表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/240

Catch151 不条理選挙

外国籍の方や未成年者など「権利を持たない人たち」の意見を代弁する為にも、投票はしておいた方がいいでしょう。

 参議院選挙が始まりました。


 私はこのエッセイでも何度か言っていますが「とても怠け者」なので、帝国憲法時代の日本や今の北朝鮮や香港のように政治や言論の自由が奪われてしまってからばか正直に「ヤメロヤー」とデモに加わって逮捕されるより、そんな社会にならないようにする事に力を割いた方がいいと思っています。


 なので各党各候補何かしら同意出来ない部分があってもyes/noを振り分け、自分の中の優先順位でいづれかの票を投じて来ました。


 例えば原発問題と雇用対策で同意出来なくても安全保障政策で賛成する公約を掲げている場合、自分の中で安全保障問題の方が環境やエネルギー、経済より重要と感じていればそこに票を入れる事になります。


 特に大事だなと思う選挙の場合はお手伝いをする事もあります。




 選挙運動はやってみると驚愕の連続です。選挙が近いこの時期になると「投票率が低い」「もっと多くの人が選挙に行くようにならなければ」とテレビや新聞など主要メディアが言い始めます。ところが選挙をやる側になってみるとこれが不条理極まり無い。


 まず仕組みの違う選挙が多すぎます。現在の国政選挙では「衆議院小選挙区」「衆議院ブロック比例」「参議院選挙区」「参議院全国比例」と4種類。全部方式が違います。まぁ同じ方法で全ての議員を選ぶと、時にはナチスのようにムーブメントを起こし、権力を預けてはいけない人たちが短期間で政権に就いてしまう事もあるので、複数の選挙方法を行う事はそうした一時の社会ヒステリーを防止する意味は有るのでしょう。投票する側としては面倒臭いですが。



 そして公約や政策を知ってもらう為に出来る事を絞り過ぎ。立候補を予定している人がよくポスターを貼り出していますが、「選挙期間が近づくと予定候補が一人で写っているポスターは貼ってはならない」。参議院選挙ですと任期満了の半年前からポスターは「二人以上が写った物」に張り替えなければなりません。誰が今度の選挙の候補者なのか分からんちゅうの。



 自動車や船・ヘリコプターなど立候補した人が宣伝しながら移動するための乗り物も「足りる訳あるかぁ~~っ!!」と喚きたくなります。


 私の故郷新潟県は南北におよそ270km(東京-名古屋と同じくらい)程ありますが、参議院選挙で一人の選挙区候補者が使える宣伝用乗り物は3つまでです。


 ある知り合いは北海道の東の果てにある別海町の出身で、この町は香川県と同じくらいの広さがあるそうです。彼女は国政選挙で候補者など直に見た事は無いと言っておりました。「あ、でも移動中の候補者が乗ったヘリコプターが上空を飛んで行くのは何度か見た」ですって。



 ではビラ・チラシでお知らせ出来るかというとこれもダメ。


 政策パンフレットやビラは「選挙期間中は候補者の名前を入れた物は不特定多数に配ってはならない」。ポスティング出来なくなるのです。普通は逆でしょう。


 名前入りの物は選挙管理委員会が許可した、有権者数に比べて雀の涙ほどの枚数の証紙を貼ったビラやポスターだけしか使えません。しかもビラは宣伝カーの周囲で手渡しのみ。


 少しでも有権者に各候補者の声が「届かないように」しているようにしか思えません。



 公営掲示板もたまに「何でこんなトコに?」「誰が見るの」という人通りの無い所に据えられているのを見たことがありませんか?


 豊島区のとある公園の横に人がかろうじてすれ違えるくらいのほっそい路地があり、そこに掲示板があるのを見て仰け反った事があります。公園は道路にも面しているのに何故に敢えて路地の方に立てるかな。



 極めつけは「インターネット投票を未だに実施しない」。インターネット投票が運用されれば投票率は確実かつ大幅に上がると思います。技術的に不可能という事はないでしょう。


 何故やらないのか全く分かりません。


 これで「さあ、皆さん投票して下さい」と言われましても。投票の呼び掛けとは裏腹に「本当は投票率が上がって欲しくない」んじゃなかろうかと邪推したくなりましたよ。



 例えばあなたが政治に興味が無くても政治の方があなたに興味を持っています。どれだけ年金や医療補償、諸々の給付金を減らせるか、低賃金で働かせてもいい事に出来るか、税金を上げられるか。


 政治という物は基本的に図々しいので「反対しなければ賛成した」とみなします。自分や家族の人生を守る為に投票に行きましょうよ、結局はそれが一番「楽」なんですから。

他にも期間中は候補者以外にマイクが使えなくなるなど様々な不条理があります。責任ある社会人として、投票に行きましょう。どっかの国みたいになる前に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