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Catch40 タバコ

お酒といいタバコといい、嗜好品を悪と見なす風潮はどうにかならない物でしょうか。

 筒井康隆さんが書いた『最後の喫煙者』という小説があります。筒井氏自身を思わせる主人公の「オレ」が、社会ヒステリーの様に高まる禁煙運動に反発する物の、科学的な反論など全く顧みられないまま次第に追い詰められ、最後は「絶滅危惧種」として捕獲されかかる、という楽しくもそら恐ろしい一種のディストピア小説です。


 発表は1987年で、他にも作品のエッセンスは筒井氏が『噂の真相』誌に連載していたエッセイ『笑犬楼よりの眺望』にも書かれています。多少大袈裟に書かれてはいるのでしょうけれど、「医療論文で喫煙の効能などを投稿しようとしても掲載を拒否される」などフェアではない扱いをされていた事は、一般人の知らない所で情報がコントロールされている様で非常に気味悪く思った物でした。


 「禁煙ファシズム」は真相を知らされていない善意の一般人を「啓蒙」する事によって着々と固められている様です。


 何しろ専門家のレベルで「喫煙は悪い」という意見しか出す事を許されないのですから、反対する者はもはや「社会悪」扱いされて終わりです。フェアではない情報によって少数者を圧迫する。ファシズム以外の何者でもありません。



 キューバ革命の英雄・チェ=ゲバラをパッケージに使った『CHE』という銘柄があります。キューバ産の葉をブレンドしたルクセンブルクのタバコなのですが、専門店ならともかくコンビニエンスストアでは余り見かけません。置いているのは首都圏で言えば大手チェーン『ミニストップ』くらいです。


 一方でどのコンビニエンスストアでもほぼ置いている『LUCKY STRIKE』という銘柄。パッケージの真ん中に赤い丸が描かれ、ロゴが丸の中に書かれています。遠目にも日の丸に見えるこのデザイン。


 何が「LUCKY STRIKE」なのかというと、第二次世界大戦初期にアメリカ軍を苦しめた日本海軍の零式艦上戦闘機、通称「ゼロ戦」を撃ち落としたラッキーな米軍パイロットに配られた“ご褒美”だったのです。


 ゼロ戦は防御力を犠牲にして運動性を上げた戦闘機だったので、遅くて運動性も劣るアメリカの戦闘機が中々撃墜する事が出来ずに苦労していました。「運良く当てる事に成功したラッキーショット」にご褒美として出していたタバコなので『LUCKY STRIKE』。


 私たちのご先祖様を殺したご褒美は幅広く売っているのに、アメリカの搾取に喘いでいたキューバを解放した英雄を讃えるタバコの方は殆んど見掛けない。今の日本がアメリカの子分という立ち位置に甘んじている象徴的な現象かも知れません。

この件に関しては少なくともアメリカを儲けさせたくありません。

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