表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/240

Catch185 貧乏物語 その3

石破氏は総裁選に出る毎に国会議員に事実上の決定権がある決選投票に持ち込まれ逆転負けを喫しています。毎回自分たちの意見をひっくり返されている党員たちは何とも思わないのでしょうか?

 連日行われている自由民主党の総裁選挙の報道では各種の世論調査で石破茂氏と小泉進次郎氏がトップ争いをしていると伝えています。前回「小石河連合」を組んだ間柄なのですから政策協定を結ぶなりポストを約束するなりでまた組めば良いように思うのですが、纏まらない物なんですかね?若手の人気政治家とベテラン代議士の組み合わせは単独でやるより選ぶ方も安心すると思いますけど。


 その小泉氏のご尊父・小泉純一郎元首相が首相在任時に目玉政策として進めたのが郵政民営化でした。


 表面上はサービスも利益率も民間に比べて劣る巨大国営事業を分割民営化する事で改善する、というものでした。国鉄民営化と同じ理屈ですね。しかし国鉄民営化が裏に国内最大の組合労働者を抱える巨大事業体を細分化する目的を持っていたように、郵政民営化にも裏の狙いがありました。


 郵政3事業というように郵政省は郵便事業・保険業務 (簡易保険)・金融 (郵便貯金)を扱っていました。この内保険業務に外資の参入を認め金融を財政投融資に使えるようにするために民営化を進めた訳です。メットライフやアフラックが急にTVコマーシャルを打つようになるのはこの後です。


 保険も金融も少額で利用出来る為、国内国外の同業他社から「公営事業の郵便局が最大のネック」と見られており、他社は自分たちのシェアを拡げるために民営化の後押しをしました。


 グローバル化の美名の下に国民が蓄えている資産を扱う事業に外資を参入させるとは発展途上国でもないのにWHY?


 悪いことにバブル崩壊後の低賃金政策との相乗効果で高度経済成長期に積み上げた富はみるみる目減りするか外資に吸い取られていきました。


 その1で説明したように、どの様な形態を取っていても人間社会が手にする富とは「自然物に人が手間を掛ける事で生まれる価値」を源泉として運輸・加工などの第二次産業、サービス・金融などの第三次産業と労働(価値)を増してゆく流れの中にあります。貨幣も預金も人為的なルールに過ぎません。資源や労働者が疲弊し枯渇すれば紙幣も証券もただの紙くずに成り下がるのです。


 富の生産者すなわち労働層=生活者に適切な賃金を払い世の中に出回るお金を増やすほど社会は豊かになり、より高度な政策も選べるようになります。小泉氏のやった事は全て逆でした。


 これだけ私たちの資産を食い散らかしておいて小泉首相が(のたも)うたのが「米100俵の精神」ですよ。


 戊辰戦争で焼け野原になった長岡で藩士の為に集めた100俵の米を「(本来受け取る筈だった為政者(=武士)が我慢して)お金に変えて学校を建てる資金とし、人材育成という将来への投資をした」というエピソードを、事もあろうに「賃金が低いままの国民にさらなる我慢をさせる」為に引用して見せたのです。


 貧困と格差を拡げておいて「これからは軍事こそ日本の経済発展の鍵」と抜かし始めた最近の経済界にも通じる図々しさ。盗っ人猛々しいにも程があるでしょう。


 もう一度言いますが郵政民営化が本当に狙っていたのは生活者が自己防衛の為に蓄えていた貯金を財政投融資の自由化という名目で流用し、保険で外資もおこぼれを預かれるようにしようという「売国的金融政策」でした。


 こんなのに踊らされ私たち自身の大切な資産(命綱)を他所の国に流出させる為政者を有難がっていたんですよ。

米100俵なんて私の出身地である新潟県では道徳の授業や偉人伝の本などで広く知られていますからね。小泉首相の決め科白を聞いた時「我慢するヤツが逆やん」と突っ込んでしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