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世界最強になりたくて  作者: ちも( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
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金碧の魔女4 イヴ=ローゼン

「よお。昨日ぶりだな」




「帰って。」




「昨日と同じセリフだな」




昨日と同じセリフ、同じ姿、同じ声、そして昨日と同じ不信感を抱いた人を拒む目をしていた。




(よーしまずは会話だ。話すことから始めよう。)




「あ、あのさ」




勇気をだして話しかけた瞬間目の前に氷の槍が飛んできた。


できるだけ不信感を与えないようにしたつもりだったがダメだったみたいだ。




「おいおいおい!俺は敵じゃない!君と話がしたいだけなんだ!」




なんとか避けれるやつは避けるが距離が近いため何発か避けれない槍が出て来るがフレアホールで溶け弱まった槍は結界に弾かれていく。




「話すことなんて…ない」




はじめて違うこと話してくれたと思ったのも束の間、地面が急に崩れ足場が悪くなったところに氷のレーザーのようなものが飛んでくる。風属性の魔法を駆使してそのレーザーを上に飛ぶことで回避する。壁に当たった氷のレーザーは被弾すると同時に形を変え槍状になると空に飛んで逃げたナルに向かって二の矢が襲う。




「マジかよ…!」




ガギィイン!!




結界とフレアホールを張っているため肉体への直撃は免れたがどうやらその氷の槍はさっきまで使ってきていた槍より威力が高くなっていたらしい。フレアホールで威力を弱めきれず内側に展開している結界にぶつかり凄まじい音を響かせながら消滅する。




(結界がなかったら即死レベルだぞ…。できれば戦わないでなんとかなればと思ってたけど無理そうだな…。)




もしかしたら話し合いで目的を果たせるのでは?と思っていたがどうやら相手はそんなつもりがないらしい。


防御一体のナルだったがこのままでは埒が明かないと判断し攻撃に転じる。




「グラウンドペイン!からのエアリアルスラッシュ!」




・エアリアルスラッシュ


 風属性魔法。風の刃を飛ばすウインドリッパーの上位版。


 威力が上がり一度に5枚の刃が対象に向かって飛んでいく。




グラウンドペインで足場を悪くしダメージを与えるつもりだったがどうやらこの氷の地面は彼女の力でできているらしく氷でできた地面の下の部分が沼状になっていた。地面の上に氷の板が乗っている状態といえばわかりやすいだろうか。当たれば致命傷になってもおかしくない威力のエアリアルスラッシュだが魔女は同じく氷状刃を出現させると風の刃にぶつけ相殺した。


風と氷の刃がぶつかり合い土煙が舞う。その土煙に紛れナルは肉弾戦に出る。




「バーンナックル!」




・バーンナックル


 火属性魔法。炎を纏った拳で対象に攻撃する。威力が高く魔力消費も少ない。




しかしうまく不意をついたつもりだったが氷の壁を2重で出現させ炎を纏った拳は見事に防がれ更に氷でできた剣での攻撃が迫ってきたので慌てて後ろに飛ぶ


なんとか体勢を立て直し上手く着地を決めた瞬間目の前に男性の腕ぐらいのサイズはあるであろう氷の刃が目の前に迫ってきていた。『アイシクルリッパー』切断性に優れた氷属性の技だ。


間一髪のところで上体を後ろに逸らすことにより回避する。




「なかなかに手強いな…。だったら…!フレアパレット!」




・フレアパレット


 空から火の球が降り注ぐ魔法。威力も高く広範囲




魔女はその攻撃を氷の盾を出現させることにより防ぐ。


しかしナルもその動きは読んでいたのか二の矢を放つ。




「フレアランス!」




先程のベアモンクの戦いでも見せたオールレンジと多重発動を使いフレアランスを魔女の周囲に発動させる。




「…!」




流石に予想していなかったのか一瞬びっくりした魔女だが自身の4方に氷でできた壁を出現させることによりナルの攻撃を防いだ。




「マジかよ…まさか全弾防がれるとはな…。」




一発でも当たればと思い放ったナルの十八番であったがそれをものともせず防がれ冷や汗を垂らす。




「すごい技を使うのね…。少しあなたを見くびっていたわ。」




ナルの強さを過小評価していたのか同じくこのままでは埒があかないと判断し魔女の手に魔力が込められいく。


すると次第になるの周囲に雪のような氷の粒が降り始める。




(すごい魔力だ…これは流石にやばいな)




