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Catch89 悪意の報道

事実無根の事象を記事にしてはいけません。

 嘘はいかん。


 大抵の人が子どもの頃に言われた事がある筈です。


 先日『Catch87 報道の劣化』で「民主主義の国で有権者が判断をする足しにならない報道が多すぎる」事に触れましたが、今回取り上げるのはそういう次元の話ではありません。もっと低レベルな事です。


 岸田首相の政治のルーツは出身派閥「岸田派」(宏池会)の創始者・池田勇人(いけだはやと)元首相だと自身が公言しています。


 その池田元首相が言った“暴言”とされるのが「貧乏人は麦飯を食え」。池田元首相は岸田氏も提唱する“所得倍増”を実現した政治家として名を残しておりますが、それと並んで伝えられるのが上記の“暴言”です。


 これを聞くと「池田という政治家はヒドイ奴だったんだな」と思ってしまうかも知れませんが、これが実は悪意に満ちたねじ曲げ報道だった事は余り知られていません。デマと言っても良いくらい。


 大蔵大臣 (現在の財務大臣)だった時にお米の値段が高くなっていた問題での野党の質問に対して、生産者の収入を守る必要もあり「安い価格を強要する事はしない、米もあれば麦もある、その中でやりくりして欲しい」という趣旨で「所得に応じて、所得の少ない人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に副つたほうへ持って行きたいというのが、私の念願であります」と答弁した所、質問者が「大蔵大臣が貧乏人は麦飯を食えと言った」と騒ぎだし、更に新聞記者が移動中の池田氏に喰い下がって「貧乏人は麦飯を食え」と言ったのかと質問し「それぞれに遣り様はあると思います」と繰り返したのを承けて新聞の見出しになったのが『池田蔵相暴言、「貧乏人は麦飯を食え」』でした。


 これはダメでしょう。やり取りをみれば分かる通り、池田氏自身は一言もそんな事は言っていないのですから。ねじ曲げもいい所です。


 戦時中にお上の意向に沿わない報道が全く出せなくなっていた反動からか、戦後のマスコミは何かと権力を批判すればそれで社会正義を貫いたつもりになり勝ちだった様に感じます。それでも事実無根の案件で権力批判をしたらあかんがな。


 安倍元首相がモリカケで「私も妻も1ミリも関わっていない」と啖呵を切って見せても誰も信じない、資料を開示請求したら慌ててその日の内にシュレッダーに掛けたなどと言う最近の事例とは訳が違います。


 こちらは黒塗りしたりシュレッドしたりで関与を証明する決定的な物証が表に出てきていないだけで、状況証拠は限りなくクロなんですから。


 最後に改めて「どんな意図があろうといかん物はいかん」。

はた迷惑さは余り昔と変わっていないのかしら。

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