Catch21 文化
ゲッベルス、ブンカ-、と来て「文化」。いや、駄洒落じゃないですよ?
憲法25条に書き込まれている「健康で文化的な最低限度の生活」という文言。この場合の「文化」は明らかに「culture」の意味として使われているようですが、戦後のある時期に「カルチャー」ではない意味合いで使われる「文化」がありました。
今でもいくつかは残っています(消え掛かってますけど)。例えば「文化包丁」。これの何が「カルチャー」なのでしょう? あるいは「文化住宅」なんていうのも辛うじて意味が通じる“現役”の言葉に入れていいでしょうか。
やっぱり「カルチャー」な感じではありません。
種明かしをすれば、こうした言い回しの時の「文化」は「カルチャー」ではなく、「新しい」「進歩した」「自由な時代」というニュアンスを持った、「戦後」「現代」を表す言葉だった訳です。
新生日本を象徴する平和憲法に込められた「民主主義」を示すキーワードとして多用された「文化」。「文化放送」というラジオ局がありますけど、これもそう考えて見ると「カルチャー」ではない方な気がします。
中には新宿2丁目の男性LGBTさんたちが「これからは“オカマ”ではなく“文化女性”と名乗ろう」などと言っていた時もあったそうです。
私は橋行夫さんの『大東京音頭』がとても好きなのですが、4番の歌詞に「文化」が出てきます。〽文化日本の憧れ乗せて、夢は空から港から ♪ これなども「(平和な) 新時代」というニュアンスを以て聞かなければ意味不明な歌詞でしょう。
「文化日本」が平和憲法と共に末永く、と聞こえるのでこの歌が好きなのかも知れません。
少し短めです。