やがてナルを中心に竜巻が起こり氷の粒は拳サイズまで大きくなると鋭利な刃物のようなものに変化し始めた。徐々に威力を増していき氷の刃はナルの体を切り裂き始めた。




「っく!完全に檻の中って感じだな。防御魔法が使い物にならなくなってる。一か八か…賭けるしかないか」




フレアホールでも威力を弱めることができず結界が最も簡単に壊される。


もう出し惜しみをしている場合じゃないとナルも一か八かの賭けにでるため全身に魔力を集中させる。




「これで終わりよ…。アイシクルトルネード…!!」




氷の竜巻は最大威力になりそのままナルを飲み込むように中心に向かって収縮していく。
































ドォォオオオオオオオン!!!




























ーー爆発音。




氷の竜巻は最後にナルを飲み込むと森全体に響き渡るであろう凄まじい音と大爆発を起こし周囲を新地にした。そしてその中心には魔女の放った大魔法の直撃により身体中が切り刻まれ服はボロボロとなりきぜつしているのか全く動かないナルが倒れていた。




「はぁ…はぁ…。」




このままではらちが明かないと判断したのか魔女も氷属性の上級魔法をつかってきた。




・アイシクルトルネード


氷属性と風属性の合成技。魔力の消費は激しいが威力、範囲ともに強力な魔法




「あなたは…危険…」




最後の力を振り絞り氷でできた剣を出現させる。倒れて動かないナルの心臓目掛けて魔女はその剣を突き立てた。






























「さよなら」


































「これで終わりだぁああああああ!!!」




魔女がトドメを刺そうと剣を振りかざした瞬間背後の氷壁から‘‘その男’’飛び出てきた。




「ウッドバインド!」




・ウッドバインド


 木でできた蔓により対象を拘束する。引火性がありよく燃える。




そこには魔法で地面から木の蔓を出し魔女を拘束するナルの姿があった。




「そんな…!これは…どうして…!」




状況が理解できない。今自分がトドメを刺そうとした存在は確かに目の前に倒れている。


しかし今自分を拘束している存在もまた同じ見た目をしていた。


倒れている存在から魔力は感じ取れない。魔法で作った分身ではない。つまり今自分の目の前には同じ存在が2体いることになる。




「…っく!このっ!」




すかさず魔女は氷の魔法を使って蔓を切断しようとするがナルが周囲を炎属性の魔法で囲い制止させる。




「やめておけ。木属性の魔法だ引火性が高い。さすがの君もこれを食らえばひとたまりもない。




「うっ…」という声を漏らし脱力する。




「君の負けだ。多分だけどもう魔力もほとんど残ってないんじゃないか?」




ナルの言っていることはもっともだった。蔓ごと体を燃やされたらいくら魔女といえど致命傷だ。それに運よくこの拘束から抜けられたとしてももう魔力が無いのでは戦っても勝ち目がなかった。


それを理解したのか残った力で抵抗していた手が蔓からゆっくり離れる。




「う…うぅ…。パパ…。ママ…。うぁああああ。」




この状況から覆すことが不可能だと認め、人生の終わりだと思ったのか突然泣き出してしまった。


勿論それは大きな勘違いである。




「ちょっ!ちょっと待ってくれ!俺は別に君を殺すつもりはないし危害を加えるつもりは無い!」




「何よいまさら、じゃあ奴隷にでもしようってこと?私は奴隷になるくらいなら自害を選ぶわ。」




「違うって!俺は君と話がしてみたいだけなんだ。奴隷にするつもりもない!」




「あれだけ攻撃してきたのに話がしたいだけなんて信じるとでも?」




「あれはあくまで防衛行動だ。」




「うっ」




自覚はあるのか少し気まずそうな顔をする。




「全く…」と一言愚痴を漏らすとナルはその辺に転がっている氷の破片を起こし椅子がわりにして腰掛けた。




「ほら」




ナルがそう声をかけると彼女を拘束した蔓が解けていく。


彼女用に氷の椅子をもう一つ用意すると「まずは自己紹介からだ!」と話し始める。




「俺はナル=ブルーム。一応勇者をしてる。この世界にきたのは2日前。まあのんびり魔王討伐でもして行こうかなーって感じ!君は?」




「イヴ。イヴ=ローゼン」




椅子に座り自己紹介を始める彼女は魔女というより普通の女の子だった。









投稿が遅くてすいません。

地道に投稿を続けていきますので

気長にお待ちいただければなと思います_:(´ཀ`」 ∠):

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