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世界最強になりたくて  作者: ちも( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
3/9

金碧の魔女2

「っく!アースランス!」




俺は地面に手をつき魔力を込めると地面が円錐型の槍が5本虎型のモンスターに飛んでいく。


虎モンスターはその槍を横に飛びかわすと力強く地面を蹴り目の前までくると太さ10cmはある巨大な爪で切り裂いてくる。俺は結界魔法をはり攻撃を防ぐと一度距離をとった。




(強い…。今まで戦って来たモンスターの中でも確実にトップクラスだ…)




メインさんに挨拶を済ませさっそく街近くの森に来たのだが森に入ってすぐ強烈な殺気を感じ取り警戒していると木の裏から体長2mは超えるだろうこの虎が出てきた。


俺はすぐ身体能力強化魔法をかけ戦闘態勢を取った。




(くそ…今の一撃で結界にヒビが入ってるいる。もし結界を張っていなかったらって考えるとゾッとするな…)




攻撃力、速さ、硬さ。どれをとってもナルが今までの世界で戦ってきたモンスターと比べるとどれも上位にはいるほどだった。




(けど…!)




「アースランス!」




おなじ魔法を放つが先程とは少し違う。


今回は虎型モンスターの背後から背中に向かって槍が飛んでいく。


敵はギリギリの所で槍に気づくとそれを飛び上がって回避しようとするが気づくのが少し遅かったのか左足に槍が突き刺さる。




「グガアアアアア!」




着地の瞬間痛みからか少し体制が崩れる。ナルはそれを読んでいたかのように次の魔法を準備していた。




「グラビティダウン…!」




・グラビティダウン


指定した箇所から半径2mの距離の重力を倍にする。


発動まで時間がかかり着弾速度は遅め




重力が倍になり虎型モンスターは身動きが取れず苦しそうな顔をしている。




「もう少し反応が早かったら危なかったよ」




ナルは身動きが取れない敵にトドメを刺しにアースランスを放つ。




「グ、ガァ…」




虎型モンスターは槍が体を貫通するとその場で絶命した。




「まあ普通背後から槍が飛んでくるなんて思わないよな」




魔法とは通常術者を中心に直線上に放たれる。


しかし先程の戦闘でナルの魔法は敵の背後から放たれていた。




【オールレンジ】


・Aランク


魔法を好きな位置から放つことが出来る。ただし術者の視界にうつる範囲のみ。




(俺が持つスキルの中で1番使い勝手がいいんだよなぁ)




(さっきの戦闘で少し魔力を消費したけどまだ戦うことはできる。それに気になる…この先どんなモンスターがいるのか。それに…)




「氷の魔女…か」




そんなことを考え歩いていると植物型のモンスターがうねうね動いている。




「フレアリッパー!」




オールレンジを駆使して炎を纏った刃が4方から飛んでいく。


植物型のモンスターは切り刻まれると切り口から燃え上がり絶命する。




2、3時間くらい経っただろうか。


虎型、ゴリラ型、植物型、触手のたくさん生えたよくわかんないやつ。


いろんなモンスターが出てきたが特に問題はなく森を散策していた。




「結構奥まで来ちゃったな…うーんなんだか敵も急に少なくなったし今日はこのへんにしておこうかな。」




(街の散策もしたいし話も聞きたいし…)




ナルは街へ帰ると決めたのだが来た道を戻るのも何かもったいない気がしたので来た道とは別のルートで街へ戻ることにしていた。


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(おかしい…。)




ナルは道を変えて変わったことや何かこの世界を知るヒントがないか探っていた。


しかし森を歩いている間ナルはずっととある違和感を抱いていた。




(敵がいない。いなくなるほど倒したわけでもない。出てこないどころか気配すら感じない。まるで森からモンスターが姿を消したみたいだ…。それにこのさっきから感じている妙な…結界か?いや少し違うな。)




ナルはこの異常な気配を感じ取ってからずっといつでも戦える態勢をとっていた。そこに敵はおらず出でくる気配すらないのにだ。




ナルは気づいていなかった。自身が知らない間に“その“領域に足を踏み入れていた。










「…っ!!!」














「っはぁ…!はぁ…!」




(なんだ今のっ!)




わからない。何が起きたのか。何かが自分を襲ってきた。そんな感覚。けどその“何か“が何なのかはわからない。脳が全力で語りかけてくる。逃げろと。




(逃げろ!逃げろ!)




「いや…」




逃げなきゃいけないそれはわかっているでも知りたい。この先を。何がいるのかを。




(…進もう。)




逃げたい気持ちを抑えてすすんで行く。とてつもない圧力が迫ってくる。




「気圧されそうだ…けど…これは」




(圧迫感がすごくて今にも逃げ出したくなるほどだけどこれは殺気なんかじゃない。これは…?落ち着け…まずは現状把握。)














一息整えて周りを見るといつの間にか自分の周辺が一面氷でできていた。
















「氷の魔女…。望む所だ」




意を決して歩みを進めたところでどんどん圧が強くなっていく。


すると目の前から氷で出来た槍が数本飛んできた。


ギリギリのところでなんとか槍を回避しながらすすんでいく。




(避けれている…。けど少しでも気を抜けばやられてしまう。集中しろ…!)




「にしてもなんつー威力だよっ!」




なんとか避けることはできているが避けた後の槍は地面に突き刺さり氷でできた地面をえぐっている。




(どこだ…どこにいる)




攻撃を避けながらも意識を凝らして周囲を探っていく。




「あ…」




少し歩いたところ、そこは周囲に木が生い茂っており地面だけが氷でできていた。そしてその“少女“はその中心に立っていた。金髪の長いサラサラの髪にサファイアのような綺麗な碧眼の瞳そして白いワンピースの纏った少女だった。そしてその少女目があった。




「綺麗だ…。」




思わずそんな言葉とともに油断した。




自分の周りを氷の槍が取り囲んでいた。




「ちょっ!ちょっ!ちょっ!ちょっ!!!」




「帰って。」




「少しお話しませんか?」




「帰って」




綺麗な声だった。ずっとその声を聞いていたいそう思えるような。




「とか思ってる場合じゃないからぁあああああ!!」




避けても避けても槍が飛んでくる。しかも飛んでくる槍の量も次第に増えてきている。




(やばい。これはさすがに死ぬ。逃げるんだ一旦!)




再度槍が飛んできたと同時に体は来た道に向かって走っていた。




「はぁ…はぁ…はぁ…!」




走った。気づいた時にはやりも飛んでこず足元も元の草が生い茂る森の中だった。




「なんなんだあいつ。ガチで死ぬところだったぞ…」




(けど…とても可愛い女の子だったなあ)




「いやいやいや!!完全に殺す気だっただろ…あれ。」




(氷の魔女。聞いていた話以上だ。すぐ逃げてきたけどあの攻撃…氷の槍しか使ってこなかったけど一つ一つ速度、威力どれをとっても高レベルだった。けど…)




二度と出会いたくない。誰もがそう思う出来事だっただろう。


もちろんナルも普通の勇者同様恐ろしいまでの恐怖感や圧迫感を感じとっていた。死んでもおかしくなかった出来事だと自覚している。だがそれ以上の好奇心とときめきを感じているのもまた事実だった。




「ちゃんと話してみたいな。」




そんなことを思いながらナルはメインさんの待つ宿に向かっていた。




















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