Catch174 郷土料理
ご存知でしょうか、新潟の「のっぺ」。
我が家の一年は「のっぺ作り」で終わります。
のっぺとは新潟の郷土料理で、日本海側各地にある「のっぺ汁」と違いとろみを付けるのにかたくり粉などを使いません。とろみは具材に使う里芋を煮込む事で出します。
出汁は煮干しや椎茸・昆布など主に“まろやか系”で味を醤油で加減します。具材は各家庭でそれぞれ違いがある様で、共通するのはとろみの元の里芋 (たっぷり)・大根・人参・蓮根・ゴボウといった根菜にコンニャク・カマボコくらいでしょうか。家では他に豚肉と生椎茸、イクラを使います。イクラは後入れです。煮込む時に入れてプチンパチンにして食べる家もありましたが、熱々の出来上がりをイクラを入れたお椀に盛って余熱で半生にした物が我が家流。
新潟の知人や新潟県人に訊くと本当にバラバラで、肉は入れず鮭を使うとか、あるいはクワイや銀杏を入れると言っていた人もおりました。スルメだのタコ(多分生蛸)を入れると言っていた人もいましたね。先ほど書いた「基本の共通具材」すら怪しい物で、コンニャクを入れないとかレンコンを使わないとか十人十色、十家十のっぺ。タケノコだとか松茸だとか牛肉だとかを使う方には会ったことがありませんがそういう家もあるんじゃないかと思える自由さです。鮭の缶詰めを入れる家もありましたわ。
完全にフリーダムかと言えばそうでもなく、厚揚げや豆腐を使う人には会った事が無いですね。やはりどこかに何か線引きがあるのでしょうか。
あ、それと葉っぱ物は使う事はありません。タブーではないと思うんですけど、のっぺに白菜や青菜、ネギを入れている人を見た事がないのです。
以前、高田馬場に新潟料理の居酒屋が入っていた事がありまして、仕事で上京してきた友人と飲みに行った時、メニューにのっぺを見つけました。さっそく頼もうとした所、我々の会話で越後人だと察したのか(まぁイントネーションでバレたのかも)お店の方が申し訳無さそうに「のっぺじゃなく“のっぺ汁”なんです」と言われました。そうです、のっぺ汁は新潟料理ののっぺとは別物なのです。どうする?と顔を見合わせ注文は止めました。
今年も大晦日に鍋2つ分作り、根菜と出汁の効いた旨みで正月を満喫しております。元日から大きな災害が発生する波乱の1年となりましたが、皆さま良い正月をお過ごし下さいませ。そして被災者の方々に謹んでお見舞い申し上げます。
時間がない時は根菜などはパックを使います。それなりに美味しく出来ますよ。