Catch95 下り坂の時代
アホをリーダーに選び続けたツケ。
私たちは今「下り坂の時代」に生きています。
官公庁に依る諸々の統計がある以上、こうなる事はずいぶん前から官僚や政権を担う政治家たちには分かっていた筈です。
敗戦で焼け野原になった日本が、現在の平和憲法体制の下で高度経済成長を遂げ、その「ソフトランディング」に失敗した“ツケ”が、あの狂乱の「バブル時代」と「その後」でした。
入社1年目のペーペーがボーナス6~7桁を貰い、海外のトップブランド品や高級外車を (ローンで)購入し、年に1度は海外旅行へ繰り出す「金余り」の時代。
弾けた後は悲惨でした。
「戦後最長」と政権が強弁し続けた2000年代の「好景気」は数字をいじくった「虚構」でしかなく、その間に「本当に私たちが使えるお金」=「可処分所得」は減り続けて今に至ります。人口も減少しており、この先上昇に転ずる見込みも無いのに更に増税と福祉の削減で「子どもを作るのは止めよう」と考える家庭を増やす有様。
そもそも人が減れば市場が縮小し貧しくなるって分かってます?
増税するのは「国際競争力を維持するために」と大企業に減税してあげた分を私たちが肩代わりする物で、福祉の削減はそれでも従来のサービスを維持出来ないからです。
そうまでして優遇された大企業が国際競争力を高めたかと言えば「否」です。むしろ半導体技術や通信、今回露呈したワクチン開発力のボロボロぶりなど、各分野で「世界の先端」から脱落しつつあり、挽回の目処も立たない状態です。
以前もこのエッセイで触れましたが、「企業の存続」を優先する余り「人件費」を「削れるなら削った方が望ましいコスト」とみなした果ての笑えない「負の連鎖」。
もう一度繰り返しますが、その「削った人件費」は消費に回る筈だったお金で、「企業努力」で「安くて良い商品・サービス」を用意しても最早所得を減らされ長年「もう少し我慢すれば」と工夫を重ねて生活を維持して来た一般人が、消費・購買に回すお金が尽き果てている状況なのですよ。
「企業の貯金」たる内部留保が史上空前の合計額になっても、買う人が減りまくってその先はどうするつもりなのでしょうか。
アホらしい事に、経済の専門家でもない私程度でも、こうなる危険性をバブル後の調整で「福祉政策の抑制」と“再構築”と称した人員整理をやり始めた時に考えたのに、職業として政治に関わる人たちや経済界は事ここに至ってやっと「マズイかも」と認識した様子なのです。
「再分配」と久しく聞くことが無くなっていた社会学用語を総理大臣が言い始め、「皆さん、安心してお金を使って下さい」と呼び掛けられても、無くなる一方のセーフティーガードを見続けていれば「出来る訳あるかぁ!」と思うのが当然でしょう。
日本以外の国が「リストラ」「賃金抑制」で一部を犠牲にして体勢を立て直し、すぐさま賃上げ→景気上昇の好循環を必死で手繰り寄せていた時に、我が国はボーっと何もせずに国民に我慢させ続けていただけだったのです。
暗い話はひとまず終わり。年明けにまた諸々の問題点を指摘させていただきます。