Catch167 キャパオーバー
コロナで家族旅行もしていなかったのですが、「こんなに狭くて使い辛いホームだったっけ」と首を傾げる羽目になりました。
先日、本当に久しぶりに東京駅から東海道新幹線を利用したのですが、ホームが余りに狭くて人が多いので驚きました。正確に言えば最初にホームにあるであろう売店で車内で食べる駅弁か何かを買おうとした所、ほとんどの店が閉まっていて改札近くの売店まで戻る羽目になってまず驚いたのです。その後、改めてホームに上がり乗る予定の号車番号の辺りで待っていたら、まぁ来るわ来るわ次から次へと新幹線が到着し、上越や東北新幹線に比べてずっと狭いホームへどんどこどんどこ乗客が出て来ました。
乗る便を待っているだけなのに移動すらし辛いぎゅう詰めになり完全にキャパオーバーです。2~3分おきに新幹線が発着していればそうなりますわな。
例えば空港などでは十分なスペースを取り、更には乗降客の動線をスムーズに保つ様に工夫されている為に東京駅の東海道新幹線ホームよりはるかに多い人を難なく捌いています。後から作った東北・上越新幹線のホームが広いのも動線の確保と利用者数の想定を大きく取ってあるからでしょう。通過しただけですが、高輪ゲートウェイ駅も見る限りはかなり広いホームでした。
初めに驚いた「ほとんど売店が閉まっていた」のは、そんな物を開けて営業していれば買い物の為に立ち止まる客で更に混雑がひどくなる事を防ごうとしていたのでしょう。実際、営業していたお店はホームの端と端でしたし。
いま日本政府はわざわざ観光庁なる新しい役所をこさえてまでインバウンド (来日観光客)を増やそうとしております。物作りや技術開発で外貨を稼げなくなった事に対する取り繕いで、明確に日本が先進国から途上国へ後退している兆しなんですが、それならそれで増えた外国人観光客・日本人移動者を捌くだけのインフラを整備してから目指して頂きたい。
東海道新幹線が営業を始めてから50年以上が過ぎています。同時期に本格的に国際空港として始動した羽田空港も大幅にリフォーム・拡張したからこそ再び国際線の離発着が出来るようになったのです。東京駅の東海道新幹線ホームも是非「インバウンド4000万人時代」を見据えて対応して欲しいと思います。
日本流の過剰サービスは珍しがられる事はあってもそれを真似しよう目指そうと考えるヨーロッパの国は無いと思います。インバウンド増加も自国の魅力を分かった上で目論まないと頓珍漢な的はずれで終わってしまうでしょうね。