Catch190 知的衰退
善意のお金を当てにするって、発展途上国じゃあるまいし。
今年に入って驚いたニュースがありました。国立博物館を維持する為にクラウドファンディングとは。
国立博物館が膨大な収蔵品の管理費に足が出そうなのでクラウドファンディングを呼び掛けた所、目標額を大幅に上回るお金が集まったそうですね。一般市民の知的興味の厚さと行動力に安堵すると共に、税金として集めた富の再分配に与る方々のお寒い本性に当分日本国の凋落は続きそうだなぁと暗澹たる気持ちになりました。
そもそも「国立」という以上、運営の責任は国にあるわけでそれが予算不足とはどういう事でしょうか?
どうでもいい外郭団体やその天下り役員たち(元官僚)には一般庶民からすれば「そんなに要るのかなぁ?」と首を傾げるくらいのお給料を払っていてですよ。
いや、私は出来ればそういう無駄を整理しての末に「それでも博物館の維持費が足りない」と言うなら文句は言いません。そして「多少」大事なお仕事をこなしてきた役人さんたちが美味しい思いをしてもバチは当たらないんじゃないかな、くらいには思っています。あくまで「多少」ですけどね。
しかし、そうした美味しい思いをしている方々が進めた庶民の貧困化で今やモヤシや麩を使って日々やりくりに工夫している皆さんにクラウドファンディングでお金を出して貰うなんて順番がおかしいと思うのです。
そうした情けない事をしなければならないほど経済規模が貧弱だとはどうしても思えません。少なくとも美味しい思いをしている方々を許容してるんですから。許容する余地が無いなら貧困化に責任のある元お役人さんたちに美味しい思いをさせてあげる余裕なんて無い筈ですわな。
博物館の予算が足りないなら一般庶民の財布を当てにする前に予算を削った連中が出せばいいじゃん。まぁ出さないでしょうけど。
かつて民主党政権の時に「一番じゃなきゃダメなんですか」とか言って外郭団体の利権に手を入れようとして失敗した方たちを「下手くそなやり方だなぁ」と思って見ていました。パフォーマンスとしても下手くそです。
だって公的には大臣や副大臣ってあの場に呼びつけられた役人・官僚さんたちの上司なんですよ。自分たちで強か役人を黙らせるだけの材料も用意しないままあんな事をすれば圧迫面接かパワハラですよ。んなもん公開でやるなよ。これは役人・官僚たちを舐め過ぎだろう、とかなり早い段階で失敗を予想しがっかりしていました。
結局天下り先は何も整理出来ず、自爆テロ解散で民主党が政権を降りた後は国立大学を法人化&採算化したり研究者たちを有期雇用化・非正規職員化したり自民党公明党の方たちはやりたい放題です。
正しい意味での「米百俵」の精神を身につけて下さいませ。知的衰退は社会が衰退する前兆なのですから。
どれだけ恥を晒せば気が済むのでしょう。