Catch98 今度は激辛?
明けました。今年も宜しくお願いいたします。
私が暮らし始めた頃の高田馬場は、やたらとパチンコ屋さんと焼肉屋さんがある街でした。とはいえ、長らくご商売をなさっている魚屋・八百屋・豆腐屋・靴屋・時計店・喫茶店・花屋・瀬戸物屋・和菓子屋・写真館など個々の専門店も普通にあり、「その街の個性」程度の特徴に過ぎないレベルでした。
スーパーマーケットは駅の周辺に2つしかなく、それぞれの専門店は十分に共存出来ていた様に思います。
山手線の外側にはアーケードが連なり、天候が悪くても出歩くのに不自由は無い「とても暮らし易い街」だったのです。
コンビニエンスストアが「昔ながらの街のお店」を駆逐し、何を考えたのか新宿区がアーケードを撤去してしまってから様相がおかしくなりました。
ラーメン屋が増え始めたのは2000年くらいからだったでしょうか。全国からリュックサックを背負った「ラーメン好き」が押し寄せる「ラーメン激戦区」「ラーメンの聖地」と成り果てました。追い掛ける様にステーキやケバブなど従来あった韓国焼肉とは違う肉料理の店が増殖しました。こちらは肉料理ブームがそんなに長続きしなかったのか、もっと肉料理だらけの街が他にあったのか「聖地」にはならなかった様です。
今から思えば、街のお店が廃業し、空いたテナントにこうした飲食業が進出して来た、という事だったのでしょう。
おかげでゆっくりとコーヒーを楽しめた馴染みの喫茶店も、品揃え抜群だった蒲鉾屋さんも無くなってしまい、見渡せば肉・肉・ラーメン・肉・ラーメン・ラーメン・ラーメン……。中には3軒連続でラーメン屋が並ぶ、最早「異空間」と化した所もあったくらい。
各地から楽しみに訪れるラーメンファンの皆さんはいいかも知れませんけど、馬場に住んでいる私らは何を食べればいいんでしょうか。
そして今進行中なのは先日『Catch93 宇宙の中心』でお伝えした「ディープチャイナ」化です。激辛好きの私にとってはありがたい現象ですが、今度は「激辛の聖地」になるのかしら?
元々生まれ育った人たちが商売を続ける事が出来なくなり、お店も客も「余所者」が占めるって、どうしても不自然で暮らし難い街になりそうな気がして仕方がありません。
チェーン店の増殖も結局街を壊すだけだと思うのですが。