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Catch78 価値観とボキャブラリー

単語に既に価値観が含まれる以上、解決はなかなか難しい事です。

 小説家の田辺聖子さんが綴った少し大人向けのエッセイ『女の長風呂』に夫婦の呼び方について論じた部分があります。男女平等の既婚者の呼び名は無いものかと様々な考察をしている物で、しっくり来る呼び名は中々難しい状況を再確認しています。


 田辺さん自身は仮に「相棒」でいいのではないかとしています。(もっと)もそのすぐ後で田辺さんらしいちょっとエッチな落ちを付けて終わるのですけど。


 私自身が「夫」だ「妻」だと性別に基づく呼び名ではなく、「◯◯」だけで男女共通の既婚者だと分かる呼び名があるといいのになぁと思っています。「主人」と言われましても私は妻を「家来」に持った覚えはありませんし。妻も私に仕えたつもりは無いと思います。


 男性が自動的に「上」になる様な呼び名になっている事も気になります。「旦那」とかね。


 便宜的に「相方」「人生の相方」などと表現していますが、やはり今は通じにくい気がします。もう少しフラットな言葉は無い物でしょうか。


 従来の価値観を進歩させるには言葉一つ取っても新たにより適した単語を選んだり作ったりして共通認識にしていかなければならない面倒な作業が必要です。


 ジェンダーで言えば「お父さん」「お母さん」などもそうですね。お母さんがいい匂いなのは「洗濯」していて「シャボンの泡」のいい匂いがする、というほのぼのした童謡があります。これも「女性は家事」と決めつけ刷り込む作用があるかも知れません。だからといってこれを「お父さん」に歌詞を変えればそれで済む様な話でもありませんし。


 「軍国教育」と同じで様々な物に価値観がちりばめられて、日常の会話から、教科書や先生の話から、歌から、書物から、「時代(或いは国)のスタンダード」を吸収し染まる様になっています。


 今、ジェンダー問題の理解を大きく拡げようとする流れが始まっていますが、環境問題と同様に反発し従来の価値観を変えたくない人たちの妨害や反対は根強く続く事でしょう。


 ジェンダー解放運動自体もこれまでの民族解放運動や格差是正問題の様に前進と後退を繰り返し、長い時間をかけて少しずつ進んで行く物と思います。

それでも長期的には進んでいます。

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