Catch54 忍者ショー
海外客をもてなすにはキャバクラよりも鎌倉ですね。ジャパネスクは強うございます。
日本をよく知らない外国の方々が東京を訪れてガッカリするのは「何処にも侍や芸者、忍者が居ない!」という事です。人力車や芸者さんは行く所に行けばお会い出来ますが、流石に武士や忍びの者を見掛ける事はありません。
「忍者や侍を見たいよう!」そんなニーズに応えて歌舞伎町界隈には“忍者ショー”を演るパブなども幾つかあるそうで。コロナ禍で海外からの旅行者は限りなくゼロに近くなっていますが、何とか持ちこたえて貰いたい物です。
関東エリアで忍者に会うなら栃木県の日光江戸村がいいでしょう。東京から1時間半程で行く事が出来ます。出迎えてくれるゆるキャラ「ニャンまげ」は東京オリンピックのエンブレムが盗作疑惑で採用取り消しになった佐野研二郎氏のデザイン。
園内は「あ~ら桃さん、お見限りィ♥️」(by 『桃太郎侍』)「ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイヨッ! 目出てぇなぁ」(by 『文七捕物帖』)な雰囲気の居酒屋やら忍者屋敷っぽい巨大迷路など正に江戸村という感じで色々時代劇の気分を楽しめます。
街角では突然因縁を付けられて切り合いになる侍とヤクザのチャンバラショーも。忍者ショーは園内の劇場で演っておりました。幾つかプログラムがあるのでしょうけど、私が観たのは「佐渡に流罪になった日蓮を鎌倉幕府の忍びが襲撃しようとして撃退される」という突っ込み所満載の演目でした。
佐渡で地元の人々に慕われ現地の女忍者もいつしか帰依する様になったお上人さまを、追放しただけでは飽きたらず亡き者にしようと企むワルい幕府。地元民を巻き込むまいとわざと一人村から離れる日蓮上人。
そこへ幕府の忍びが次々と襲いかかる! 自主的に護衛を買って出た佐渡の侍たちや「楓」という名のくノ一。多勢に無勢で徐々に日蓮たちは劣勢になって行き、遂にはお上人さまも錫杖で応戦し始めます(←『水戸黄門』でたま~に黄門さまが切り合いに加わっている感じ?)。
「鎌倉時代に忍者っていたっけ?」「佐渡にくノ一?」「鎌倉幕府のお抱え忍者?」頭の中を疑問符が飛び交い、舞台の上では手裏剣が飛び交い、客席の上を綱に掴まったターザン、いや違った、忍者がビュンビュン交錯しながらチャンチャンバラバラチャンバラリン。
お上人さまが危ない!日蓮上人を庇って致命傷を負う鎌倉時代の佐渡の女忍者。「お上人さま…こんな、アタイでも、極楽ってヤツに行けるのかな…」「行けるぞ、行けるとも……!」微笑みながら楓さんは事切れ日蓮は命の恩人の死に涙して。ジャア~ン!!感動のフィナーレです。
よく分かりませんが、何かに感動した事は確かです。コロナ禍の折り、旅行も中々難しい事と思いますが、機会があれば是非訪ねて見て下さい。
「歴史警察」の方々が目の色変えて飛び付きそうな凄い物でございましたです、はい。