Catch172 様々な生活圏
戦争よりも話し合い。そんな2024年になればいいと思っています。
日本は比較的変な政治の都合などで情報の規制や歪みが起こる事の少ない国だと思います。勿論限界はあって『Catch155 国際反戦デー』で書いたように「首都の中心部に数万人単位の人たちが集い、一定の政治的社会的主張を訴える集会が行われているのにどのメディアも伝えない」という恐ろしい事も起こっている訳ですけど。
この集会、言いたくはないですがかのNHKの真横でやっていたんですよ。夕方のニュースにすら乗らないってどっかの将軍様が民族を指導する国並みにヤバいと思いませんか?私たちが目にするニュースなんて世の中のごく一部の事でしかない、その程度の物なんです。
日本で出回る情報、「日本フィルター越し」の情報だけ摂取していると「将軍様の国は世界から孤立しているんだろう」と錯覚してしまいそうになりますが、あの国と付き合いがないのは主要国ではアメリカと日本くらいで、実はイギリスやフランスを初めとしたほとんどの国は当たり前に国交を結んでいます。普通にそれらの国から観光客も来ています。
どっぷりアメリカ=ウルス(モンゴル語で勢力範囲)に囲われてしまった日本では想像がつきにくいのですが、世界では英語よりフランス語やスペイン語の方が通じやすい地域も多く存在します。典型的なのはヨーロッパ大陸で、ここで開かれる諸々のスポーツ大会や国際会議などは選手や参加者同士の会話は基本フランス語です。もちろん英語しか分からない同席者 (主にアメリカ人と日本人)の為に会議は通訳が付きますし英語でかいつまんで通訳してくれる親切な選手もいるようですが、ダイレクトな会話はフランス語で行われるのでアウェイ感が相当あるとか。
サッカーなどでは強豪国がスペイン語圏に多いせいでしょう、スペイン語の通りがいいようです。久保建英選手のように10代前半からスペインでプレーしていた方はコミュニケーションの点でも日本で実績を上げてからヨーロッパへ繰り出す他の日本人プレーヤーと比べて圧倒的に有利なのだと思います。
フランス語はロシアでも結構通じると言います。ロシアが帝政時代に“文明開化”を試みた時期にフランスに協力してもらった名残らしいです。ナポレオン戦争の頃にはフランス語を流暢に操る将校もいたそうで、創作ですが確かトルストイの大作『戦争と平和』にもフランス軍将校に化けてナポレオン軍営に紛れ込み雑談をして帰って来るロシア軍人のシーンがあったように覚えています。
確かに英語がこなせると旅行程度の移動なら交通機関が通る地域の大部分に行って帰って来る事が出来るでしょう。中国語 (北京語)をこなせると面積と人口でとても広い地域が行動範囲になります。ただしそれら「強い言葉」に負けず劣らずフランス語スペイン語アラビア語スワヒリ語など日本に縁の薄い言葉が主流の生活圏も広大な範囲を覆っています。翻訳アプリの発達がこうした垣根を低め、相互リスペクトと多様性が進む未来に繋がればいいと思っています。
今年最後の投稿です。新年はもう少し楽しい話題も書きたいです。