直していろいろ質問を投げかけてみることにする。




「まず、何で出会って即殺意丸出しで殺しにかかってきたんですか?」




「人が嫌いだから」




「君だって人間じゃないか…」




「何か言った?」




「いえ。なんでもありません。」




「それより!あれは一体なんなの?まずその説明をして欲しいのだけど。」




イヴはそう言うとずっと微動だにせずうずくまっているボロボロのナルを指差しながら言う。


べ、忘れてたわけじゃないですよ?




「あぁ。あれは俺のスキル【マイフェイク】で作った偽物だよ。ほら」




ナルがそういうとボロボロナルは霧状になって消え新たに綺麗な偽物のナルが隣に出現する。




「肉体しか再現できないから動かしたりはできないんだけどね。」




「ふーん。魔法か何かだと思ったけどスキルだったのね。納得。すごい再現度ね。」




「動かないからよーく観察すれば偽物だってバレちゃうんだけどね。」




「それでもあの状況でよく抜け出せたわね。」




「僕が出せる全力の魔法を一点にぶつけまくって小さな隙間を作ってあとは防御系魔法をフルで展開して無理やり出た。それでも結構ダメージくらっちゃったけどね。ほんと死ぬかと思ったよ…」




「まあ殺すつもりだったし。」




身も蓋もないこと言う。




「まああとはバレないようにフェイクを作って本物の僕は氷壁の影に隠れてたってわけ。」




「なるほど…ね。強いのねあなた。」




急に素直に褒められると思わず照れてしまう。




「私もいろんな勇者や冒険者に出会ってきたけどあなたみたいな人ははじめてよ。」




「それはどうも。お褒め預かり光栄です。」




ほんとついさっきまで殺されそうになっていたとは思えない会話だ。




「君はどうしてそんなに人を恨んでいるんだ?」




「言いたくない。」




はっきり物をいう子だ。


だが初めての会話にしては踏み込みすぎただろうか。


































ヒュゥゥゥ––……




























「…!?危ない!!!」




話をしようとした途端彼女の背後から風属性の刃と炎を纏った槍がこちらに向かって飛んできた。


咄嗟に彼女を抱き抱えるようにして守りすぐに結界を展開するがあまりに唐突の出来事に炎の槍は防ぐことができたが風の刃は速度が速く結界が間に合わず腕と足に鋭い痛みが走る。


どうやら少し掠めてしまったみたいだ。むしろ直撃しなかっただけ幸いと言ったところである。




「ナル!」




「大丈夫。少し掠っただけだ。怪我はない?」




「だ、大丈夫。」




よかった。彼女には当たっていないみたいだ。ホッと安堵の息を吐くと奥から3人ほど話し声が聞こえてきた。




「おいおい違う方にあたってんじゃねえか」


「困るよぉ。邪魔しないでおくれよ。」


「不意打ち失敗じゃないか。早く終わらせて帰りたいのに…」




(なんだこいつら。剣や魔法の杖を装備しているあたり他の勇者かそれか盗賊の類か?)




「お前ら何者だ!」




彼女を抱え立ち上がりながら3人に声をかける。


足と腕が少し痛むが我慢できないほどではない。




「あ゛?そりゃこっちのセリフだ小僧。そいつ魔女だろ。庇ってるようだがお前こそ何者だ?」


「悪いけど俺らそいつを捕らえてこいって依頼で来ててよぉ。邪魔するならお前も始末するぞ?」


「あたしらも暇じゃないんだ。あまり時間はかけさせないでおくれ。」




「ナル…こいつら…。」




「あぁ…多分どこかの勇者か盗賊だ。大丈夫俺が守る。隠れていて。」




「う、うん。気をつけてね?。」




僕は「まかせて」とグッと親指を立てて返事をすると奴らの方を向いた。




「あんた勇者か?」




がっしりとした体格に所々傷がついてよく使い込まれているのだろう金属でできた鎧のような防具をつけた


3人組の中でおそらくリーダーであろう真ん中の男が声をかけてくる。




「そうだけど」




いつ攻撃が来てもいいように警戒は緩めず返事をする。


男は「そうか」と短くつぶやくと僕の体くらい巨大な大剣を構える。




「世界を救ってくれる勇者様かも知れねえが魔女の味方をするってんなら話は別だ。悪いが2人とも始末させてもらう」




リーダーはそういうと横の2人がリーダーに対し強化魔法をかけ始める。




「フライングムーブ!」


「ディフェンスブースト!」




続けてリーダー本人も自身で強化魔法をかけ始める。




「グランドパワー!」


「重心固定!剣速上昇!」




(鬼か!)




