Catch165 地球沸騰の時代に
本当、戦争なんてやってる場合じゃないんですけどね。
今年 (2023)の始めに映画の上映会をする事になり、スタッフとしてチラシを作ったり会場設営をやったり正月気分を味わう事もなく慌ただしさの中で一年が始まりました。環境問題のドキュメンタリー映画『THE STORY OF PLASTIC』です。
プラスチックが引き起こしている環境汚染と貧困国にそのしわ寄せが行っている様を示すドキュメンタリー映画ですね。
形の上では「リサイクル」と称してプラスチック製品を回収してはいても全てがちゃんと処理されてはいない。何割かは開発途上国へ“輸出”、処理を貧困地域に押し付けている。そして押し付けられた途上国で深刻な被害が出ている様子。インドで、カリブ海で、アフリカで…。映し出されて行く無惨な内容に新年そうそう気持ちが暗くなりました。
なるべくプラスチックが出ないように買い物をしようと日常生活を見直すと改めて「WHY?」な売り方をされている商品のなんと多い事でしょうか。
身近なところでは何故野菜を一々個別に包装するのでしょうか。
ニンジンやネギをプラスチックの袋でラッピングする意味が有りますか?ニンジンやジャガイモに至っては複数個ならともかく(それだって紙袋などプラスチック以外の素材でまとめる方がいい)1個を袋に入れて売るお店もある始末。何の意味が有るのか全く分かりません。調理する前に洗って皮を剥けばいいだけの事でしょう。
個別包装と洗浄でどちらの環境負荷が大きい物なのか素人には分かりませんが、そういう事こそ専門家に解析して頂きたい物です。
特に合成洗剤による水質汚染はかなり以前から指摘されています。
私は以前から「大量消費を前提に大量生産する商品経済こそ環境破壊の根本だ」と思っております。売れる物を地面の限界を超えて沢山作ろうと欲をかくから周囲の植生を無視した畑の造成が必要になり、大量の化学肥料を使って何年かは収穫を保つ事が出来ても土中の微生物や“害獣・害虫”とされる「商品化に邪魔な生き物」を殺しまくって生態系を壊してしまえば豊かな農作物を得るのは難しくなっていくのですから。
ましてや「ゴルフ場の芝を綺麗に保つ為」に撒く薬剤が周辺の海に流れ出し魚介類を汚染するだとかハンバーガー用の肉を取る為に原生林を切り払って牧場にしてしまうとか、「その場所に人間さえ住めなくなる商品づくり」をお金の為にやり続けるのはあまりにも愚かです。
問題はその際に出る被害を「自己責任」という形で貧困国に巧妙に押し付けている点です。最近ではとうとう先進国の生活圏ですら死者が出る気候変動にさらされはじめていますが、地球規模の環境悪化を前に多少のお金を稼いでいたからって何か役に立ちますか?お金なんて所詮は神様が使うような人智を超えた凄い道具でもなんでもない人間が決めたルールに過ぎないんですから。
何でもかんでもベストを尽くして生活するのはさすがにしんどい物です(出来るのならそれに越した事はありませんが)。環境問題もダイエットと同じで“無理なく長く続ける”が一番確実なのだろうと思います。
ダイエットだって断食みたいに極端な方法はありますが、健康に多大な悪影響をもたらしては本末転倒です。薄く長くが結局は目的達成の近道でしょう。