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Catch48 言い訳の反多様性

この人、観測気球なのかな?

 2018年の事ですが、自民党の杉田水脈衆議院議員がLGBTを攻撃した文章を雑誌に寄稿して話題になりました。


 書く方も書く方なら載せる方も載せる方(新潮45という自称オピニオン誌)で、「LGBTは子供を作らず生産性がない」から行政や社会が理解に努める必要も無く支援を考え直すべき、との論旨を“多様性”を尊重しろというこの時代に発表してみせて何を啓蒙するつもりだったのか正気を疑います。とんだオピニオン誌もあった物です。


 すぐさま各方面から非難を浴びて杉田議員はtwitterで反論にもなっていない言い訳を並べておりましたが、書けば書くほど杉田氏個人と自民党(杉田議員は中国ブロック比例)の社会観がいかに幼稚な物であるかを浮き彫りにしている状態で、完全に逆効果となっていました。


 特徴的なのは抗議先が杉田議員だけでなく自民党にも及んでいた点で、彼女が自民党の多様化社会に対応する党の提唱に真っ向から逆らう主張を開陳していても何ら処分をする気配が無く、むしろ庇うかの様な発言が幹部や政権中枢から相次いでいたからに他なりません。


 国会では野党議員が“政権党の資質”を問う所まで踏み込んで糾弾し、テレビや新聞・週刊誌等のメディアでも批判的に報じられました。杉田議員や自民党の繰り広げる「意見」の危険さがいくつもの問題を持つ事を識者に指摘され、出てきた言い訳が「自民党は多様性を尊重する党なので、こうした意見があっても尊重する」という代物でした。


 レベル低下の著しい、言葉遊びの多い昨今の政界ですが、さすがにこれは酷かった。


 発言者は自民党の二階幹事長ですが、言うに事欠いて「多様性を否定する意見も受け入れるのが多様性」とは何事ですか。最早日本語になっておりません。


 杉田議員が過去に発言した意見を見渡せば、そこに浮かび上がるのは「比較多数の価値観や生活を保護するにはそれ以外の“標準外”=“普通でない人たち”の人権など認めなくてもよい」というナチスの優生理論のごとき時代錯誤な他者排除の世界観です。他者の存在や人権を否定して、自分たちだけの“美しい世界”を作ろうと行動に移した相模原の阿呆チンと同類です。


 しかも政権与党の国会議員という立場は実際に国のルールを作る事が可能な権限を持っている訳です。政局の如何を問わず、日本国憲法の前文で述べられている「人類普遍の原理」、主権在民主義と基本的人権を守る為に、“他者を尊重しない意見を尊重する”政治家から投票行動を通じてバッジを取り上げるしかありません。



 ところで、騒ぎが拡がる中で杉田議員が発した言い訳もどきのtwitterで「閣僚経験者にも賛同(励ましだったかな)頂いて」(←だから何なんでしょう?)に並んで「私にもLGBTの友人がいて」云々というコメントがありました。似たような言葉を聞いたなあ、と思っていたら、映画『ゲッベルスと私』でナチスの幹部だったヨーゼフ=ゲッベルス博士の秘書を務めていたドイツの老婦人ポムゼル女史がしきりに語っていた「私にもユダヤ人の友人がいて」だった事に気が付きました。


 多様性に鈍感な人々は言い訳も多様性が無いのかな、と思ってしまいました。

杉田氏や稲田氏はあの党にいる限り「女にしては良くやる」程度の扱いしかされないのに満足なのでしょうか。

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