初手から全力の相手に対してナルも守りを固める。


相手の動き方がわからないのでまずは守りに徹してから隙を見て攻撃を仕掛けるのがナルの主な戦い方である。なのでまずは相手を観察するところから始めなければならない。


今回はフレアホールのような目立つ防御魔法は使わず結界と身体能力強化魔法と闇属性の魔法で少し重力を調整する。




「行くぜぇ!」




まずは話し合いでもと思ったがいきなり攻撃を仕掛けてきたような奴らだ。それは難しいだろう。


そんなことを考えているとリーダー格の男は剣を構えたまま一瞬にして距離を詰めていた。


胴体を切り裂くように降り下げられたが結界で防ぐとすぐ横に飛び距離を取ろうとする。が、流石に相手も一撃で終わるとは思っていなかったのかすぐにこちらの動きに対応しすぐ目の前までくると薙ぎ払うように横切りを繰り出してくる。


ナルも負けじと土属性の壁を作り防ごうとするが最も簡単に壊され再び結界で防ぐ。


その隙に少し反撃をしようとフレアランスを使おうとしたところで横から魔法による攻撃が飛んでくる。


仲間の2人による援護攻撃だろう。なんとか結界で防ぐことはできたが反撃はうまくいかなかった。


結界には耐久度があるため攻撃をくらい続けるといずれ壊れてしまう。




(クソッ。向こうも流石になれてる。連携が上手い。こちらからも攻撃を仕掛けていくしかないか…。)




そう言ってる間に間合いを詰められお得意のコンボを決めてくる。




「おいおい!威勢が良かった割には守ってばっかしじゃなねぇか!」


「手応えねえなぁ」




(クッソぉ言ってくれるな)




「だったらこっちも反撃開始だ!フレアサークル!」


・フレアサークル


 竜巻状の炎の檻に相手を閉じ込める。攻撃にも防御にも使える。




竜巻状の炎の檻にリーダー格の男を閉じ込める。




(よし。今のうちにあの2人を倒す。)




「バブルローション!」


・バブルローション  


 少し粘度の高い水がシャボン玉のように飛び、当たると破裂し水がまとわりつく。身体的ダメージはない。




「な、なにさこれ!」




敵2人に見事あたり2人は水浸しになる。粘度が高く水がまとわりついているからか苦虫を噛んだような顔をしている。




「これでトドメだ!ライトニングクラッシュ!」


・ライトニングクラッシュ


 手元から無数の雷を対象に浴びせる。速度が速くダメージよりも感電性の方が高い。




水を浴びせてあるので普通よりも威力も高く感電性も高いだろう。


これで2人が行動不能になれば勝機は十分にある。




「うおぉらぁ!!」




しかしナルの手から飛んでいった雷は2人に当たることなくいつの間にか炎の檻から抜け出したリーダー格の男が剣を横に薙ぎ払うことで相殺する。




「大丈夫か?お前ら」


「悪い 助かったよ。」


「ちょっと油断しちゃったねー」




「マジかよ。」




(いつの間にか炎は消えてるし…フレアサークル吹っ飛ばしたんかこのおっさん…)




ちらっと後ろを見ると物陰に隠れ心配そうにイヴがこちらを見ていた。


カッコ悪いところばっか見せてられないな…




(よし!出し惜しみはなしだ!全力で行こう)




相手は再びリーダー格の男を先頭に後ろ2人はいつでも魔法を放てるよう杖に魔力を込めている。


対しナルも全身に魔力を込め戦闘の構えをとる。


周りから戦闘不能にし自分の場を作り最後にリーダー格の男を倒すつもりだったが、そんな悠長なことはしてられないと次はリーダー格の男と正面からやりあうつもりだ。




「こっちの方が手っ取り早いからね。さあやろうか。」




次はナルの方から先に動き敵に向かって一直線に向かって行く





一難さってまた一難といった展開ですね。

自分の頭の中描いているより描いてみるとワンシーンワンシーンがめっちゃ長くなって大変です_:(´ཀ`」 ∠):

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