Catch207 家紋カモンかもん家紋ベイビィ!
一般人まで家のマークを持ってる社会は珍しいんだそうです。
今年 (2024)はえらく彼岸花こと曼珠沙華の開花が遅くなりました。西武新宿線を高田馬場→所沢→飯能と秩父の方へずうっと行くと「巾着田」という変な地名が有ります(最寄り駅は『高麗』)。この巾着田は曼珠沙華の名所で毎年この時期になると凄い数の観光客で賑わいます。
フェアだかフェスティバルだかのキャンペーンを設けて毎年ワイワイやっていましたが、いつになく遅い見頃に準備が無駄になりかかり関係者を慌てさせておりました。
私の生活範囲でも彼岸に入ってもまだ見かける事はなく「気候変動」と「天候不順」は深刻になって来た事を感じました。我が家のお墓は歩いて30分ほどの所に有りますのでお彼岸の中日に歩きでお墓参りに出掛けたのですが、その際に途中で曼珠沙華を発見!
彼岸の入りには間に合いませんでしたがギリギリセーフでしょうか。
お墓参りで墓地に行くとお寺の水汲み場にある手桶や墓石の基壇などに皆さまのお家の家紋があしらわれているのがた~くさん目に付きます。もちろん我が家のお墓にも。よくもまあこれだけ多くの種類がある物です。
家紋は気にする人は気にしますし関心の無い人は全く気にしません。私は興味がある方です。
先日、自分の家のお墓に彫ってあった紋が何なのか調べようと考えていた所、知人の元右翼の活動家で今はやる気の無い創価学会員の方から『家紋大図鑑』という本をお借りする事が出来ました。
家紋に意味を持たせている「家制度」自体が薄れている中で家紋も廃れていくのかも知れませんが、取り敢えず自分の家の家紋が何と言う紋で何を表している物なのかくらい私は知っておきたい。家制度にはプラスの意義を感じませんが、歴史に関わる物なので。
家紋は大きく分けると物を象り簡略化した図象と幾何学的な紋様と2つのタイプがある様に思います。徳川氏の三つ葉葵や天皇家の十六菊は前者で武田氏の四つ割菱や北条氏の三つ鱗は後者でしょう。
ところが一見幾何学的に見える物も「菱」「鱗」と呼び名がついている通り、「菱の実」や「魚の鱗」など大体は自然界にある実際の物を物凄く抽象化したデザインです。足利家の二引両 (丸に横線)なんて完全に幾何学文様だと思っていましたが、『図鑑』によれば二本の横線は諸説がある物の「竜」に由来しドラゴンを表しているんだとか。
後、縦の太い線が5本並び、上に同じ太さの横線が繋がったり離れたりしている、文字なのか記号なのか良く分からない文様。私は八卦か梵字だと思っていたのですが、「香」または「源氏香」という種類の紋でした。5つの香を焚いて何の香か当てる遊びの組み合わせを表しているのだそうです。
洋の東西を問わず家紋とは本来貴族や武士が戦場でどこの誰なのか敵か味方かを周りに知らせる為に掲げたマークです。日本では遠目にも分かりやすいシンプルなデザインへ変わる物が多かったようですね。元が竜だろうと太い横線に変えてしまう。本来の目的を考えればとても合理的です。
盾やら王冠やら帆船やらユニコーンやらをあしらったヨーロッパのゴテゴテした紋章とはえらい違いです。
ヨーロッパは貴族や王家のみが家紋を持ったので、もしかしたら「遠目からでも誰なのか分かる」という本来の目的よりも「威厳」や「格好良さ」などの方が大事になった時期が続いたとか、それなりの理由がありそうです。図鑑は日本の家紋についての物だったのでヨーロッパの紋章事情は書いてありませんでした。
封建時代の血族の流れが分かるので、有名所は一通り知っていた積もりでしたが、日本には家紋が6000通り程も有るそうです。
蝙蝠とかお団子とか「なんでそれを家紋にした?」と首を傾げたくなるユニークなモチーフも、「なんでそれがそう変わる?」と突っ込みたくなるユニークなデザインも揃っており、これは深入りすると飛んでもなく時間を喰いそうなテーマです。面白いですけど。
結局我が家の家紋は図鑑に載っていませんでした。近いのはありましたが。謎です。